
マラソンランナーにおけるカーボ摂取の
適切な量とタイミング
こんにちは、Disport Worldです。今回は、フルマラソンに挑戦するランナーが知っておきたい「カーボ(炭水化物)摂取」のポイントを解説します。長距離走では筋肉と肝臓に蓄えられたグリコーゲンが主エネルギー源になりますが、これには上限があるため、適切なタイミングと量で炭水化物を補給することがパフォーマンス維持のカギとなります。
1. なぜカーボ摂取が重要なのか
マラソンのように2時間以上の持久運動が続くと、体内のグリコーゲンが徐々に枯渇し、エネルギー不足に陥りやすくなります。いわゆる“30kmの壁”も、このグリコーゲン不足が大きな原因の一つです。適切に炭水化物を摂取することで血糖値を安定させ、後半のスタミナ切れを防ぎ、最終的なタイムや完走率を大きく左右します。
2. 摂取量とタイミングの目安
(1) トレーニング期の日常摂取
日々の練習を支えるためには、体重1kgあたり5〜7g程度の炭水化物が推奨されます。高強度・高頻度のトレーニング期には7〜10gに増やすことも。ただし、脂質やタンパク質とのバランスを崩さないよう注意が必要です。
(2) レース直前のカーボローディング
レース2〜3日前からは、体重1kgあたり8〜12gの炭水化物摂取を目標に行うカーボローディングが有名です。パスタ、パン、ご飯などを中心に、野菜や果物でビタミン・ミネラルも補い、グリコーゲンを可能な限り蓄えておきましょう。詳細は、Runner’s Worldのカーボローディング解説も参考にしてください。
(3) レース中(60〜90分以降)の補給
1時間を超える持久運動では、1時間あたり30〜60gの炭水化物の補給が推奨されます。バナナやエネルギージェル、スポーツドリンクをこまめに摂ると、体内の糖質が維持され、後半の集中力・走力を保ちやすくなります。
(4) レース後のリカバリー
運動後30分以内はゴールデンタイムと呼ばれ、体重1kgあたり1.0〜1.2gの炭水化物を摂ると、効率的にグリコーゲンを回復できます。プロテインなどのタンパク質を組み合わせることで筋肉の修復も促進され、疲労回復が早まります。詳しくは、PubMedの研究もご参照ください。
3. 実際の食事・補給例
- 朝食(トレーニング期): オートミール+牛乳、バナナ、ゆで卵など
- レース前夜: パスタ+トマトソース、全粒パン、野菜スープ
- レース中: ジェル1個(20〜25gの炭水化物)、バナナ半分、スポーツドリンク適量
- レース後: プロテインドリンク+フルーツ、リカバリーバーなど
4. 注意点
- 炭水化物を増やす際は、脂質や食物繊維を極端に増やしすぎない(消化負担を考慮)。
- 練習時に補給のタイミングや食品を試し、本番に備える(胃腸の慣れを確認)。
- 水分摂取も同様に、レース直前・直後、走行中にこまめに行う。
5. まとめ
マラソンを無事に完走し、かつ良いタイムを狙うためには、炭水化物(カーボ)をどう摂るかが大きな鍵を握ります。トレーニング期の食事やレース前のカーボローディング、そして走行中のエネルギー補給を計画的に行うことで、長時間にわたる走行でもスタミナ切れを起こしにくくなり、パフォーマンスを最大限発揮することが可能になります。
正しい栄養摂取と適切なトレーニングは切り離せない関係です。Disport Worldでは、パーソナルトレーニングと並行して栄養指導も行っておりますので、興味のある方はぜひご相談ください。