カーボローディングの目的や効果

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カーボローディングの目的と効果|Disport World


カーボローディングの目的・効果と実践法

1. カーボローディングの目的・効果

目的

いよいよ、東京マラソンが近づいてきましたね!

大会やレース前に、筋肉や肝臓に貯蔵できるグリコーゲン量を最大化することで、長時間・高強度運動中のエネルギー切れを予防し、パフォーマンスを維持・向上させることが目的です。

効果

レース後半に訪れがちな“失速”や“ハンガーノック”を抑えることができ、研究によれば、4時間以上の持久系競技(マラソン、トライアスロンなど)で2〜3%ほどパフォーマンスが向上するとの報告があります。

2. カーボローディングの手法

2-1. クラシカル法(枯渇期+大量摂取)

枯渇期:レース1週間ほど前に、ハードなトレーニングと同時に糖質を極端に制限し、筋グリコーゲンを一度枯渇させます。
ローディング期:レース直前の3日程度、トレーニング負荷を下げながら糖質を大量に摂取し、グリコーゲンを“スーパー・コンペンセーション”状態にします。
特徴: 効果は高いものの、疲労やストレスが大きく、一般ランナーには取り入れにくい手法です。

2-2. モダン法(テーパー+高炭水化物食)

テーパリング:レース1〜2週間前から徐々にトレーニング量を減らし、疲労回復を促進しながら必要な調整走のみを行います。
高炭水化物食:レース3〜4日前から炭水化物の割合を普段より増やし、全体の60〜70%を炭水化物から摂取するイメージです。
特徴: 身体への負担が少なく、胃腸トラブルや疲労リスクが抑えられるため、近年主流となっている方法です。

3. カーボローディングの実践ポイント

3-1. 摂取量の目安

体重1kgあたり7〜12gの炭水化物摂取が推奨されます。例えば、体重70kgのランナーなら1日500〜800gが目安ですが、胃腸の許容量やトレーニング量に応じて調整が必要です。

3-2. 食事バランス

炭水化物を増やす一方で、タンパク質、脂質、ビタミン・ミネラルもバランスよく摂取しましょう。GI値の高い食品(白米、パン、ジュースなど)と低い食品(全粒粉パン、オートミールなど)を組み合わせ、血糖値の乱高下を防ぎ、スポーツドリンクで電解質を補給するのも効果的です。

3-3. レース直前の注意

前日のドカ食いは避け、胃腸に負担をかけない程度の高炭水化物食を心がけます。また、大会当日の朝食でも適度に炭水化物を補給し、エネルギー切れを防ぎます。体重増加が1〜2kg程度起こるのは正常な範囲ですので、過度に気にしないことが大切です。

4. カーボローディングが効果的な場面

フルマラソン、ウルトラマラソン、トライアスロンなど、レース時間が3〜4時間以上に及ぶ競技や、長距離サイクリング、山岳レースなどで特に有効です。一方、5kmや10kmなど短い距離の大会では大掛かりなカーボローディングは必要ない場合が多いです。

5. よくある失敗・注意点

胃腸トラブル:急激に炭水化物を増やしすぎると下痢や胃もたれを引き起こすため、何日かに分けて徐々に摂取量を増やすのが望ましいです。
質の悪い糖質に偏る:スイーツや清涼飲料水ばかりに頼ると、脂質や糖質の過剰摂取で体重が急増し、レースパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
練習なしのぶっつけ本番:カーボローディングに慣れていないと当日トラブルが発生しやすいため、ロング走や試合前の練習段階でテストを行うことが重要です。

6. まとめ

カーボローディングとは、長時間の運動に必要なグリコーゲンを最大限に蓄えるための食事戦略です。特にマラソンなどの持久系競技において、レース後半の失速を防ぐために効果的です。
方法: 古典的な枯渇法(クラシカル法)と、テーパリング+高炭水化物食のモダン法があります。
実践ポイント: 大会前3〜4日から炭水化物割合を60〜70%に引き上げ、トレーニング量を段階的に落としながら疲労回復を図ります。
注意点: 胃腸トラブルや過度な体重増加を防ぐため、無理のない摂取量と自分に合った方法を見極めることが重要です。

適切なカーボローディングを行うことで、レース当日に良好なパフォーマンスを発揮し、終盤のエネルギー切れを最小限に抑えることが期待されます。持久系スポーツに挑戦する皆さんは、ぜひ上手に取り入れてみてください。


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