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NPBジュニアトーナメント完全ガイド
学童野球 × NPB Junior Tournament

NPBジュニアトーナメント
KONAMI CUP 2026 完全ガイド
全16チームのセレクション募集状況・基準・身体作り

2026年7月13日更新。「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2026」(第22回・12月26日〜29日開催)の全16チームについて、セレクション募集状況を一覧化した。7月13日時点で応募を受け付けているのは阪神・ソフトバンク・オイシックス新潟・ハヤテ静岡・四国アイランドリーグplusの5チーム。歴代優勝、球団別の選考方式と基準、肩肘検診、応募動画の撮り方、3・4年生からの準備、中学硬式の進路、長期の身体づくりまで——保護者と指導者のための決定版ガイド。

2026.05.12 / Updated 2026.07.14 読了 約45分 Share

Key Points — 3分で分かる要点

  • 2026年大会(第22回)は12月26日〜29日開催。会場は明治神宮野球場ほか(予定)。NPB12球団+ファーム2球団+独立リーグ選抜2チームの計16チームが出場する。
  • 7月13日時点で応募受付中は5チーム——阪神(〜7/16)・オイシックス新潟(〜7/16)・ソフトバンク(〜7/19)・ハヤテ静岡(〜7/20)・四国アイランドリーグplus(〜8/7)。
  • 巨人・ヤクルト・DeNA・中日・ロッテ・日本ハムは一次締切済み。楽天・BCリーグは未発表、オリックスはバファローズカップ経由の独自方式。
  • 応募基準は球団で大きく異なる。2026年の阪神は「50m走7.5秒以下/球速100km/h以上/遠投60m以上/特筆技能」のいずれか1つ以上
  • 最終関門は肩肘検診。数値だけでなく「壊れていない身体」であることが代表入りの条件になる。

NPBジュニアトーナメントとは
——小学生野球の最高峰

「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP」は、日本野球機構(NPB)と所属する12球団が主催する、小学5〜6年生による全国大会だ。2005年に第1回大会が開催されて以来、毎年12月下旬に開催されている。各球団がセレクションで選抜した16名のジュニア選手たちが、プロのユニフォームを着て、ジュニア日本一を懸けて戦う。「小学生のドラフト会議」とも言える厳しい選抜過程と、明治神宮野球場などプロが実際に使用する球場での試合は、まさに小学生野球の最高峰だ。

192名
出場選手(16×16)
3-5%
合格率の目安
2005
第1回大会
12月
開催時期

マクドナルドトーナメントとの違い

学童野球の二大大会であるマクドナルドトーナメントとNPBジュニアトーナメントには、決定的な違いがある。マクドナルドトーナメントはチーム単位(所属する学童野球チームがそのまま出場)に対して、NPBジュニアトーナメントは各プロ球団が選抜した個人による選抜チームだ。所属する学童野球チームに関係なく、地域選抜方式で選ばれる。

項目マクドナルドトーナメントNPBジュニアトーナメント
主催全日本軟式野球連盟(JSBB)NPB+12球団
使用球軟式球(J号)軟式球(J号・ナガセケンコー)
チーム構成所属チームそのまま選抜方式(セレクション)
参加方法所属チームの予選勝ち抜き個人応募→セレクション
開催時期8月12月下旬
会場各地(2026年は愛媛)明治神宮野球場ほか
参加チーム53チーム16チーム(2025年〜)

つまり、マクドナルドトーナメントは「チームの強さ」を競う大会NPBジュニアトーナメントは「個人の才能」を競う大会と言える。使用球はどちらも学童用の軟式球(J号)であり、違いはボールではなく「チーム単位か、個人選抜か」にある。両大会の経験を持つ選手も多くいる。

プロ野球選手への育成ピラミッド——学童期の位置づけ

NPB 高校・大学・社会人野球 中学(硬式・軟式) NPBジュニア / 学童野球 少年野球(土台づくり)

NPBジュニアトーナメントは、プロへの長い道のりの「入口」に位置する。ここで重要なのは早期の勝敗以上に、成長期に怪我なく、正しい身体の使い方を身につけることだ。

KONAMI CUP 2026 開催概要
——第22回大会・出場16チーム

2026年5月29日、一般社団法人日本野球機構(NPB)とNPB12球団は、「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2026」の開催を正式に発表した。2005年の創設から数えて今年で第22回を迎える。株式会社コナミデジタルエンタテインメントによる特別協賛は、2020年から7年連続となる。

KONAMI CUP 2026 大会概要(NPB公式発表)

公式タイトル:NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2026
開催回:第22回(2005年創設)
日程:2026年12月26日(土)〜12月29日(火)
会場:明治神宮野球場ほか(予定)※報道では明治神宮野球場とジャイアンツタウンスタジアムの2球場開催と伝えられている
出場:計16チーム
主催:一般社団法人日本野球機構、NPB12球団
特別協賛:株式会社コナミデジタルエンタテインメント
協力:ナガセケンコー株式会社
運営協力:公益財団法人全日本軟式野球連盟
対象選手:小学5・6年生で編成(監督は各球団のOB選手等が務める)

出典:NPB公式「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2026」開催告知(2026年5月29日)・特設ページ

本大会は、「子どもたちが『プロ野球への夢』という目標をより身近に持てるように」との思いから2005年に創設された。各球団がジュニアチームを編成し、年末に未来のプロ野球選手を目指す小学生たちがしのぎを削る。例年、年の瀬の風物詩として注目を集める大会だ。

KONAMI CUP 2026 出場16チーム

出場16チーム一覧

【NPB12球団ジュニアチーム】
読売ジャイアンツ Jr./東京ヤクルトスワローズ Jr./横浜DeNAベイスターズ Jr./中日ドラゴンズ Jr./阪神タイガース Jr./広島東洋カープ Jr./北海道日本ハムファイターズ Jr./東北楽天ゴールデンイーグルス Jr./埼玉西武ライオンズ Jr./千葉ロッテマリーンズ Jr./オリックス・バファローズ Jr./福岡ソフトバンクホークス Jr.

【ファーム・リーグ参加球団】
オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ Jr./ハヤテベンチャーズ静岡 Jr.

【日本地域プロ野球リーグ機構 加盟リーグ選抜】
ルートインBCリーグ Jr./四国アイランドリーグplus Jr.

かつては12球団のみで争われていた本大会だが、近年は門戸が広がり、独立リーグ系のジュニアチームも正式参加するようになった。これにより、より多くの地域の小学生に「プロ野球への夢」への扉が開かれている。

【2026年7月13日更新】
球団別セレクション募集状況

2026年7月13日時点|各球団の公式発表・報道にもとづく

一次セレクションの応募は、例年6月〜7月に集中する。2026年もすでに多くの球団が一次の受付を終えた一方、7月13日時点では次の5チームが応募を受け付けている。締切1週間前は応募が集中するため、早めの提出が公式にも推奨されている。

受付中 — セ・リーグ 阪神タイガースJr. 一次(動画)7月16日(木)23:59締切
基準:50m走7.5秒以下/球速100km/h以上/遠投60m以上/特筆技能——いずれか1つ以上。近畿圏在住の小6
公式要項を見る
受付中 — パ・リーグ 福岡ソフトバンクホークスJr. 一次=ヒマラヤ「ピッチング&スイングスピードコンテスト」での測定 6月19日〜7月19日(日)。九州・沖縄および中国・四国のヒマラヤ指定30店舗で受験し、一次通過者は7月19日23:59までに二次へ申込。4段階選考。8〜12月の土日祝の練習に参加できることが条件
球団公式サイト
受付中 — ファーム・リーグ オイシックス新潟Jr. 一次(動画)7月16日(木)23:59締切。対象:新潟・富山・石川・福井の小5・6男女。ヒマラヤ長岡店でのスイングスピード測定(115km/h以上で一次合格)ルートもあり
公式要項を見る
受付中 — ファーム・リーグ ハヤテベンチャーズ静岡Jr. 一次(動画・書類)7月20日(月)締切
二次 8月11日 → 三次 8月29日 → 最終 9月上中旬(肩肘検診・面談)の4段階。詳細は球団公式サイトの募集要項を参照
受付中 — 独立リーグ選抜 四国アイランドリーグplus Jr. 応募 8月7日(金)17:00締切。四国4県の小5・6が対象。二次選考時に肩肘検診を実施
応募ページを見る
球団対象一次選考の方式2026年 応募期間7/13時点の状況
セントラル・リーグ
読売ジャイアンツJr.小5・6動画(4段階選考)6月1日〜6月30日締切済
東京ヤクルトスワローズJr.公式参照動画 → 会場(二次 7月21日・22日)〜6月25日締切済
横浜DeNAベイスターズJr.小6(+球団スクール アドバンス所属の小5)応募 → 実技選考3回(7月21日〜30日・横浜市内)〜7月1日締切済
中日ドラゴンズJr.公式参照WEB応募 → 5段階選考〜6月22日締切済
阪神タイガースJr.小6(近畿圏)動画 → 実戦形式(8月11日・12日)→ 最終+肩肘検診6月18日〜7月16日受付中(〜7/16)
広島東洋カープJr.公式参照(2025年は中国地方5県)公式参照7/13時点 未確認要項未確認
パシフィック・リーグ
北海道日本ハムファイターズJr.小5・6(北海道内)動画(デジタルチャレンジ)→ 三次まで6月1日開始選考進行中(二次結果 〜7/13通知)
東北楽天ゴールデンイーグルスJr.小6(東北6県・例年)会場選考(例年8月・当日一発型)未発表未発表(例年7月中〜下旬告知)
埼玉西武ライオンズJr.小6本メンバー+小5サポートメンバー約5名動画6種(デジタルチャレンジ)公式参照一次結果通知段階(二次案内 〜7/17)
千葉ロッテマリーンズJr.公式参照応募 → 会場一次(7月21日〜23日)〜7月6日締切済
オリックス・バファローズJr.バファローズカップ2026出場チームの選手大会視察・推薦 → 動画 → 実技(9月中旬)一般公募なし大会経由
福岡ソフトバンクホークスJr.小5・6(九州)ヒマラヤ店舗測定 → 4段階選考6月19日〜7月19日受付中(〜7/19)
ファーム・リーグ
オイシックス新潟アルビレックスJr.小5・6 男女(新潟・富山・石川・福井)動画 または 店舗測定 → 実技(8月4日・8月21日)6月19日〜7月16日受付中(〜7/16)
ハヤテベンチャーズ静岡Jr.公式参照動画・書類 → 4段階(〜9月・肩肘検診)〜7月20日受付中(〜7/20)
独立リーグ選抜
ルートインBCリーグJr.小5・6(加盟地域9県)公式参照(昨年は7月告知 → 9月選手決定)未発表未発表
四国アイランドリーグplus Jr.小5・6(四国4県)応募 → 選考(二次で肩肘検診)〜8月7日 17:00受付中(〜8/7)

注記:本表は2026年7月13日時点で、各球団の公式サイトおよび報道から確認できた情報の整理です。日程・条件は変更される場合があります。応募の際は、必ず各球団公式サイトの最新の募集要項をご確認ください。

セレクション制度
——「狭き門」の全容

NPBジュニアトーナメントの最大の特徴は、各球団が独自に行う厳しいセレクションだ。各球団数百名の応募者から、わずか16名が選ばれる。合格率は概ね3-5%程度とされ、「小学生のドラフト」と呼ばれる所以だ。店舗測定方式を採るソフトバンクのように、応募規模が数千人規模にのぼるとされる球団もあり、球団によって応募者数の桁が変わる。

セレクションの流れ(標準4ステップ)

1

一次セレクション(動画選考・店舗測定)

6月〜7月実施。スマートフォン等で撮影したバッティング、ピッチング、フィールディング(捕手はセカンドスロー)の動画を応募フォームから提出する方式が主流。現地に行かなくても応募でき、応募者数の増加につながっている。2026年はソフトバンク・オイシックス新潟のように、スポーツ用品店での球速・スイングスピード測定を一次選考とする方式も広がっている。

2

二次セレクション(会場選考)

7月下旬〜8月実施。一次通過者のみが招集される。実技テストとして、50m走、遠投、球速計測、バッティング、守備、走塁などが行われる。多くの球団では2日間に分けて実施され、1日目で合否が出ることが多い。

3

最終セレクション(数回の練習会)

8月下旬〜9月実施。最終候補20-30名で数回の練習会・紅白戦を実施し、最終的に16名を絞り込む。この段階で「肩肘検診」が行われる球団も多い(後述)。中日のように一次〜四次を経る5段階選考の球団もある。

4

代表選手決定(9月)

16名の代表選手が決定。10月〜12月にかけてチーム練習を重ね、12月下旬の本大会に挑む。代表決定後の練習は土日中心。

Selection Funnel — 段階別の人数イメージ

一次応募(動画・店舗測定)
数百名〜
二次(会場選考)
50-80人
最終(練習会)
20-30人
代表
16名

合格率は累積で概ね3-5%程度とされる(各球団の応募数により変動)。6月の応募から代表決定まで、4ヶ月近い長期戦になる。

参加条件(共通の枠組み)

  • 年齢:原則小学6年生(球団により小5・6)。各球団が定める生年月日範囲を満たすこと。2026年の小学6年生は2014年4月2日〜2015年4月1日生まれが該当する。
  • 居住地:球団指定の地域に在住・在学、または地域内のチームで活動していること。例:阪神Jr.は近畿圏在住、日本ハムJr.は北海道内など。
  • 所属チームの許可:現在所属する野球チーム・団体および保護者の許可を得ていること。
  • 活動への優先参加:ジュニアチームの活動(練習・大会)に優先的に参加できること。10月〜12月の土日は基本的にジュニアの活動に充てる必要がある。ソフトバンクは8〜12月の土日祝の練習参加を条件として明記している。

一次選考・応募動画の撮り方
——選考側に「伝わる」動画の条件

一次選考の主流は動画審査だ。2026年の要項を見ると、求められる動画の構成は球団間でおおむね共通している。阪神は打撃・投球・守備(捕手希望者は二塁送球)・自己アピール、西武はバッティング・ピッチング・フィールディング・捕手のセカンドスロー・塁間走・自己PRの6種類。まず、応募する球団の指定(動画の種類・本数・秒数・容量上限)を正確に守ることが大前提になる。過去の要項ではファイル容量の上限(500MBなど)が定められていた例もある。

撮影実務のチェックポイント

  • 明るい屋外・順光で撮る:逆光や夕方の薄暗い映像は、フォームの細部が判別できない。晴天の日中、太陽を背にした位置から撮影する。
  • 全身とボールの行方が入る画角:打撃・投球は「横」からの全身、可能なら「後方」からの2方向。頭からつま先、そして打球・送球の行方まで画面に収める。
  • 複数テイクからベストを選ぶ:1回で決めようとしない。十分に本数を撮り、最も動きの質が高いテイクを提出する。
  • 音と手ブレへの配慮:風切り音は打球音・投球の強さを消してしまう。スマートフォンは固定し、風の弱い日を選ぶ。
  • 締切直前を避ける:締切1週間前は応募が集中するため、早めの提出が公式にも推奨されている。アップロードの不具合も想定し、余裕を持つ。
JSPO
AT

Athletic Trainer's View

選考側が動画で見ているのは、球速や飛距離の数字そのものより、フォームの質——並進運動から回旋への切り替えの順序、軸足で地面を押せているか、フィニッシュでバランスが崩れないか——です。撮影前には試合前と同じ動的ウォームアップを済ませ、身体が温まった状態の全力の2〜3本目を採用してください。最初の1本は身体が硬く、動きの質が出にくいのが普通です。

セレクション通過の身体基準

NPBジュニアの応募基準は、各球団が独自に設定しており、球団と年度によって大きく異なる。2026年の要項で数値基準を確認できたのは阪神で、「50m走7.5秒以下/球速100km/h以上/遠投60m以上/特筆すべき技能(平均打率5割以上、飛距離の突出など)」のいずれか1つ以上を満たすことが応募条件とされた。一方で、数値基準を置かず動画と自己PRで一次選考を行う球団(2026年の西武は動画6種による選考)もある。応募基準のクリアは出発点であって、合格を意味しない。最終的な合否は実技テストと人物面の評価で決まる。

参考として、別組織である「U12侍ジャパン代表」の応募条件は明確に数値化されており、目標設定の指標として広く知られている。

U12侍ジャパン応募条件(参考基準)

7.3秒
50m走(以下)
105km/h
球速(以上)
70m
遠投(以上)
1/4
特筆技能でも可

この4項目のうち、1つ以上をクリアすれば応募資格が得られるとされている。NPBジュニア各球団の応募基準より高い水準であり、「U12侍ジャパン基準を満たせば、多くの球団の書類・数値要件は満たせる」と考えてよい。項目別に、何が求められているのかを解説する。

①50m走 7.3秒以下

小学6年生の50m走平均は男子8.7-9.0秒(スポーツ庁全国体力テスト)。7.3秒は平均より1.5秒以上速い水準で、上位3-5%程度に入る走力だ。絶対的なスピードだけでなく、加速力も重要。最初の10mで一気にトップスピードに乗れる能力が問われる。ジュニア期の走力ベースは、その後の伸びを大きく左右する。

②球速 105km/h以上

小学6年生男子の平均球速は85-90km/h程度、エースクラスで90-100km/h前後とされる。105km/hは上位2-3%の球速で、「投手として将来性あり」と評価される水準だ。投球フォームの完成度、肩関節・胸椎の可動域、体重移動の効率性が組み合わさって初めて到達する数字で、単なる腕の強さでは届かない。小学6年生で110km/hを超えると「プロ野球選手の素質あり」と言われる水準になる。

③遠投 70m以上

遠投70mは小学6年生として非常に高い水準。プロ野球選手のスカウト基準でも、中学・高校選手で「将来性あり」と評価される距離だ。球速以上に「投球メカニクス全体の完成度」を見る指標として重視される。

④特筆すべき技能

上記3項目に届かなくても、「打撃」「守備」「捕手のセカンドスロー」などで突出した能力があれば応募資格が得られる。2026年の阪神の要項は「学童野球公式戦での平均打率5割以上」「打球の飛距離が特に優れている」といった具体例を挙げている。各球団が独自に評価する。

セレクション基準と小6平均のビジュアル比較

①50m走

小6平均
8.8秒
U12基準
7.3秒以下

②球速

小6平均
87km/h
U12基準
105km/h以上

③遠投

小6平均
35m
U12基準
70m以上

小学6年生の全国平均と比べて、上位基準は「ほぼ2倍」の高水準。「少し運動神経が良い」レベルでは届かない、明確な野球エリートの基準だ。

球団別セレクション傾向
——全16チームの特徴(2026年版)

セレクションは各球団が独立して実施しており、選考方法・基準・規模が大きく異なる。受験する球団の方式を理解せずに応募すると、実力を発揮しきれないこともある。2026年の公式発表・報道と、過去大会の公開情報から各チームの傾向をまとめる。

セ・リーグ各球団

球団 01

読売ジャイアンツJr.

Yomiuri Giants Jr. — 3 consecutive titles

2012-2014年に3連覇を達成した名門。従来はジャビットカップ参加連盟やジャイアンツアカデミー生からの推薦が中心とされてきたが、2026年は動画による一般応募(6月1日〜6月30日)を実施。小学5・6年生が対象で、4段階選考を経て代表が決まる。関東圏在住者対象。

優勝 3回対象 関東2026 動画・4段階
球団 02

東京ヤクルトスワローズJr.

Tokyo Yakult Swallows Jr. — 3 titles

2005年第1回大会の初代王者。2019年・2020年の2連覇で通算3回優勝。動画選考(一次)→会場選考(二次)の標準パターンで、2026年は一次が6月25日締切、二次選考は7月21日・22日に実施される。関東圏在住者対象。

優勝 3回対象 関東二次 7/21・22
球団 03

横浜DeNAベイスターズJr.

Yokohama DeNA BayStars Jr. — 2 titles

2016年・2023年に優勝、通算2回。松井裕樹投手(現MLB・サンディエゴ・パドレス)を輩出したチームとして知られる。2026年は応募が7月1日締切、一次から会場での実技選考3回(7月21日〜23日、7月27日・28日、7月30日/横浜市内)という実技重視型。対象は野球経験のある小学6年生(軟式・硬式可)と、球団スクール・アドバンスクラス所属の5年生。監督は松井飛雄馬氏。2025年ドラフトではJr.出身の松下歩叶選手(ヤクルト)・小島大河選手(西武)の2人が1位指名を受けた。

優勝 2回対象 神奈川中心2026 実技3回型
球団 04

中日ドラゴンズJr.

Chunichi Dragons Jr. — 4 titles (most)

大会最多の4回優勝(2008, 2015, 2017, 2021)2026年は5月28日に要項を発表し、WEB応募は6月22日締切。一次〜四次を経て最終選考に至る5段階選考を採る。監督は球団OBの山北茂利氏。プロ輩出は特筆すべきで、根尾昂選手、石川昂弥選手、高橋宏斗投手と3年連続でドラフト1位指名選手を輩出(2018-2020年)。ほかに髙木翔斗選手、澤井廉選手(ヤクルト)、池谷蒼大選手(ハヤテベンチャーズ静岡)、野上士耀選手(2025年ドラフトでオリックス7位指名・捕手)など多数のプロ選手を生んでいる。卒団後は東海地区の名門中学硬式チームに進む選手が多い。

優勝 4回(最多)対象 東海2026 5段階選考
球団 05

阪神タイガースJr.

Hanshin Tigers Jr. — 2 titles, defending champion

2022年・2025年優勝、通算2回。前回覇者として2026年は連覇に挑む。2026年の要項は6月18日13:00〜7月16日23:59受付、対象は近畿圏在住の小学6年生。応募基準は「50m走7.5秒以下/球速100km/h以上/遠投60m以上/特筆すべき技能」のいずれか1つ以上。二次は8月11日・12日(予備日8月15日)に実戦形式で行い、最終セレクションは8月15日以降に複数回、肩肘検診とあわせて実施される。バファローズカップ2026出場チームに所属する選手は参加できない。佐藤輝明選手、安田尚憲選手ら多数のプロ選手を輩出。

優勝 2回対象 近畿前回覇者・肩肘検診
球団 06

広島東洋カープJr.

Hiroshima Toyo Carp Jr. — yet to win

2025年時点で埼玉西武とともに大会未優勝の2球団のひとつ。対象は中国地方5県2025年は252人が応募し16人が選出されたと報じられており、監督は球団OBの天谷宗一郎氏(2025年)が務めた。Jr.出身には宗山塁選手(2024年ドラフト1位・楽天)、田口麗斗選手(ヤクルト)がいる。2025年大会は準決勝に進出しており、初優勝への期待が高まる。2026年の要項は7月13日時点で未確認——球団公式サイトのカープジュニアページで告知される。

優勝 0回対象 中国地方5県2025年 252人応募

パ・リーグ各球団

球団 07

北海道日本ハムファイターズJr.

Hokkaido Nippon-Ham Fighters Jr. — 1 title (2011)

2011年に優勝、通算1回。2026年はデジタルチャレンジ(動画)による一次選考を6月1日に開始し、一次結果は7月1日までに、二次結果は7月13日までにメールで通知。三次選考まで実施される。エントリー料が必要な点も特徴。対象は北海道内の少年野球チームで活動する小学5・6年生。監督は球団OBの𠮷田侑樹氏。育成型球団らしく、将来性を重視した選考が行われる。

優勝 1回対象 北海道2026 三次まで
球団 08

東北楽天ゴールデンイーグルスJr.

Tohoku Rakuten Golden Eagles Jr. — 2 titles

2006年・2018年に優勝、通算2回。東北6県が対象地域。例年は7月中旬〜下旬に要項を発表し、8月に会場での当日一発型セレクションを行う(2025年は8月19日にシェルコムせんだいで開催)。2026年の要項は7月13日時点で未発表。青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島の広域から選手が集まる。

優勝 2回対象 東北6県例年 8月・会場一発型
球団 09

埼玉西武ライオンズJr.

Saitama Seibu Lions Jr. — yet to win

2025年時点で広島とともに大会未優勝の2球団のひとつ。2026年はデジタルチャレンジによる動画選考で、求められる動画はバッティング・ピッチング・フィールディング・捕手のセカンドスロー・塁間走・自己PRの6種類。小6の本メンバー16名に加え、小学5年生を対象とする「サポートメンバー」約5名の枠(2025年開始)を設けている点が独自だ。一次通過者への二次選考案内は7月17日までにメールで届く。

優勝 0回対象 埼玉中心サポートメンバー制度
球団 10

千葉ロッテマリーンズJr.

Chiba Lotte Marines Jr. — 1 title (2010)

2010年に優勝、通算1回。近藤健介選手(現ソフトバンク、東京五輪金メダリスト)がマリーンズJr.出身として有名で、第1回大会では準優勝に貢献した。2026年は応募が7月6日締切、一次選考は会場での対面方式(7月21日〜23日)を採る。Jr.出身のドラフト指名選手は17人と12球団で最も多く、高山俊選手、藤平尚真選手、石塚裕惺選手らを輩出している。

優勝 1回対象 千葉中心出身D指名 17人(最多)
球団 11

オリックス・バファローズJr.

Orix Buffaloes Jr. — 1 title (2007)

2007年に優勝、通算1回。一般公募のセレクションは行わない独自方式で、大阪・兵庫の少年軟式大会「オリックス・バファローズCUP」(2026年は第23回、4月開幕)の出場チーム選手を対象に、運営協力団体の推薦等を参考として9月中旬にセレクション(動画+実技)を行い16名を選抜する。同カップ出場チームの選手は阪神Jr.のセレクションに参加できない規定がある。森友哉選手(2019年首位打者・MVP)、藤原恭大選手、前田悠伍投手(2023年ドラフト1位・ソフトバンク)らを輩出。

優勝 1回対象 大阪・兵庫大会経由の独自方式
球団 12

福岡ソフトバンクホークスJr.

Fukuoka SoftBank Hawks Jr. — 2 titles

2009年・2024年に優勝、通算2回。2025年は準優勝。2026年の一次選考はヒマラヤ「第15回ピッチング&スイングスピードコンテスト」(6月19日〜7月19日、九州・沖縄および中国・四国のヒマラヤ指定30店舗)での測定で、一次通過者は7月19日23:59までに二次へ申し込む4段階選考。監督は球団OBの嘉弥真新也氏。店舗測定方式は受験のハードルが低く、応募規模は16チームの中でも最大級とされる。8〜12月の土日祝の練習に参加できることが条件。小野郁投手、毛利海大投手らを輩出。

優勝 2回対象 九州2026 店舗測定方式

ファーム・独立リーグの4チーム(2025年から正式参加)

2024年大会に20周年記念招待枠として出場した4チームが、2025年大会から正式参加となり、計16チーム体制になった。

NPBファーム

オイシックス新潟アルビレックスJr.

2024年からイースタン・リーグに参入した球団の下部組織。2026年は対象が新潟・富山・石川・福井の4県の小5・6男女に拡大。一次は動画またはヒマラヤ長岡店でのスイングスピード測定(115km/h以上で一次合格)、二次8月4日・最終8月21日をHARD OFF ECOスタジアム新潟で実施する。

NPBファーム

ハヤテベンチャーズ静岡Jr.

2024年からNPB2軍リーグに参入した球団の下部組織。静岡県を中心に選抜。2026年は一次(動画・書類)が7月20日締切で、二次8月11日→三次8月29日→最終9月上中旬(肩肘検診・面談)の4段階選考を採る。

独立リーグ選抜

ルートインBCリーグJr.

加盟球団の地域9県(福島・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川・山梨・長野)の小5・6から選抜。二次選考時に肩肘検診を実施する。2026年の要項は7月13日時点で未発表(昨年は7月11日に告知、9月中旬に選手決定)。

独立リーグ選抜

四国アイランドリーグplus Jr.

徳島・香川・愛媛・高知の小5・6が対象。2026年は7月10日に要項を発表し、応募は8月7日(金)17時まで受付中。二次選考時に肩肘検診を実施。2024年の招待参加では3位に入り、四国の野球少年の新しい目標になっている。

「肩肘検診」というもう一つの壁

セレクション通過には「肩肘検診」という独自の関門がある。阪神Jr.、ハヤテベンチャーズ静岡Jr.、四国アイランドリーグplus Jr.、ルートインBCリーグJr.など複数のチームが、最終選考の前後に肩肘の医学的検査を実施している。

「肩肘検診にて何らかの異常が認められ、本大会までに復帰できないと診断された場合、最終セレクションに参加いただけない場合がございます」 阪神タイガースJr. 選手募集要項より

つまり、セレクションの実技で合格しても、肩肘の故障があれば代表落ちする可能性があるということだ。

なぜ肩肘検診が重要なのか

学童野球の世界で最も多い怪我が「投球障害」(リトルリーガー肘、リトルリーガー肩)だ。小学6年生は成長軟骨が最も活発な時期で、過度な投球で骨端線(成長軟骨)が損傷しやすい。代表選手として12月の大会まで活動するためには、現時点で肩肘に問題がないことが必須条件となる。

JSPO
AT

Athletic Trainer's View

肩肘検診で問題が発見される選手の多くは、「痛みを自覚していない、または家族に伝えていない」ケースです。学童期の選手は「痛い」と言うと試合に出られなくなることを恐れて隠す傾向があります。保護者として、子どもが「最近肘の動きが悪い」「投球距離が落ちた」「投球後に違和感がある」などのサインを見せたら、早期に整形外科専門医(できればスポーツ整形)を受診してください。NPBジュニアのセレクションに挑むのであれば、3-4年生のうちから定期的な肩肘チェックの習慣をつけることを推奨します。

医療に関するご注意

本記事は一般的な情報提供を目的としており、医師の診断・治療に代わるものではありません。肩・肘に痛みや違和感がある場合は、トレーニングや自己判断での対処より先に、整形外科(可能であればスポーツ整形外科)の受診を最優先してください。

Junior Athlete Support

KONAMI CUP、その先へ。
お子様の身体づくりを専門家がサポートします

NPBジュニアのセレクションでは、走力・送球・打力すべての土台となる「身体機能」が問われます。Disport World代表・岡本隼人は、スポーツ外傷・障害の評価から現場復帰までを職域に含む専門資格を保有し、船橋フェニックス少年野球チームの監督として現場で少年アスリートを指導しています。成長期の身体評価・怪我予防・パフォーマンス向上について、保護者同伴でご相談いただけます。

六本木駅徒歩4分|完全個室|保護者同伴でのご相談を歓迎します

セレクション通過のための
身体作り——専門家視点

ここからが本記事の核心だ。JSPO-AT・TPI Level 2・NASM-PES・INDIBA PRO MAXの4資格を持つ立場から、NPBジュニアのセレクション通過に向けた身体作りを解説する。「球速を上げる」「走力を上げる」といった結果だけでなく、「結果を生む身体の条件」を明らかにする。

①球速105km/hを生む身体の条件

TPI
L2

TPI Screening's View

105km/hの球速を生むには、「下半身→体幹→上半身」の力の伝達効率が重要です。TPI 16項目スクリーニングのうち、特に投球フォームに影響するのは:胸椎の回旋可動域(90度以上)、股関節の内旋・外旋骨盤と肩の分離能力肩甲骨の可動域です。これらに制限があると、いくら筋力を鍛えても球速は頭打ちになります。TPI 16項目の全解説も参照してください。

②遠投70mを生む全身連動性

遠投70mは「投球メカニクス全体の完成度」を示す。プロのスカウトは球速以上に遠投距離を重視することが多い。理由は次の通りだ。

  • 角度を上げる必要がある:直線的に投げる球速と違い、遠投は45度近い角度で投げるため、全身の連動性が必要。
  • 下半身の関与が大きい:踏み込み足の地面反力と、後ろ足の蹴り出しの両方が必要。
  • 体幹の回旋出力:腰の回旋スピードがそのまま遠投距離に直結する。
  • 肩甲骨周囲の筋出力:投球時の最大外旋を作る能力が問われる。

③50m走7.3秒を生む走力の科学

NASM
PES

Performance Enhancement's View

小学6年生の50m走を1秒縮めるには、「最大速度」より「加速能力」を伸ばす方が効率的です。50m全体のうち、加速区間(0-20m)でタイム差が大きく出ます。具体的には:ヒップヒンジ動作のパワー、地面反力の利用効率、ストライド長と回転数のバランス、姿勢制御能力がカギ。重い筋力トレーニングは不要で、自重でのジャンプ動作、メディシンボール投げ、ヒップヒンジ動作の習得が重要です。プランクだけでは体幹は鍛えられないで解説した「回旋パワー」の原理は、走力にも応用できます。

3年生・4年生からできる準備

NPBジュニアのセレクションは6年生で行われるが、「6年生から準備しても遅い」のが現実だ。3年生・4年生の段階から、戦略的に身体を作っていく必要がある。

3年生(8-9歳)でやるべきこと

  • 多様な動作の習得:野球だけでなく、サッカー、水泳、体操、陸上などのスポーツも経験する。多様な動作パターンを身に着けた選手の方が、後の専門化で大きく伸びる(USA Baseball等の研究で示されている)。
  • 基本動作の正確性:スクワット、ランジ、ヒンジ、プッシュ、プル、ローテーションといった基本動作を、自重で正確にこなせるようにする。
  • 過度な投球を避ける:1日50球以内、年間1,000球以内(USA Baseball推奨)。長時間の連投は厳禁。

4年生(9-10歳)でやるべきこと

  • 身体スクリーニング:TPIなどの身体評価で、可動域や動作パターンの弱点を数値化する。この時期に弱点を把握しておけば、5-6年生で集中的に改善できる。
  • 投球フォームの基礎固め:年齢に応じた正しい投球フォームを習得する。「速く投げる」より「正しく投げる」を優先。
  • 肩肘の定期チェック:年1-2回、整形外科でX線・エコー検査を受ける習慣をつける。

5年生(10-11歳)でやるべきこと

  • セレクション数値の意識:50m走、球速、遠投を定期的に計測し、現在地と目標との差を把握する。
  • パワー要素の導入:自重でのジャンプ動作、メディシンボール投げ、軽い負荷のスプリントなどでパワーを構築する。
  • 応募先の確認:居住地から応募できる球団を確認し、6年生時のセレクションスケジュールを把握しておく。西武のサポートメンバーや小5・6対象の球団のように、5年生で挑戦できる枠もある。

6年生(11-12歳)の最終調整

  • 5-7月:要項確認と一次応募。募集要項の発表を見逃さず、動画撮影はベストパフォーマンスを収められる体調で臨む。
  • 7-8月:二次セレクション対策。本番形式での実技練習と、緊張下でのパフォーマンス維持訓練。
  • 8-9月:最終セレクション。肩肘検診に向けた身体ケア、栄養管理、睡眠管理。
Free Resource

「NPBジュニア挑戦準備チェックリスト」
無料配布中

本記事で解説した内容を、保護者の方が実際に活用できる準備チェックリストにまとめました。LINEで「ジュニアチェックリスト」とメッセージをお送りいただくと、PDF版を無料でお届けします。

  • セレクション応募までの12ヶ月準備カレンダー
  • 身体作りの月別優先項目
  • 球速・走力・遠投の目標値設定シート
  • 怪我予防のセルフチェック10項目
  • 球団別応募時期一覧(12球団+4チーム)
LINEで受け取る

セレクション準備セルフチェック

お子さんの現在の状態を客観的に把握するためのセルフチェックリスト。半年〜1年後のセレクションに向けて、どこを強化すべきかが見える化される。

Physical Readiness Check

身体能力チェック(10項目)

  • 50m走 8.0秒以下を達成している
  • 遠投50m以上を達成している
  • 球速95km/h以上を達成している(投手の場合)
  • 足首を曲げて壁に膝をつけられる(背屈可動域)
  • フルスクワットの底まで沈める(股関節可動域)
  • 胸椎の回旋が左右90度以上できる
  • 肩関節の外旋・内旋が十分にできる
  • 立位体前屈で床に手のひらがつく(柔軟性)
  • 連続して50回スクワットができる(持久力)
  • 過去6ヶ月、肩肘の痛みがない

Mental & Lifestyle Check

メンタル・生活習慣チェック(10項目)

  • 本人がNPBジュニアに挑戦したいと明言している
  • 所属チームの監督がジュニア挑戦に賛同している
  • 家族でジュニア挑戦の意義を共有している
  • 毎日9時間以上の睡眠を確保できる
  • 1日3食、バランスの良い食事を摂れている
  • 毎日の自主練習の習慣がついている
  • 試合で結果が出ない時も気持ちを切り替えられる
  • チームメイトや指導者に礼儀正しく接している
  • 学業との両立ができている
  • 半年以上の長期計画を立てて努力できる

15項目以上に「はい」と答えられれば、セレクション挑戦の準備が整っていると言えます。10-14項目の場合は、不足している項目の強化に注力する必要があります。9項目以下の場合は、まず基本的な身体作りと生活習慣の改善から始めることをお勧めします。

セレクション当日のメンタル戦略

NPBジュニアのセレクションは、多くの選手にとって「人生で初めての大規模な選考会」だ。普段の試合とは比較にならない緊張感の中、自分の実力を出し切る必要がある。心理面の準備が結果を分ける。

前日のメンタル準備

  • 過度な練習を避ける:前日に追い込んで疲労を残すのは最悪。軽いキャッチボール程度で身体を慣らすに留める。
  • 当日の装備を準備:グローブ、バット、スパイク、ユニフォーム、水分、軽食、参加証など。前日のうちに全て揃え、忘れ物のチェックを2回行う。
  • 早めの就寝:21-22時には就寝し、最低9時間の睡眠を確保。緊張で眠れない場合も、横になって目を閉じるだけで回復効果がある。
  • 「普段通り」を意識:「うまくやろう」ではなく「普段通り」を意識する。実力以上を出そうとすると逆に縮こまる。

当日朝の過ごし方

  • 朝食はいつも通り:糖質中心、消化に優しいもの。新しい食材は試さない。スタート3時間前までに済ませる。
  • 早めの会場入り:開始の1.5-2時間前には到着。会場の雰囲気に慣れ、トイレ・水分補給・ウォームアップの時間を確保する。
  • 軽いウォームアップ:軽いジョグ→動的ストレッチ→キャッチボール→ティーバッティングなど、普段の試合前と同じルーティンを実施。

セレクション中の心構え

  • 失敗を引きずらない:1回目で失敗しても、すぐに切り替える。多くの場合、複数回チャンスが与えられる。1回の失敗が不合格に直結するわけではない。
  • 他選手と比較しない:周りの選手が自分より速く投げ、遠くへ打つこともある。それでも、自分の最善を出すことだけに集中する。比較は実力を縮める。
  • 「見られている」意識:選考員は技術だけでなく「人としての姿勢」も見ている。試合中の振る舞い、声出し、礼儀、他選手への姿勢——実力が拮抗した場合、これらが決め手になる。
  • 表情と挨拶:緊張で表情が硬くなりがちだが、意識的に表情を和らげ、しっかりとした挨拶をする。
JSPO
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Athletic Trainer's View

セレクション当日のメンタル管理は「身体管理」と表裏一体です。緊張で交感神経が過剰に働くと、筋肉の硬直、呼吸の浅さ、視野狭窄が起こります。これを防ぐには、「深呼吸」「ストレッチ」「ルーティン化された動作」が効果的。試合前の固定ルーティン(特定のストレッチ、決まった動作、決まった声出し)を持つことで、緊張時でも普段通りのパフォーマンスを発揮しやすくなります。

NPBジュニア出身のプロ野球選手

NPBジュニアの各チームからは、これまでに80名以上のプロ野球選手が誕生しており、その中にはドラフト1位指名選手やタイトルホルダー、MLBで活躍する選手も含まれる。NPB公式サイトには「NPBジュニアトーナメント出身のドラフト指名選手一覧」が公開されており、球団別ではロッテJr.出身のドラフト指名選手が12球団最多の17人にのぼる。代表的な選手を挙げる。

Lotte Jr. 2005近藤健介(福岡ソフトバンク)

千葉ロッテマリーンズJr.出身。第1回大会の準優勝に貢献した。安打製造機として知られる強打者で、2021年東京オリンピック金メダリスト。ベストナインを複数回獲得している。

Yokohama Jr.松井裕樹(サンディエゴ・パドレス)

横浜ベイスターズJr.出身。楽天で絶対的クローザーとして最多セーブを獲得し、NPB通算200セーブを超えた。2024年からMLBに移籍し、NPBジュニア出身選手として初のメジャーリーガーの一人となった。

Buffaloes Jr.森友哉(オリックス)

オリックス・バファローズJr.出身。2019年に首位打者・MVPを獲得。パ・リーグの捕手としては54年ぶり史上4人目の首位打者という記録を打ち立てた強打の捕手。

Tigers Jr.佐藤輝明(阪神)

阪神タイガースJr.出身。新人左打者最多の24本塁打を記録し、新人年から3年連続20本塁打を達成。ジュニア時代と同じ阪神に入団し、主砲として活躍している。

Dragons Jr.高橋宏斗(中日)

中日ドラゴンズJr.出身。2024年に防御率1.38で最優秀防御率のタイトルを獲得。中日のエース格として活躍する右腕投手。

Dragons Jr.根尾昂(中日)

中日ドラゴンズJr.出身。2018年ドラフトで4球団競合の末に中日が交渉権を獲得。投手と野手の両方をこなす稀有な経歴を持つ。

Dragons Jr.石川昂弥(中日)

中日ドラゴンズJr.出身。2019年ドラフト1位指名の右の長距離砲。中日の中軸打者として期待される存在。

Buffaloes Jr.藤原恭大(千葉ロッテ)

オリックス・バファローズJr.出身。2018年ドラフト1位でロッテに入団した俊足の強打者。

Tigers Jr.安田尚憲(千葉ロッテ)

阪神タイガースJr.出身。2017年ドラフト1位指名。ロッテの主力野手として活躍する中距離強打者。

Carp Jr.田口麗斗(東京ヤクルト)

広島東洋カープJr.出身。巨人で先発として活躍した後にヤクルトへ移籍し、中継ぎ・抑えの主力を担う左腕投手。

Buffaloes Jr.前田悠伍(福岡ソフトバンク)

オリックス・バファローズJr.出身。大阪桐蔭高校を経て2023年ドラフト1位でソフトバンクに入団した左腕投手。

Carp Jr.宗山塁(東北楽天)

広島東洋カープJr.出身。明治大学を経て2024年ドラフト1位で楽天に入団した遊撃手。ジュニア時代から注目され続けた世代を代表する内野手。

横浜DeNAベイスターズJr.からは2025年ドラフトで松下歩叶選手(ヤクルト1位)と小島大河選手(西武1位)の2名が同時にドラフト1位指名を受けた。中日ドラゴンズJr.は根尾・石川昂・高橋宏と3年連続でドラフト1位指名選手を送り出している。タイトルホルダー、五輪金メダリスト、MLB移籍選手と、輩出選手の幅広さは「小学生時点の評価が将来につながり得る」ことを示している。ただし後述のFAQでも触れる通り、ジュニアに選ばれなかった選手がプロに到達する例も珍しくない。

大会の独自ルール——TQB方式・DH制・背番号

NPBジュニアトーナメントは、学童野球の中でも独自のルールを採用している。観戦前に理解しておくと、大会を数倍楽しめる。

TQB方式(決勝トーナメント進出ルール)

第15回大会から採用された方式。予選グループを2勝0敗で勝ち上がったチーム(基本3チーム)に加えて、1勝1敗のチームの中から得失点をイニング数で割った指標(TQB)が最も高い1チームがワイルドカードとして決勝トーナメントに進出する。「1敗しても得失点次第で決勝トーナメントに進める」ため、予選最終戦まで大量得点・失点抑制の攻防が続くのが特徴だ。

指名打者制度(DH)

同じく第15回大会から指名打者制度が採用されている。投手は打席に立たず、専門の打者がDHとして起用される。小学生の体力的負担を軽減しつつ、投打それぞれの適性で出場機会をつくる仕組みだ。

監督の背番号

各チームの監督は球団OB等が務め、現役時代と同じ背番号を使用する。選手の背番号(1〜18番)と重複する場合でも使用が認められており、「OBが現役時代の背番号でベンチに立つ」姿は本大会ならではの光景になっている。

表彰

  • 優勝チーム:優勝カップと金メダル
  • 準優勝チーム:準優勝カップと銀メダル
  • 3位(2チーム):3位決定戦は行わず、準決勝敗退の2チームに銅メダル

U12侍ジャパンとの関係

NPBジュニアと並んで小学生年代の目標として語られるのが「侍ジャパンU-12代表」だ。両者は別の選考制度だが、目指す選手層は重なっている。

U-12代表は、WBSC U-12ワールドカップに日本代表として出場するチームで、本記事のセレクション基準の章で紹介した4項目(50m走7.3秒以下・球速105km/h以上・遠投70m以上・特筆すべき技能のいずれか1つ以上)は、井端弘和氏がU-12代表監督を務めていた時期に公表した応募条件だ。各球団のNPBジュニア応募基準より高い水準に設定されており、U-12基準を満たす選手であれば、ほとんどの球団のジュニア応募基準は満たせる関係にある。

位置づけとしては、NPBジュニアが「12月の国内最高峰」、U-12侍ジャパンが「その先の世界への挑戦」となる。NPBジュニアで活躍した選手が翌年以降にU-12代表の選考へ進む例もあり、両方を視野に入れる家庭は、6年生の12月にNPBジュニア、その前後にU-12という連続した挑戦を想定しておくとよい。

中学進学後の選択肢——硬式リーグの世界

NPBジュニアを経験した選手の多くは、中学進学後に硬式野球の道へ進む。中学硬式には主要4リーグがあり、それぞれ特色が異なる。ジュニア挑戦を考える家庭は、この「次のステージ」まで見据えておくと進路選択がスムーズになる。

硬式リーグ 01

ボーイズリーグ(日本少年野球連盟)

西日本を中心に全国展開する最大規模のリーグのひとつ。関西の強豪チームが多く、大阪桐蔭・履正社など強豪高校への進学ルートが太い。NPBジュニア出身者の進路として最多クラス。

硬式リーグ 02

リトルシニア(日本リトルシニア中学硬式野球協会)

関東を中心に全国展開。都市部でのチーム数が多く、関東の強豪高校とのつながりが強い。平日練習が少なめのチームもあり、学業との両立がしやすい場合がある。

硬式リーグ 03

ヤングリーグ(全日本少年硬式野球連盟)

西日本発祥で、近年は全国に拡大中。比較的新しいリーグで、チームごとの個性が強い。地域によっては選択肢が限られる。

硬式リーグ 04

ポニーリーグ(日本ポニーベースボール協会)

球数制限や連投制限など、選手の身体を守るルール整備が最も進んでいるリーグのひとつ。「怪我なく育てる」方針の家庭に選ばれることが増えている。

いずれのリーグでも、中学1年の春は「軟式から硬式へのボールの変化」に身体が適応する重要な時期だ。ボールが重く硬くなることで、肘・肩への負荷は確実に増える。ジュニア期に正しい投球フォームと身体の使い方を身につけているかどうかが、この移行期の怪我リスクを大きく左右する。

長期視点の身体作り戦略——「12歳がピーク」にしないために

NPBジュニアはゴールではなく通過点だ。しかし現実には、「小6がキャリアのピークだった」という選手が少なくない。ジュニアで活躍した選手が中学以降に伸び悩む一方、ジュニアに選ばれなかった選手がプロに到達する。この差はどこで生まれるのか。

早熟型と晩成型——成長スパートの個人差

小学生年代の体格差・体力差の多くは、成長スパート(PHV:身長最大発育速度)のタイミングの個人差で説明できる。早熟型の選手は小6時点で体格的に有利だが、中学後半で他の選手に追いつかれる。晩成型の選手は小6時点で不利でも、高校で一気に伸びる。セレクションはあくまで「12歳時点のスナップショット」であり、将来の到達点を保証するものではない。

JSPO
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Athletic Trainer's View

成長期の身体づくりで最も重要なのは、「成長スパート中は骨が先に伸び、筋肉・腱が後から追いつく」という事実です。身長が急激に伸びている時期は、柔軟性が一時的に低下し、オスグッド病やセーバー病などの成長期特有の障害リスクが高まります。この時期に無理な負荷をかけると、障害によって数ヶ月〜1年を棒に振ることになります。身長の伸びを毎月記録し、急伸期には負荷を調整する——これが長期的に伸びる選手の家庭がやっていることです。

学年別・身体作りの優先順位

時期最優先次点避けるべきこと
小3-4多様な動作経験・遊びの中の運動基本動作の質投げ込み・専門特化
小5動作の質+スピード身体評価で弱点把握重量物での筋トレ
小6スピード・パワーの表現コンディション管理疲労の蓄積・連投
中1-2(急伸期)柔軟性の維持・フォーム再構築体幹・姿勢制御急激な負荷増加
中3以降筋力・パワーの本格構築専門的トレーニングフォームを崩す我流筋トレ

マクドナルドトーナメントとの両立

学童野球の集大成として、マクドナルドトーナメント(全日本学童軟式野球大会)とNPBジュニアの両方を経験する選手もいる。ただし両立には注意が必要だ。

  • 時期の整理:マクドナルドは8月(所属チーム)、NPBジュニアのセレクションは6-9月、本大会は12月。夏はマクドナルド予選・本大会とジュニアセレクションが重なる可能性がある。
  • 投球数の管理:両大会を追う選手の最大リスクは投球過多。所属チームとジュニアの活動を合算した投球数管理が必須になる。
  • 所属チームとの調整:ジュニア代表になると10-12月の土日はジュニア優先。所属チームの秋季大会と重なる場合の方針を、事前に監督と話し合っておく。

船橋フェニックスのような学童チームの現場でも、シーズン後半の疲労管理は大きなテーマだ。「両方に挑戦する」こと自体は素晴らしいが、身体はひとつ。合算の負荷を見る大人が必要になる。

前回大会の結果——KONAMI CUP 2025

2025年12月26日〜29日に開催された「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」(第21回)は、阪神タイガースJr.の3年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。決勝では福岡ソフトバンクホークスJr.を6-4で下し、接戦を制した。

KONAMI CUP 2025 結果

優勝:阪神タイガースJr.(3年ぶり2度目)
準優勝:福岡ソフトバンクホークスJr.
決勝スコア:6-4
MVP:山本怜唯選手(阪神タイガースJr.)
優秀選手賞:石光奏都選手(福岡ソフトバンクホークスJr.)
NPB特別賞:割石有音選手(読売ジャイアンツJr.)
プロスピ賞:読売ジャイアンツJr.

歴代優勝チーム一覧

優勝チーム
第1回2005東京ヤクルトスワローズJr.
第2回2006東北楽天ゴールデンイーグルスJr.
第3回2007オリックス・バファローズJr.
第4回2008中日ドラゴンズJr.
第5回2009福岡ソフトバンクホークスJr.
第6回2010千葉ロッテマリーンズJr.
第7回2011北海道日本ハムファイターズJr.
第8回2012読売ジャイアンツJr.
第9回2013読売ジャイアンツJr.
第10回2014読売ジャイアンツJr.
第11回2015中日ドラゴンズJr.
第12回2016横浜DeNAベイスターズJr.
第13回2017中日ドラゴンズJr.
第14回2018東北楽天ゴールデンイーグルスJr.
第15回2019東京ヤクルトスワローズJr.
第16回2020東京ヤクルトスワローズJr.
第17回2021中日ドラゴンズJr.
第18回2022阪神タイガースJr.
第19回2023横浜DeNAベイスターズJr.
第20回2024福岡ソフトバンクホークスJr.
第21回2025阪神タイガースJr.

優勝回数では中日の4回が最多、読売・ヤクルトの3回が続く。読売の3連覇(2012-2014)は大会唯一の記録だ。一方、埼玉西武と広島は2025年時点で未優勝であり、両チームの初栄冠も2026年大会の見どころのひとつになる。

大会観戦・配信情報

NPBジュニアトーナメントは観戦・視聴のハードルが低いのも魅力だ。将来ジュニアを目指す3-5年生の家庭にとって、実際の大会を見ることは何よりのモチベーションになる。

  • 現地観戦:例年、入場無料で観戦できる。年末の神宮球場で、プロのユニフォームを着た小学生の真剣勝負を間近に見られる。
  • 配信:近年の大会は動画配信が実施されており、遠方でも視聴可能。詳細は大会公式ページで告知される。
  • SNS:各球団の公式SNSがジュニアチームの活動を発信しており、セレクションから本大会までの様子を追える。

観戦の際は、「結果」ではなく「動き」を見るのがおすすめだ。選ばれた選手たちの打球音、送球の質、走塁判断——「同じ小学生でここまでできるのか」という驚きが、子どもの目標設定を具体的にする。

挑戦を決める前に——保護者の判断基準

ここまで大会とセレクションの全容を解説してきたが、最後に「そもそも挑戦すべきか」を考える材料を提供したい。NPBジュニアへの挑戦は、子どもにとって大きな成長機会になる一方、負担も伴う。

挑戦に向く状況

こんな場合は挑戦の価値が大きい

本人が強く挑戦を望んでいる/所属チームが応援してくれる/肩肘に問題がない/落選しても次の目標に切り替えられる精神的土台がある/家族が送迎・スケジュール面をサポートできる

立ち止まるべき状況

こんな場合は一度立ち止まる

保護者の希望が先行し本人の意思が曖昧/肩肘に痛みや違和感がある/所属チームとの関係がこじれる懸念が大きい/落選が本人の野球嫌いにつながりそう/学業や生活リズムが既に限界

大切なのは、「選ばれること」を目的にしないことだ。セレクションへの挑戦を通じて、目標設定・計画的な努力・本番での自己表現・結果の受け止め方を学ぶ——このプロセス自体に教育的価値がある。合否はその副産物と捉える家庭の子どもほど、長期的に伸びていく。

保護者FAQ——よくある質問

2026年のセレクションは今からでも応募できる?

2026年7月13日時点で応募を受け付けているのは、阪神タイガースJr.(一次動画・7月16日23:59締切)、オイシックス新潟Jr.(動画または店舗測定・7月16日締切)、福岡ソフトバンクホークスJr.(一次はヒマラヤ店舗での測定・7月19日まで)、ハヤテベンチャーズ静岡Jr.(7月20日締切)、四国アイランドリーグplus Jr.(8月7日17時締切)の5チームです。巨人・ヤクルト・DeNA・中日・ロッテ・日本ハムなどは一次の受付を終了しています。楽天とルートインBCリーグは同日時点で2026年要項が未発表、オリックスはバファローズカップ出場選手を対象とする独自方式です。最新情報は必ず各球団の公式サイトでご確認ください。

セレクション応募はいつから始まる?

例年、5月下旬〜6月に募集要項が発表され、6月〜7月中旬に一次選考(動画または店舗測定)の応募が集中します。2026年は中日が5月28日発表・6月22日締切と最も早く、四国アイランドリーグplusの8月7日締切が最も遅い日程でした。楽天のように例年7月中旬〜下旬に発表し8月に会場選考を行う球団もあります。締切1週間前は応募が集中するため、早めの提出が公式にも推奨されています。

小学5年生でも応募できる?

球団によって異なります。2026年は巨人・ソフトバンク・日本ハム・オイシックス新潟・四国アイランドリーグplusなどが小学5・6年生を対象としています。一方、阪神や楽天(例年)は小学6年生のみが対象です。埼玉西武は小6の本メンバー16名に加え、小学5年生を対象とする「サポートメンバー」約5名の枠を設けています。DeNAは原則小6ですが、球団スクールのアドバンスクラスに所属する5年生も応募できます。

どの球団に応募できる?

居住地または所属チームの活動地域によって応募できる球団が決まります。例えば阪神は近畿圏在住、日本ハムは北海道内、楽天は東北6県、ソフトバンクは九州、広島は中国地方、オイシックス新潟は新潟・富山・石川・福井の4県が対象です。関東は巨人・ヤクルト・DeNA・西武・ロッテと選択肢が多い地域です。なおバファローズカップ2026の出場チームに所属する選手は阪神Jr.のセレクションに参加できないなど、球団間の規定もあるため要項の確認が必要です。

所属チームを辞めなくてもいい?

はい。NPBジュニアは10月〜12月の活動が中心で、所属する学童野球チームに在籍したまま参加する形になります。ただし、ジュニアの活動への優先参加が条件です。所属チームの監督・保護者の許可を得ることが応募の条件になっています。

セレクション通過した選手の進路は?

中学進学後は硬式野球の道に進むケースが多くなります。ボーイズリーグ、リトルシニア、ヤングリーグなどの硬式チームに進む選手が大半です。中日ドラゴンズJr.の進路データを見ると、東海中央ボーイズ、愛知尾州ボーイズなど地元の名門硬式チームへの進路が多くなっています。

セレクションに落ちたら?

セレクションに落ちることは、当然ながら子どもにとって大きなショックです。ただし、ここで折れずに中学・高校で活躍する選手も多くいます。ジュニア時代に注目されなかった選手がプロに到達するケースも珍しくありません。NPBジュニアは「通過点」であり、「ゴール」ではないという認識が重要です。

遠方からの応募は可能?

球団の指定地域内であれば応募できます。例えば、阪神タイガースJr.は近畿圏在住者が対象です。指定地域外の場合は応募できません。応募時に居住証明を提出する場合もあります。

セレクションは何球団まで応募できる?

応募自体は地域条件を満たせば複数球団で可能な場合がありますが、合格後に所属できるのはいずれか1球団のみです。また、バファローズカップ2026の出場チームに所属する選手は阪神Jr.のセレクションに参加できないなど、制度上併願できない組み合わせもあります。対象学年が6年生中心のため、挑戦の機会は実質的にごく限られた回数になります。

セレクション当日の心構えは?

緊張しすぎず、普段通りのプレーを心がけることが重要です。多くの選手が初めての大きな選考会で実力を発揮できないため、「普段の自分を出せた選手」が選ばれる傾向があります。前日は早めに就寝し、当日は早めに会場入りして雰囲気に慣れることが大切です。

怪我があってもセレクション参加できる?

軽微な怪我なら参加可能ですが、肩肘の怪我は要注意です。肩肘検診で異常が認められ本大会までに復帰できないと診断された場合、最終セレクションや本大会に参加できないことが要項に明記されている球団があります(阪神、四国アイランドリーグplus、ルートインBCリーグなど)。セレクション挑戦前に整形外科(できればスポーツ整形)でチェックを受けることを強く推奨します。

Disport World — Roppongi

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岡本隼人

岡本 隼人

Disport World 代表 / アスレティックトレーナー

JSPO-ATTPI Certified Level 2NASM-PESINDIBA PRO MAX

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー。六本木のパーソナルジムDisport World代表として、ジュニアからプロまでのアスリートの身体づくりを担当。船橋フェニックス少年野球チーム監督として学童野球の現場でも指導を続けており、2026年には同チームを高円宮賜杯第46回全日本学童軟式野球大会(マクドナルド・トーナメント)全国大会出場に導いた。成長期の障害予防と長期的な選手育成を専門とする。