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FMS 機能的動作スクリーニング 完全ガイド
Movement Assessment Science

FMS(機能的動作スクリーニング)
完全ガイド
——7項目+3クリアリングテストの全解説

「体重は測ったことがある。でも、自分の動きの質を数値で見たことはない」——FMSはその問いに答えるシステムだ。Cook & Burton 1995年開発、Kiesel 2007 NFL研究で「14点以下は怪我リスク11.67倍」と実証された世界水準の動作評価。7項目+3クリアリングテストの実施手順、スコアリング基準(3/2/1/0点)、代償動作、矯正エクササイズまで、JSPO-AT × TPI Level 2 × NASM-PES × INDIBA PRO MAX保有の岡本隼人が完全網羅する。

2026.04.15 / Updated 2026.05.27 読了 約22分
7+3
テスト+
クリアリング
21点
満点
(0-3点×7項目)
11.67倍
14点以下の
怪我リスク*
1995年
Cook & Burton
FMS開発

* Kiesel et al. (2007) NFL選手46名研究、オッズ比11.67、感度54%・特異度91%

「ベンチプレス何kg挙げられるか」「スクワット何kgか」——筋力の数値は記録できる。だが、「あなたの動きの質」を数値で見たことがあるだろうか?

FMS(Functional Movement Screen)はこの問いに答えるシステムだ。1995年、米国バージニア州の理学療法士Gray Cookと、アスレティックトレーナーのLee Burton(PhD, ATC)が、ナプキンに動作パターンの図を描いたところから生まれた——この素朴な出発点から、FMSはNFL、NBA、米軍、消防、一般フィットネスまで世界水準の動作評価の標準となった。本記事では、FMSの全体像を、各テストの手順、スコアリング、代償動作、矯正エクササイズまで完全網羅で解説する。

This Article

この記事でわかること:
① FMSとは何か——Cook & Burton 1995年開発の背景
② FMS Performance Pyramid——「動きの質」が全てのトレーニングの土台
③ スコアリングシステムの全貌——3/2/1/0点の正確な意味
④ FMS 7項目の完全解説(手順・スコア基準・代償動作・矯正法)
⑤ 3つのクリアリングテスト——痛み誘発の検出
⑥ Kiesel 2007 NFL研究——14点カットオフのエビデンス(オッズ比11.67)
⑦ FMS・SFMA・TPI評価の使い分け
⑧ FMS評価後のプログラム設計(Corrective Strategies)
⑨ FMS Level 1とLevel 2の違い

FMSとは何か
——Cook & Burton 1995年開発の背景

FMS(Functional Movement Screen)は、Gray Cook(PT, OCS)Lee Burton(PhD, ATC)が1995年に米国バージニア州で開発した動作評価システム。両者は同じ南バージニアの小さなコミュニティ出身で、同じ高校を卒業した「兄弟のような関係」だと、Burton自身が語っている。Cookが理学療法士の視点から動作評価のフレームワークを設計し、Burtonがアスレティックトレーナーの臨床経験で実装を磨いた——この組み合わせがFMSの強みになっている。

FMSが解決しようとした問題は明確だった。「フィットネス専門家やリハビリ専門家が、機能的な動作パターンの非対称性や主要な制限を、体系的に特定する方法がなかった」こと。1990年代後半、Cook と Burton は数百人の高校生アスリートを指導しながら、「動きに問題がある状態で高強度トレーニングを続けると、代償動作が強化されて怪我のリスクが上がる」という臨床的観察を持っていた。この問題への答えとして、7つのテスト+3つのクリアリングテストで構成されるシステムが生まれた。

FMSの設計思想——「重さではなく動きの質」

FMSの3つの哲学的前提

動きの質 > 動きの量——どれだけ重いものが持てるかより、基本動作が正しく行えるか

非対称性は怪我の温床——左右差・パターン不全は、トレーニング負荷を上げると顕在化する

修正の優先順位がある——「Mobility(可動域)→ Stability(安定性)→ Movement(協調)→ Performance(パフォーマンス)」の順序を守らないと、代償動作が強化される

FMSの原典は、Cook G, Burton L, Hoogenboom BJ, Voight M.「Functional movement screening: the use of fundamental movements as an assessment of function – part 2」(International Journal of Sports Physical Therapy)として論文化されており、現在も世界中の動作評価の標準論文として引用されている。

FMSが世界で使われる理由

FMSは現在、以下のような幅広い領域で標準的に使われている:

  • プロスポーツ:NFL、NBA、MLB、NHL、サッカー欧州主要リーグの多くで採用
  • 米軍:兵士の戦闘準備評価、戦傷予防プログラム
  • 消防・救急救命:職務継続のための動作評価
  • 大学スポーツ:NCAAの多くのプログラムで標準採用
  • 一般フィットネス・パーソナルジム:トレーニング開始前の標準評価
  • 理学療法・整形外科:怪我からの復帰判断、再発予防

FMS Performance Pyramid
——「動きの質」が全ての土台

FMSを理解する上で、最も重要な概念が「FMS Performance Pyramid(パフォーマンス・ピラミッド)」だ。Gray Cookが提唱したこのモデルは、人間の運動能力を3層構造で説明する。

FMS Performance Pyramid

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       ▲
    Skill(技術)
    <競技固有スキル>
 ▲━━━━━━━━━━━━━▲
  Performance(パフォーマンス)
  <筋力・スピード・パワー>
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲
  Movement(動きの質)
  <FMS = ここを評価>
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

下から:
Movement(動きの質)——FMSが評価する基礎層。すべての運動の土台
Performance(パフォーマンス)——筋力テスト、スピードテスト等
Skill(技術)——競技固有のスキル評価

Cook の哲学は明確だ——「Movement(基礎の動きの質)がぐらついた状態で、その上にPerformance(筋力・パワー)やSkill(技術)を積み上げても、ピラミッドは崩れる」。逆に言えば、FMSで動きの質を整えてから筋力強化に進めば、効率よく、怪我リスクを抑えてパフォーマンスを伸ばせる。

動きはベースラインだ。「他のことに取り掛かる前に、まず痛みも著しい機能不全もなく、基本ができるかを確認しよう」——これがFMSの入口だ。 — Lee Burton, PhD, ATC(FMS共同開発者)

「動作パターン」の3階層分類

FMSの7項目自体も、運動学習の難易度で3階層に分類される:

階層 テスト 意味
Primitive(原始的)①ディープスクワット
②ハードルステップ
人間が幼児期から獲得する最も基本的な動作。すべての運動の土台
Transitional(移行的)③インラインランジ
④ショルダーモビリティ
立位での動的安定性、上半身の複合可動域
Higher Level(上位)⑤ASLR
⑥トランクスタビリティ・プッシュアップ
⑦ロータリースタビリティ
下肢の分離動作、体幹の反射的安定性、多軸協調

スコアリングシステムの全貌
——3/2/1/0点の正確な意味

FMSのスコアリングは、各テストを0-3点の4段階で評価する。一見シンプルだが、各点数の意味は精密に定義されている。Gray Cook著「Movement: Functional Movement Systems」(2010)の公式基準を元に解説する。

基本スコアリング基準

スコア 意味 運用
3代償動作なしで完璧に動作可能理想的、トレーニング負荷を上げて良い
2動作は完了するが代償あり、または補助具使用改善余地あり、矯正エクササイズで強化
1動作を完了できない、または重大な代償トレーニング前の優先矯正対象
0動作中に痛みが発生医療評価が必要、該当部位のトレーニング中止

左右差(Asymmetry)の扱い

FMSは、左右両方で実施するテスト(ハードルステップ、インラインランジ、ショルダーモビリティ、ASLR、ロータリースタビリティ)では、左右のうち低い方のスコアを「Final Score」として採用する。例えば右3点・左1点の場合、Final Score = 1点となる。

なぜ「低い方」を採用するか

左右差は、怪我リスクの強力な予測因子だ。右3点・左1点という選手は、平均すると「2点」だが、実際には「左に重大な機能不全がある」状態であり、トレーニング負荷を上げると左に過負荷が集中する。FMSは「平均」ではなく「最弱点」を見ることで、現実的な怪我リスクを評価する設計になっている。

合計スコアと評価

7項目の Final Score の合計が、FMS Composite Score(0-21点)となる。スコアの解釈は以下:

合計スコア 評価 推奨アクション
18-21優秀——プロアスリート水準高強度トレーニング・競技活動可能
15-17良好——一般的な健康水準改善余地あり、弱点項目を矯正しつつ通常トレーニング
14以下注意——Kiesel 2007カットオフ矯正エクササイズ優先、高負荷を避ける
0点項目あり医療評価必要該当部位のトレーニング中止、医師受診
合計スコアより「パターン」が重要

FMSの最大の価値は合計スコアではなく「どの項目が低いか」にある。例えば合計15点でも、ロータリースタビリティが1点・左右差ありなら、その項目から優先的に矯正する必要がある。一方、すべての項目が均等に2点で合計14点なら、全体的な動作の質向上が必要となる。同じ合計スコアでも、原因と処方は全く異なる

FMS 7項目の完全解説
——手順・基準・代償・矯正

FMS 7項目を、「概要・実施手順・3点基準・2点基準・1点基準・代償動作・矯正エクササイズ」の構造で完全解説する。Gray Cook著「Movement: Functional Movement Systems—Screening, Assessment, Corrective Strategies」(2010)の公式基準を元にしている。

①ディープスクワット(Deep Squat)

評価する能力:全身の協調性、両側下肢・股関節・膝・足関節の可動域、体幹安定性、肩関節・胸椎の可動域

実施手順:足を肩幅に開き、つま先を真っ直ぐ前に。クラブ(ダウェル、長い棒)を両手で頭上に保持し、肘を伸ばしたまま頭上で水平に。そこからゆっくりと深いスクワット(フェムル=大腿骨を水平より下まで下げる)を行う。最初は試行、その後、難しい場合はかかとに2インチ(5cm)の板を入れて再試行。

Score 3

完璧(板なし)

  • 上半身が脛骨と平行、または垂直
  • 大腿骨が水平より下
  • 膝が足の上に整列
  • ダウェルが足の上に整列
Score 2

板使用で完了

  • 3点と同じ条件を、かかとに板を入れて達成
  • 足関節の背屈制限あり
Score 1

代償あり

  • 脛骨と上半身が平行でない
  • 大腿骨が水平に達しない
  • 膝が足の上に整列しない
  • 腰椎の屈曲(丸まり)が見られる
よくある代償動作と矯正法

代償①:かかとが浮く → 足関節背屈制限が原因。下腿三頭筋(ふくらはぎ)のストレッチ、足関節モビリティドリル

代償②:膝が内側に倒れる(Knee Valgus) → 中殿筋・股関節外旋筋群の弱さ。クラムシェル、モンスターウォーク等の股関節活性化エクササイズ

代償③:上半身が前傾しすぎる → 胸椎の伸展可動域不足、または股関節屈曲制限。胸椎モビリティドリル、ゴブレットスクワット練習

代償④:腰椎が屈曲する(バットウィンク) → ハムストリングス・股関節伸筋の柔軟性不足。ヒップヒンジ練習、デッドリフトパターン

②ハードルステップ(Hurdle Step)

評価する能力:片脚立位での動的安定性、ステップ脚の股関節屈曲可動域、支持脚の安定性、骨盤コントロール

実施手順:テスト用ハードルを脛骨粗面(膝下の骨の突起)の高さに設定。両足を揃えてハードルの後ろに立ち、クラブを首の後ろに肩に乗せる。片脚をハードルの上にステップしてかかとを床につけ、元の位置に戻す。左右両方を実施。

Score 3

完璧

  • 股関節・膝・足首が矢状面で整列
  • 腰椎・体幹の動きが最小限
  • ハードルとダウェルが平行
Score 2

軽微な代償

  • 股関節・膝・足首の整列に乱れあり
  • 腰椎・体幹に動きあり
  • ダウェルとハードルが平行を維持できない
Score 1

大きな代償

  • 足・膝・股関節の接触あり
  • バランス喪失
よくある代償動作と矯正法

代償①:骨盤の傾き(Hip Drop) → 支持脚の中殿筋の弱さ。サイドプランク、シングルレッグデッドリフトで強化

代償②:体幹のぐらつき・ステップ脚側への倒れ → 体幹安定性の不足。デッドバグ、バードドッグで強化

代償③:ステップ脚の膝が90度に達しない → 股関節屈筋(腸腰筋)の柔軟性不足。腸腰筋ストレッチ、ハーフニーリング・ヒップフレクサーストレッチ

代償④:支持脚のかかと・膝の不安定 → 単脚動作の協調性不足。シングルレッグスタンス、シングルレッグスクワット練習

③インラインランジ(In-Line Lunge)

評価する能力:矢状面での動的安定性、股関節と膝の協調、体幹の側方安定性、足関節の柔軟性

実施手順:2×6インチの板の上に乗り、前脚のかかとが板の先端、後脚のつま先が板の後端に接するよう、脛骨の長さ(膝から床まで)と等しい間隔で立つ。クラブを後ろから首・腰・尾骨に縦に当てて両手で保持。バランスを保ちながら後脚の膝で板に触れるまで深いランジを行い、元の位置に戻る。左右両方を実施。

Score 3

完璧

  • ダウェルが直立、頭・胸椎・腰椎・尾骨に接触
  • 体幹の動きなし
  • ダウェルと足が矢状面で一致
  • 後脚膝が前脚かかとの後ろに触れる
Score 2

代償あり

  • ダウェルが直立でない、軽い動きあり
  • 体幹に動きあり
  • ダウェルと足が矢状面で一致しない
Score 1

大きな代償

  • バランスを失う
  • 動作を完了できない
よくある代償動作と矯正法

代償①:膝が内側に倒れる(Knee Valgus) → 中殿筋・股関節外旋筋の弱さ。クラムシェル、サイドプランク、シングルレッグスクワット

代償②:体幹の側方屈曲・回旋 → 体幹の側方安定性不足。サイドプランク、パロフプレス、Bird-Dog

代償③:後脚の股関節伸展不足 → 股関節屈筋・大腿四頭筋の柔軟性不足。ヒップフレクサーストレッチ、Couch Stretch

代償④:前脚の足関節背屈不足 → 下腿三頭筋の柔軟性不足。フォームローラー、足関節モビリティドリル

④ショルダーモビリティ(Shoulder Mobility)

評価する能力:肩甲帯・胸椎の複合的可動域、肩関節の屈曲+外旋+外転 vs 伸展+内旋+内転の連動性、左右の対称性

実施手順:まず手の長さを計測(手首遠位皺から第3指先端まで)。両手で親指を握り込んだ拳を作る。一方の手は背中の上から下に(最大屈曲+外旋+外転)、もう一方は背中の下から上に(最大伸展+内旋+内転)動かし、両拳の距離を測定。左右両方を実施。その後、必ずShoulder Clearing Test(後述)を実施する。

スコア 判定基準(両拳の距離)
3両拳の距離が手の長さ1つ分以内
2両拳の距離が手の長さ1.5個分以内
1両拳の距離が手の長さ1.5個分超
よくある代償動作と矯正法

代償①:左右差大 → 投球肩、デスクワーク姿勢、片側スポーツ(テニス・ゴルフ)の影響。Sleeper Stretch、Cross-Body Stretch、肩甲骨周囲のSMR

代償②:胸椎伸展不足 → 猫背、長時間座位の影響。胸椎モビリティドリル(フォームローラー、Open Books)

代償③:肩甲骨後傾不足 → 前鋸筋・下部僧帽筋の機能低下。Wall Slides、YTW、Prone I-Y-T

代償④:内旋制限 → 後方カプセル拘縮。Sleeper Stretch、Posterior Shoulder Stretch

⑤アクティブストレートレッグレイズ(Active Straight Leg Raise, ASLR)

評価する能力:ハムストリングス・腓腹筋の柔軟性、対側股関節伸展の維持、骨盤コントロール、下肢の分離動作(一方が動く間に他方を安定させる能力)

実施手順:仰向けで膝を伸ばし、つま先を上に向けた状態でスタート。腕は体側、手のひら上向き。両膝下に2×6インチの板を置く。一方の脚を膝伸展位のまま天井方向に持ち上げ、もう一方の脚は床に押し付けたまま、つま先を上向きに維持。挙上脚のくるぶしの位置を、上前腸骨棘(ASIS)と膝蓋骨上端の中点(mid-thigh landmark)と比較してスコアリング。左右両方を実施。

スコア 判定基準(挙上脚のくるぶし位置)
3くるぶしがmid-thigh(ASISと膝蓋骨上端の中点)を超える
2くるぶしがmid-thighと膝蓋骨上端の間にある
1くるぶしが膝蓋骨上端より下
ASLRの本質——「これはハムテストではない」

ASLRは見た目はハムストリングスの柔軟性テストだが、Gray Cookは「これはハムストリングスのテストではない」と明確に述べている。実際に評価しているのは「下肢の分離動作能力 + 腰骨盤コントロール」。一方の脚を挙上する間、もう一方の脚を伸展位(膝が床から浮かない)に維持することが重要だ。前面チェーン、後面チェーン、腰骨盤コントロール、足関節すべてが関与する。

よくある代償動作と矯正法

代償①:挙上できない(ハムストリングス柔軟性不足) → 大腿後面のSMR、Active Hamstring Stretch、PNFストレッチ

代償②:下側の脚が床から浮く(股関節伸展制御不足) → 大腿直筋・腸腰筋ストレッチ、Active Leg Lowering

代償③:骨盤の回旋・動揺 → 腰骨盤コントロール不足。デッドバグ、Glute Bridge

代償④:つま先が上向きを維持できない → 足関節背屈の弱さ。Toe Tap、足関節モビリティドリル

⑥トランクスタビリティ・プッシュアップ(Trunk Stability Push-Up)

評価する能力:体幹の反射的安定性(上肢動作に対する自動的コア制御)、上肢の対称的動員、矢状面での体幹の剛性

実施手順:うつ伏せで、男性は親指を額のラインに、女性は親指を顎のラインに合わせて手を置く(少し狭い位置)。膝は伸ばし、つま先を立てる。プッシュアップの姿勢で、体を完全に剛体(板のように)として持ち上げる。腰の反り・骨盤の落ち込みがあると減点。その後、必ずPress-up Clearing Test(後述)を実施する。

スコア 判定基準
3男性は親指を額に合わせた位置、女性は親指を顎に合わせた位置で、体を剛体として持ち上げる
2男性は親指を顎に合わせた位置、女性は親指を鎖骨に合わせた位置で、体を剛体として持ち上げる
1男性は顎位置で、女性は鎖骨位置でも体を持ち上げられない。または体が分節して動く(腰が反る、骨盤が落ちる)
よくある代償動作と矯正法

代償①:腰が反る(Lumbar Extension) → 腹横筋・腹斜筋の不足。デッドバグ、ロールアウト、Plank Variations

代償②:骨盤が下がる(Hip Sag) → 腹直筋・体幹全体の不足。Plank、Mountain Climber

代償③:手と腰が同時に動かない(体が分節) → 反射的安定性不足。Dead Bug、Bird Dog

代償④:上肢の左右非対称 → 片側の上肢筋力不足。片手プランク、ボトムアップケトルベルプッシュ

⑦ロータリースタビリティ(Rotary Stability)

評価する能力:体幹の多軸(矢状面・前額面・水平面)安定性、四肢の協調動作、肩甲帯と骨盤帯の対側制御

実施手順:四つ這い(Quadruped)の姿勢で、2×6インチの板を脊柱と平行に置く。両手は肩の下、両膝は股関節の下に。同側の手と膝を伸展(手を前方、膝を後方)し、その後、同じ側の肘と膝を体の下で触れさせる。両手と両膝が板に接触したまま行う。左右両方を実施。同側で困難な場合は対側(右手と左膝など)でも実施。その後、必ずPosterior-rocking Clearing Test(後述)を実施する。

スコア 判定基準
3同側(右手+右膝)で動作を完了——肘と膝が体の下で触れる
2同側では困難、対側(右手+左膝)で動作を完了
1対側でも動作を完了できない、または板上でバランスを維持できない
ロータリースタビリティの臨床的意味

FMS 7項目の中で最も多くの代償が出やすく、低スコアのクライアントが最も多いのがロータリースタビリティだ。これは現代人の「対側協調動作」(右手と左膝のような交差連動)の能力が低下していることを示している。歩行も走行も全て対側協調動作だが、デスクワーク中心の生活では使われない能力だ。

3点を取れる人は非常に少なく、多くのクライアントは2点(対側)から始まる。これは「異常」ではなく、現代の身体活動パターンの結果と考えるべきだ。

よくある代償動作と矯正法

代償①:脊柱の回旋代償 → 体幹の多軸制御不足。Bird Dog(基本→対側→同側)、Dead Bug

代償②:肩甲帯の不安定 → 前鋸筋・下部僧帽筋の機能低下。Quadruped Hover、Push-up Plus

代償③:骨盤の側方傾き → 中殿筋の不足。Quadruped Hip Abduction、Side Plank

代償④:肘と膝が触れない → 体幹の屈曲協調不足。Dead Bug、Reverse Crunch

3つのクリアリングテスト
——痛み誘発の検出

FMSには7項目の本体テストとは別に、3つのクリアリングテスト(Clearing Tests)がある。これらは「痛み誘発テスト」で、本体テストでは見逃しうる構造的・症状的問題を検出する。クリアリングテストで痛みが誘発された場合、関連する本体テストは自動的に0点となり、医療評価が必要となる。

①Shoulder Clearing Test(肩インピンジメント検査)

実施タイミング:ショルダーモビリティ(テスト④)の直後、左右両方で実施

実施手順:立位で、片手を反対の肩の上に置き、肘を上方に向けて挙上する。これは肩のインピンジメント(衝突)を誘発する古典的な位置(Neer Test様の動作)だ。

判定と対応

痛みが誘発された場合:Shoulder Mobility Testは0点に修正。スコアシートに「+」を記録。
意味:肩のインピンジメント、肩峰下滑液包炎、回旋筋腱板損傷の可能性
推奨対応:整形外科でのMRI・エコー検査による評価

このクリアリングテストの必要性は、「ショルダーモビリティ単体では見逃される構造的問題」を検出するため。可動域は十分でも、特定の角度で痛みが出るインピンジメント症候群は、FMS本体テストでは捉えられない。

②Press-up Clearing Test(脊柱伸展検査)

実施タイミング:トランクスタビリティ・プッシュアップ(テスト⑥)の直後

実施手順:うつ伏せから手のひらを床につけ、肘を伸ばして上体を起こす(Cobra Pose、または McKenzie Press-up様の動作)。腰椎を最大限に伸展する。

判定と対応

痛みが誘発された場合:Trunk Stability Push-Up Testは0点に修正
意味:腰椎の構造的問題(椎間板ヘルニア、椎間関節症、脊柱管狭窄症、腰椎分離症等)の可能性
推奨対応:整形外科・脊椎専門医での評価、必要に応じてMRI

腰椎の伸展時痛は、椎間関節由来の腰痛、椎間板の後方膨隆等の典型的サインだ。これを見逃したまま体幹トレーニングを進めると、腰痛の悪化リスクがある。

③Posterior-rocking Clearing Test(脊柱屈曲検査)

実施タイミング:ロータリースタビリティ(テスト⑦)の直後

実施手順:四つ這いから、お尻をかかとに向けて後方に下げ、胸を太ももに近づける(Child's Pose様の動作)。脊柱と股関節を最大限屈曲する。

判定と対応

痛みが誘発された場合:Rotary Stability Testは0点に修正
意味:腰椎屈曲時の問題(椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、仙腸関節障害等)の可能性
推奨対応:整形外科・脊椎専門医での評価

腰椎屈曲時痛は、椎間板由来の腰痛の典型的サインだ。Press-up Clearing(伸展)と組み合わせることで、腰椎の構造的問題のスクリーニングが完成する。

クリアリングテストの臨床的価値

Lee Burton自身が述べているように、「クリアリングテストは、FMSが見逃しうる痛みパターンや、医療機関での評価が必要な領域を特定する冗長性として機能する」。これは、FMSを単なる「動作評価」ではなく、「医療連携の入口」として位置づける重要な仕組みだ。

Disport WorldのJSPO-AT保有トレーナーである岡本は、クリアリングテストで陽性反応が出たクライアントには、連携医療機関の紹介・精査結果の共有・トレーニング設計への反映まで一気通貫で対応する。

Kiesel 2007 NFL研究
——14点カットオフのエビデンス

FMSが世界水準の動作評価として確立した最大の理由は、「怪我予測能力の科学的実証」だ。その金字塔となったのが、Kiesel, Plisky & Voightによる2007年の NFL研究だ。

Kiesel et al. 2007 論文の概要

論文情報

タイトル:「Can Serious Injury in Professional Football be Predicted by a Preseason Functional Movement Screen?(プロアメフトの重傷は、プレシーズンFMSで予測可能か?)」

著者:Kyle Kiesel, Phillip J Plisky, Michael L Voight
掲載誌:North American Journal of Sports Physical Therapy (NAJSPT) 2007;2(3):147-158
PMID:21522210 / PMCID:PMC2953296

研究デザインと主要結果

  • 対象:NFLプロアメリカンフットボール選手1チーム、n = 46名
  • 方法:シーズン開始前にFMSを実施。シーズン中の重傷(3週間以上のインジュアード・リザーブ入り)データを追跡
  • 分析:ROC曲線(受信者操作特性曲線)でカットオフ値を特定
統計指標 解釈
負傷選手の平均FMSスコア14.3 ± 2.314点未満が多い
非負傷選手の平均FMSスコア17.4 ± 3.117点前後が多い
カットオフ値14点ROC曲線で最適化
オッズ比(Odds Ratio)11.6714点以下は11.67倍リスク
感度(Sensitivity)54%負傷者の54%を14点以下で捉える
特異度(Specificity)91%14点超の選手の91%は怪我しない
陽性尤度比(Positive LR)5.9214点以下の陽性予測力

研究結果の意味と限界

この研究の最大の意義は、「動作の質の低下が、客観的に測定可能な怪我リスクと関連する」ことを初めて実証したことだ。特にオッズ比11.67という値は、伝統的な怪我リスク予測因子(年齢、ポジション、過去の怪我歴等)を凌駕する強力な予測力を示した。

14点カットオフの限界——絶対視は危険

Kiesel 2007以降、多くの追試研究が行われた。結果は分かれる:

NCAA大学アメフト選手(O'Connor et al.):カットオフ14点が支持された
NCAA Division I大学アメフト選手(別研究):カットオフ18.5点が最適とされた
ジュニア・オーストラリアンフットボール選手(2023年研究、n=809):14点カットオフの予測力は限定的、≤12点 + 怪我歴ありが最も予測力高
陸上競技選手:カットオフ予測力は弱い

つまり、「14点以下=即怪我」ではない。対象集団、競技種目、年齢、怪我歴により最適カットオフは異なる。FMSは「絶対的なリスク判定ツール」ではなく、「個別の優先順位を決めるための地図」として使うのが正解だ。

2019年BMJ Open Sport & Exercise MedicineのSystematic Review

FMSの怪我予測能力に関する最新のメタアナリシス(系統的レビュー)では、「FMS低スコアと怪我リスクの関連は集団により異なり、決定的なカットオフ値は存在しない」とされている。これはFMSの価値を否定するものではなく、「FMSは予測ツールではなく、個別最適化のための評価ツール」という位置づけを明確にしている。

FMS・SFMA・TPI評価の使い分け

FMSは、Cook & Burtonが開発した「動作評価システム群」の一部だ。Disport Worldでは、クライアントの状態に応じて以下の3つを使い分けている。

評価法 対象 目的 Disport Worldでの用途
FMS痛みのない方動きの質のスクリーニング・怪我予防トレーニング開始前の全員評価
SFMA痛みのある方痛みの原因となる動作パターンの特定慢性痛・既往歴ありの方
TPI評価ゴルファースイングに影響する身体的制限の特定ゴルフパフォーマンスプログラム

FMS vs SFMA——「痛みの有無」が分岐点

FMSは7項目+3クリアリングテストで、「痛みのない健常者」の動きの質を評価する。スコアリングが0-3点と簡潔で、トレーナー・コーチも実施可能だ。

対してSFMA(Selective Functional Movement Assessment)は、「痛みのある方」を対象とした診断的アセスメント。10の基本動作パターンを「Functional/Dysfunctional × Painful/Non-painful」の4象限で評価し、Breakouts(細分化評価)でさらに詳細に分析する。SFMAは医療資格保有者(PT、AT、医師)向けの認定システムだ。

Disport Worldでは、岡本のJSPO-AT資格を活かし、FMSで0点(痛み)が出たクライアントや、慢性痛・既往歴があるクライアントにはSFMA的アプローチで詳細評価を行う。

TPI評価との関係——ゴルファーの場合

TPI(Titleist Performance Institute)評価は、ゴルファー専用の16項目身体機能スクリーニング。FMSと共通する項目(オーバーヘッドディープスクワット、ASLR等)も含まれるが、TPIはゴルフスイングに直結する身体的制限(胸椎回旋、肩甲帯分離、股関節内外旋等)に特化している。

ゴルファーのクライアントには、FMS + TPI評価の組み合わせが最強だ。FMSで基礎の動作の質を、TPI評価でスイング特異的な制限を、両方カバーする。Disport WorldのTPI Level 2認定(日本でも稀少)保有が、この組み合わせアプローチを可能にしている。

FMS評価後のプログラム設計
——Corrective Strategies

FMSの本当の価値は、評価そのものではなく「評価結果に基づく個別最適化されたプログラム設計(Corrective Strategies)」にある。Gray Cook著「Movement: Functional Movement Systems—Screening, Assessment, Corrective Strategies」(2010)で体系化されたこのアプローチを、Disport Worldの実践で解説する。

基本原則——「Mobility → Stability → Movement → Performance」

Corrective Strategiesの最大の原則は、「順序を守ること」だ。以下の階層順序で、下の層を整えてから上の層に進む:

改善の4階層

① Mobility(可動域)
 関節可動域・筋柔軟性の確保。
 例:足関節背屈、胸椎伸展、股関節屈曲/内旋

② Stability(安定性)
 関節の動的安定性、コア安定性の確立。
 例:肩甲骨安定性、骨盤安定性、体幹安定性

③ Movement(動作パターン)
 基本動作の協調・連動の習得。
 例:ヒップヒンジ、スクワットパターン、ローテーション

④ Performance(パフォーマンス)
 筋力・スピード・パワーへの応用。
 例:デッドリフト、Olympic Lifts、プライオメトリクス

この順序を守らないと、「弱い土台の上に強い動作を積み上げる」結果になり、代償動作が固定化されて怪我リスクが上がる。例えば、足関節背屈が制限されている状態でハイバースクワットを継続すると、膝や腰椎に過負荷がかかる。

FMSスコア別 矯正優先順位

FMS結果に基づく実践的なプログラム設計の例:

スコア状況 優先矯正領域 代表エクササイズ
ASLR 1-2点下肢分離 + 腰骨盤コントロールActive Leg Lowering、Dead Bug、ハム・腸腰筋ストレッチ
Shoulder Mobility 1-2点胸椎モビリティ + 肩甲帯安定Open Books、Wall Slides、YTW、Sleeper Stretch
Rotary Stability 1-2点体幹多軸安定性Bird Dog、Dead Bug、Quadruped Hover
Trunk Stability Push-up 1-2点体幹反射的安定性Plank、Roll-Out、Push-up Plus
Hurdle Step 1-2点片脚安定 + 股関節屈曲Single Leg Stance、ハーフニーリング・ヒップフレクサーストレッチ
Inline Lunge 1-2点矢状面安定 + 股関節伸展Couch Stretch、Side Plank、Bottoms-Up KB Carry
Deep Squat 1-2点全身協調(複合要因)他項目を整えてから最後に取り組む
なぜDeep Squatは最後に取り組むのか

Gray Cookの教えで重要なのは、「Deep Squatは矯正戦略の最後に取り組む」こと。Deep Squatは全身協調が必要な複合動作なので、足関節モビリティ・股関節モビリティ・胸椎モビリティ・肩関節モビリティ・体幹安定性のすべてが関与する。

個別要素を先に整えてから(ASLR、Shoulder Mobility、Hurdle Step等)、最後にDeep Squatを再評価すると、自然に改善していることが多い。「Deep Squatそのものを直接訓練するより、構成要素を整える方が効率的」——これがFMS哲学の核心だ。

プログラム例:FMS合計12点のクライアント

具体例として、合計FMS 12点(DS:2, HS:1左, IL:2, SM:1左, ASLR:2, TSPU:2, RS:2)のクライアントへのプログラム設計:

Week 1-2:Mobility 基盤作り

・足関節背屈・股関節屈曲のSMR
・胸椎モビリティドリル(Open Books、Cat-Cow)
・肩関節モビリティ(左側重点:Sleeper Stretch、Cross-Body)
・ハーフニーリング・ヒップフレクサーストレッチ(左側重点)
・PNF Active Leg Lowering(ASLR改善)
・週3回 × 各セッション30-45分

Week 3-4:Stability 確立

・Dead Bug、Bird Dog(多軸安定性)
・Plank、Side Plank(コア安定性)
・Quadruped Hover、Push-up Plus(肩甲帯安定)
・Single Leg Stance(片脚安定性)
・Wall Slides、YTW(肩甲帯後面)
・週3回 × 各45-60分

Week 5-6:Movement パターン統合

・ヒップヒンジ動作練習(RDL with Dowel)
・ゴブレットスクワット(フォーム重視)
・スプリットスクワット(左右差矯正)
・Half-Kneeling Cable Press/Pull(多面協調)
・週3-4回 × 各60分

Week 7-8:再評価 + Performance 移行

・FMS再評価——多くの場合、合計17-18点まで改善
・改善状況に応じて、Big Three(スクワット・デッドリフト・ベンチプレス)の負荷導入
・パワー系(メディシンボール、軽負荷ジャンプ)の追加
・週3-4回 × 各60-90分

FMS Level 1 vs Level 2
——認定の違い

FMSの認定資格は、Functional Movement Systems社が提供する公式プログラムで、Level 1とLevel 2の2段階構成だ。それぞれ何を学ぶかを解説する。

レベル 学ぶ内容 対象
FMS Level 17項目+3クリアリングテストの実施・スコアリング、基礎的な解釈トレーナー、コーチ、フィットネス専門家
FMS Level 2スコア結果に基づくCorrective Strategies設計、矯正エクササイズの選択・実施プロトコル、再評価方法上級トレーナー、PT、AT

FMSの限界も理解しておく

FMSは強力なツールだが、万能ではない。以下の限界も認識しておくべきだ:

  • 対象集団により予測力が変わる:プロアスリートとジュニアでは最適カットオフが異なる
  • 競技種目特異性:陸上選手では予測力が弱い、アメフトでは強い等の違い
  • FMSは「動作パターン」のみ:心肺機能、最大筋力、スピード等は別途評価が必要
  • 主観性が残る:スコアラー間の評価の差はあり得る(信頼性は中〜高だが完璧ではない)
  • スポーツ専門性が必要:ゴルファーにはTPI、野球選手には別評価との組み合わせが望ましい

なぜDisport Worldで
FMS評価を受けるべきか

ここまで、FMSの完全な姿を解説してきた。最後に、なぜDisport Worldで評価を受けるべきかを4つの軸で語る。

理由①「日本唯一の4資格保有」が支える専門性

FMSを実施できるトレーナーは日本にも一定数いる。だが、「JSPO-AT × TPI Level 2 × NASM-PES × INDIBA PRO MAX認定」の4資格をすべて保有するのは、岡本隼人ただ一人。これは、以下の4領域を同一人物が一気通貫で提供できる稀有なポジションだ:

  • JSPO-AT:怪我評価・予防の医療系資格——クリアリングテスト陽性時の判断、医療連携
  • TPI Level 2:FMSと共通する動作評価哲学を、ゴルファー向けに拡張
  • NASM-PES:FMS評価後のCorrective Strategies実装を体系化
  • INDIBA PRO MAX認定:深部組織の回復ケア——可動域改善を物理療法で支援

「評価だけ」「矯正だけ」「ケアだけ」がバラバラに提供される業界の中で、「評価 → 矯正 → トレーニング → 回復」を完全に一気通貫で提供できるのは、Disport Worldの最大の差別化要素だ。

理由②「岡本が全セッション担当」という担当固定

大手パーソナルジムの大きな問題は、「担当トレーナーが頻繁に変わる」こと。これはFMS的アプローチでは致命的だ——FMSは「再評価による進捗把握」が核心であり、初回評価したトレーナーと再評価するトレーナーが違えば、スコアの解釈にぶれが生じる。Disport Worldは岡本隼人が全クライアントを担当。1日2枠限定、「量より質」を最優先する設計。

理由③「23年・20,000セッション超」の蓄積

FMS実施そのものは2時間の認定研修で覚えられる。だが、「スコア解釈の臨床的判断」は経験量で決まる。23年・累計20,000セッション超のキャリアの中で、岡本はプロ野球選手、エグゼクティブゴルファー、ジュニアアスリート、リハビリ後の方まで、あらゆる層のクライアントを評価してきた。「このスコアパターンは、このタイプのクライアントによく見られる」という経験知が、的確な処方を可能にする。

理由④「鶯ビル B1 完全個室」のプライバシー

FMS評価は、Active Straight Leg Raise(仰向け)やTrunk Stability Push-up(うつ伏せ)等、普段は人に見られない姿勢を含む。Disport Worldは六本木3-15-21 鶯ビル地下1階の完全個室パーソナルジム。プロアスリート・著名経営者も安心して評価を受けられる空間設計だ。

Disport WorldでFMS評価を受けるメリット — まとめ

① 日本唯一のJSPO-AT × TPI Level 2 × NASM-PES × INDIBA PRO MAX保有
② 評価→矯正→トレーニング→回復まで完全一気通貫
③ 岡本隼人が全セッション担当——再評価の精度確保
④ 23年・20,000セッション超の臨床経験
⑤ 六本木 鶯ビルB1 完全個室——プライバシー保護
⑥ FMS + SFMA + TPI評価の使い分けが可能
⑦ クリアリングテスト陽性時の医療連携体制
⑧ 30日間全額返金保証——リスクなく試せる
⑨ 体験 90分 ¥15,000→¥7,500(50%OFF)

よくあるご質問

Frequently Asked Questions
FMSとは何ですか?

FMS(Functional Movement Screen)は、Gray CookとLee Burtonが1995年に開発した動作評価システムです。7つの基本動作パターンを0-3点でスコアリングし、21点満点で「動きの質」を可視化します。3つのクリアリングテスト(肩インピンジメント、脊柱伸展、脊柱屈曲)も含まれます。NFL、NBA、軍、一般フィットネスまで世界で広く使われており、Kiesel et al.(2007)の研究では14点以下のプロアメフト選手は11.67倍の怪我リスクが示されました。

FMSの7項目は何ですか?

①ディープスクワット(Deep Squat)、②ハードルステップ(Hurdle Step)、③インラインランジ(Inline Lunge)、④ショルダーモビリティ(Shoulder Mobility)、⑤アクティブストレートレッグレイズ(ASLR)、⑥トランクスタビリティ・プッシュアップ(Trunk Stability Push-Up)、⑦ロータリースタビリティ(Rotary Stability)の7項目です。これらは「Primitive(1-2)」「Transitional(3-4)」「Higher Level(5-7)」の3階層に分類されます。

FMSのスコアリング基準を教えてください。

各テストを0-3点でスコアリングします。3点=代償なしで完璧に動作可能、2点=動作は完了するが代償動作あり、1点=動作を完了できない、0点=動作中に痛みが発生(医療評価が必要)。左右で差がある場合は低い方を採用します(asymmetry)。合計21点満点で、Kiesel 2007研究では14点以下が怪我リスクのカットオフ値として使われていますが、対象集団により最適カットオフは異なります。

FMSとSFMAの違いは何ですか?

FMS(Functional Movement Screen)は痛みのない方の「動きの質」を評価するスクリーニング、SFMA(Selective Functional Movement Assessment)は痛みがある方を対象とした診断的アセスメントです。FMSで痛みが出た(0点)または問題が発見されたクライアントには、SFMAでより詳細な評価を行います。両者はGray Cookらが開発した補完関係にあるシステムで、FMSが「入口」、SFMAが「深掘り」と位置付けられます。

FMSのクリアリングテストとは何ですか?

クリアリングテストは、3つの「痛み誘発テスト」で、FMS本体テストでは見逃しうる問題を検出します。①Shoulder Clearing(肩インピンジメント)→Shoulder Mobilityの後、②Press-up Clearing(脊柱伸展)→Trunk Stability Push-Upの後、③Posterior-rocking Clearing(脊柱屈曲)→Rotary Stabilityの後。痛みが誘発された場合、該当する本体テストは自動的に0点となり、医療評価が推奨されます。

FMSのスコアが14点以下だと必ず怪我しますか?

いいえ、必ず怪我するわけではありません。Kiesel et al.(2007)の研究では、プロアメフト選手46名で14点以下のオッズ比が11.67と高かったものの、感度54%・特異度91%という値です。これは「14点以下の選手が全員怪我する」のではなく「14点以下の場合に怪我のリスクが統計的に高まる」を意味します。また、対象集団(プロ vs ジュニア、競技種目別)により最適カットオフは異なるため、絶対値ではなく「個別の優先順位」として活用するのが正解です。

FMS Level 1とLevel 2の違いは何ですか?

FMS Level 1認定は、FMSの7項目+3クリアリングテストを実施・スコアリングできる基礎レベルです。FMS Level 2認定は、スコア結果に基づく矯正エクササイズの設計、Corrective Strategiesプロトコルの実装まで含む上級レベルです。Disport WorldではTPI Level 2を含む4資格保有者である岡本隼人が、FMSの哲学に基づく動作評価+個別矯正プログラムを提供します。

FMS評価はどれくらい時間がかかりますか?

FMS 7項目+3クリアリングテスト全体で15-25分程度です。ただし、Disport Worldの体験セッションでは、FMSに加えて問診、動作の動画記録、結果の説明、個別プログラム提案までを90分で実施します。FMS評価そのものより、「結果の解釈とプログラム設計への落とし込み」に多くの時間を使うのが特徴です。

FMSは何ヶ月ごとに再評価すべきですか?

一般的には4-6週間後の再評価が推奨されます。Corrective Strategiesによる動作パターンの改善は、神経系の適応に4-6週間かかるためです。Disport Worldでは、トレーニング開始時にFMSで現状を可視化し、6-8週間後に再評価して進捗を数値で示します。これにより、「何が改善したか」「次に取り組むべきは何か」が明確になります。

FMSは年齢制限がありますか?

FMSは6歳以上から実施可能とされていますが、対象集団により解釈基準は異なります。ジュニア選手では14点カットオフの予測力が弱いという研究もあるため、年齢・成熟度に応じた個別解釈が必要です。Disport Worldでは、小学生から60代以上のエグゼクティブまで、年代に応じた適切な実施・解釈を行っています。

体験セッションのご案内

「自分の動きの質を数値で見たい」「トレーニング前に基礎評価を受けたい」「過去の怪我の影響を確認したい」——そんな方には、Disport Worldの90分体験セッションがおすすめだ。FMS評価+動作分析+個別プログラム提案を含む充実した内容となっている。

体験セッションの内容

① 問診(生活習慣、運動歴、怪我歴、目標)
② FMS 7項目+3クリアリングテストの実施
③ スコアリングと結果説明(スコアシート提供)
④ 弱点項目の動作詳細分析
⑤ 個別Corrective Strategies提案(4-6週間プラン)
⑥ 必要に応じてSFMA的詳細評価、TPI評価追加
⑦ INDIBA PRO MAX回復ケア体験(希望に応じて)
⑧ 自宅で実施できる優先矯正エクササイズの指導

体験セッションの予約方法

LINEまたはお電話でご予約ください。LINEからのご予約が最もスムーズです。体験価格 ¥15,000→¥7,500(50%OFF)、90分セッション、30日間全額返金保証付き。岡本隼人が直接対応する。

FMS 機能的動作スクリーニング 完全ガイド
Movement Assessment Science

FMS(機能的動作スクリーニング)
完全ガイド
——7項目+3クリアリングテストの全解説

「体重は測ったことがある。でも、自分の動きの質を数値で見たことはない」——FMSはその問いに答える枠組みです。Cook & Burton 1995年開発、Kiesel 2007 NFL研究で怪我リスクとの関連が示された世界水準の動作スクリーニング。7項目+3クリアリングテストの手順、スコアリング基準(3/2/1/0点)、代償動作、矯正エクササイズ、そして信頼性と限界まで、JSPO-AT × TPI Level 2 × NASM-PES × INDIBA PRO MAX保有の岡本隼人が完全網羅します。

2026.04.15 / Updated 2026.05.27 読了 約26分
7+3
テスト+
クリアリング
21点
満点
(0-3点×7項目)
1995年
Cook & Burton
FMS開発
ICC .81
合計点の
信頼性*

* 系統的レビューでの合計スコアの判定者間・判定者内信頼性の代表値(研究により0.76〜0.98と幅がある)。

「ベンチプレス何kg挙げられるか」「スクワット何kgか」——筋力の数値は記録できます。けれど、「あなたの動きの質」を数値で見たことがあるでしょうか。

FMS(Functional Movement Screen)は、この問いに答える枠組みです。1995年、米国の理学療法士Gray Cookと、アスレティックトレーナーのLee Burton(PhD, ATC)によって考案され、いまではプロスポーツ、軍、一般フィットネスまで世界水準の動作スクリーニングとして広く使われています。本記事では、FMSの全体像を、各テストの手順・スコアリング・代償動作・矯正エクササイズ、さらに科学的な信頼性と限界まで、できるだけ誠実に解説します。

This Article

この記事でわかること:
① FMSとは何か——開発の背景と設計思想
② FMS Performance Pyramid——「動きの質」が土台
③ スコアリングの正確な意味(3/2/1/0点)
④ 7項目の完全解説(手順・基準・代償・矯正)
⑤ 3つのクリアリングテスト
⑥ Kiesel 2007 NFL研究のエビデンスと、その限界
⑦ FMSの信頼性(ICC・MDC)——科学的にどこまで当てになるか
⑧ FMS・SFMA・TPIの使い分け
⑨ 確認後のプログラム設計(Corrective Strategies)
⑩ FMSの限界

本記事の位置づけ

FMSは一般の方の「動きの質」を確認するためのスクリーニングであり、痛みや疾患の診断・治療を目的とするものではありません。痛みがある・しびれを伴うなどの場合は、まず医療機関を受診してください。Disport Worldでは、動作確認の結果を、必要に応じて医療機関との連携を前提にトレーニング設計へ活かします。

FMSとは何か
——Cook & Burton 1995年開発の背景

FMS(Functional Movement Screen)は、Gray Cook(PT)Lee Burton(PhD, ATC)が1995年に米国で考案した動作スクリーニングシステムです。Cookが理学療法士の視点から動作確認のフレームワークを設計し、Burtonがアスレティックトレーナーの臨床経験で実装を磨いた——この組み合わせがFMSの土台になっています。

FMSが解決しようとした課題は明確でした。「フィットネスやリハビリの専門家が、動作パターンの左右差や主要な制限を、体系的に確認する共通のものさしがなかった」こと。動きに制限がある状態で高強度トレーニングを続けると、代償動作が強化されて負担が偏りやすい——この問題意識から、7つのテストと3つのクリアリングテストで構成される枠組みが生まれました。

FMSの設計思想——「重さではなく動きの質」

FMSの3つの考え方

動きの質 > 動きの量——どれだけ重いものが持てるかより、基本動作が正しく行えるか

左右差・パターン不全に注目——これらはトレーニング負荷を上げると顕在化しやすい

修正には順序がある——「可動域 → 安定性 → 動作 → パフォーマンス」の順を守ることで、代償動作の固定化を避ける

FMSの考え方は、Cook G, Burton L, Hoogenboom BJ, Voightらによる論文(International Journal of Sports Physical Therapy)として体系化され、現在も動作確認の参照文献として広く引用されています。

FMSが世界で使われる領域

プロ・大学スポーツ:多くのチームでコンディション把握・傷害予防の一環として
軍・消防・救急:職務に必要な動作の確認
一般フィットネス・パーソナルジム:トレーニング開始前の動作確認
理学療法・整形外科領域:復帰の目安づくり、再発予防の補助

FMS Performance Pyramid
——「動きの質」が全ての土台

FMSを理解する上で、最も大切な考え方が「FMS Performance Pyramid(パフォーマンス・ピラミッド)」です。Gray Cookが提唱したこのモデルは、人の運動能力を3つの層で説明します。

Skill技術——競技固有のスキル
Performanceパフォーマンス——筋力・スピード・パワー
Movement動きの質——FMSが確認する基礎層

Cookの考え方は明快です——「土台となるMovement(動きの質)がぐらついたまま、その上にPerformance(筋力・パワー)やSkill(技術)を積み上げても、ピラミッドは安定しない」。逆に、FMSで動きの質を整えてから筋力強化に進めば、負担を抑えながら効率よくパフォーマンスを伸ばしやすくなります。

動きはベースライン。他のことに取り組む前に、まず痛みや大きな機能不全なく基本ができるかを確かめよう——これがFMSの入口です。 — Lee Burton, PhD, ATC(FMS共同開発者)の考え方より

7項目の3階層分類

FMSの7項目自体も、動作の難易度で3階層に分類されます。

階層テスト意味
Primitive(基礎的)①ディープスクワット ②ハードルステップ幼児期から獲得する最も基本的な動作。すべての土台
Transitional(移行的)③インラインランジ ④ショルダーモビリティ立位での動的安定性、上半身の複合可動域
Higher Level(上位)⑤ASLR ⑥トランクスタビリティ・プッシュアップ ⑦ロータリースタビリティ下肢の分離動作、体幹の反射的安定性、多軸協調

スコアリングシステムの全貌
——3/2/1/0点の正確な意味

FMSは、各テストを0〜3点の4段階で採点します。一見シンプルですが、各点数の意味は精密に定義されています(Gray Cook著『Movement: Functional Movement Systems』2010 の基準による)。

3

代償なしで完璧

代償動作なく正しく動作可能。理想的で、トレーニング負荷を上げてよい状態。

2

完了するが代償あり

動作は完了するが代償あり、または補助あり。矯正の余地がある。

1

完了できない

動作を完了できない、または大きな代償。トレーニング前の優先矯正対象。

0

痛みが出る

動作中に痛みが発生。医療機関での確認が必要で、該当部位の負荷は中止。

左右差(Asymmetry)の扱い

左右両方で行うテスト(ハードルステップ、インラインランジ、ショルダーモビリティ、ASLR、ロータリースタビリティ)では、左右のうち低い方を「最終スコア」として採用します。例えば右3点・左1点なら、最終スコアは1点です。

なぜ「低い方」を採用するのか

左右差は、負担の偏りや不調と関連しやすい要素とされます。右3点・左1点の方は、平均すれば「2点」ですが、実際には「左に大きな制限がある」状態。負荷を上げると左に偏った負担がかかりやすい。FMSは「平均」ではなく「最も弱い部分」を見ることで、現実的なリスクに目を向ける設計になっています。

合計スコアの目安

7項目の最終スコアの合計が、FMS合計スコア(0〜21点)です。一般的な解釈の目安は以下のとおりですが、後述するように合計点だけで判断しすぎないことが大切です。

合計スコア目安一般的な対応
18〜21非常に良好高めの負荷・競技活動にも対応しやすい
15〜17良好弱点項目を整えつつ通常のトレーニング
14以下注意(Kiesel 2007の目安)矯正を優先し、高負荷は慎重に
0点の項目あり医療確認が必要該当部位の負荷を中止し、医療機関へ
合計スコアより「パターン」が大切

FMSの本当の価値は合計点ではなく「どの項目が低いか」にあります。例えば同じ合計15点でも、ロータリースタビリティが1点で左右差ありなら、その項目から優先的に整える必要があります。一方、全項目が均等に2点で14点なら、全体の底上げが課題です。同じ合計点でも、原因と対策はまったく異なります。

FMS 7項目の完全解説
——手順・基準・代償・矯正

7項目を、「確認する能力・実施手順・スコア基準・よくある代償と矯正」の構造で解説します(Gray Cook著『Movement: Functional Movement Systems』2010 の基準による)。

① ディープスクワット(Deep Squat)

確認する能力:全身の協調性、下肢・股関節・膝・足関節の可動域、体幹安定性、肩・胸椎の可動域。

手順:足を肩幅に開きつま先を前に向け、棒を頭上で水平に保持。肘を伸ばしたまま深くしゃがむ。難しい場合はかかとに板(約5cm)を入れて再試行。

基準
3板なしで、上半身が脛骨と平行(または垂直)・大腿が水平より下・膝とダウェルが足の上に整列
2同じ条件を、かかとに板を入れて達成(足関節背屈の制限)
1板を入れても上記基準を満たせない(腰椎の丸まり等の代償)
よくある代償と矯正の例

かかとが浮く→足関節背屈の制限。ふくらはぎのストレッチ、足関節モビリティ。
膝が内に入る→中殿筋・股関節外旋筋の弱さ。クラムシェル、モンスターウォーク。
上体が前に倒れる→胸椎伸展・股関節屈曲の制限。胸椎モビリティ、ゴブレットスクワット練習。
腰が丸まる→ハムストリングス・股関節伸筋の柔軟性不足。ヒップヒンジ練習。

② ハードルステップ(Hurdle Step)

確認する能力:片脚立位での動的安定性、ステップ脚の股関節屈曲、支持脚の安定性、骨盤コントロール。

手順:ハードルを脛の高さに設定し、棒を肩の後ろに担ぐ。片脚をハードルの上にステップしてかかとを床につけ、元に戻す。左右実施。

基準
3股関節・膝・足首が矢状面で整列、腰・体幹の動きが最小限、ハードルと棒が平行
2整列の乱れや体幹の動きがある、平行を保てない
1足・膝・股関節がハードルに接触、またはバランスを失う
よくある代償と矯正の例

骨盤が傾く→支持脚の中殿筋の弱さ。サイドプランク、シングルレッグデッドリフト。
体幹がぐらつく→体幹安定性の不足。デッドバグ、バードドッグ。
ステップ脚が上がりにくい→腸腰筋の柔軟性不足。ハーフニーリング・ヒップフレクサーストレッチ。

③ インラインランジ(In-Line Lunge)

確認する能力:矢状面での動的安定性、股関節と膝の協調、体幹の側方安定性、足関節の柔軟性。

手順:板の上で前後の足を脛の長さ分離して立ち、棒を背中(後頭部・背中・尾骨)に縦に当てて保持。後脚の膝が板に触れるまでランジし、戻る。左右実施。

基準
3棒が背中の3点に接触したまま直立を保ち、体幹の動きなく、後脚膝が前脚かかとの後ろに触れる
2棒の接触が崩れる・体幹に動きがある・足と棒が矢状面で揃わない
1バランスを失う、または動作を完了できない
よくある代償と矯正の例

膝が内に入る→中殿筋・股関節外旋筋の弱さ。クラムシェル、サイドプランク。
体幹が横に倒れる・回る→側方安定性の不足。サイドプランク、パロフプレス。
後脚の股関節が伸びない→股関節屈筋・大腿前面の柔軟性不足。ヒップフレクサーストレッチ。

④ ショルダーモビリティ(Shoulder Mobility)

確認する能力:肩甲帯・胸椎の複合的な可動域、肩の屈曲+外旋+外転と、伸展+内旋+内転の連動、左右の対称性。

手順:手の長さを測り、両手で拳を作る。一方の手は背中を上から下へ、もう一方は下から上へ回し、背中で両拳の距離を測定。左右実施。直後に必ずShoulder Clearing Test(後述)を行う。

基準(両拳の距離)
3手の長さ1つ分以内
2手の長さ1.5個分以内
1手の長さ1.5個分を超える
よくある代償と矯正の例

左右差が大きい→デスクワーク姿勢や片側スポーツ(テニス・ゴルフ)の影響。スリーパーストレッチ、クロスボディストレッチ。
胸椎の伸展不足→猫背・長時間座位。胸椎モビリティ(フォームローラー、オープンブック)。
肩甲骨の安定不足→前鋸筋・下部僧帽筋の機能低下。ウォールスライド、YTW。

⑤ アクティブストレートレッグレイズ(ASLR)

確認する能力:ハムストリングス・ふくらはぎの柔軟性、反対脚の伸展維持、骨盤コントロール、下肢の分離動作(片方が動く間にもう片方を安定させる力)。

手順:仰向けで両膝を伸ばし、つま先を上に。片脚を膝を伸ばしたまま天井方向へ持ち上げ、反対脚は床につけたまま維持。挙上脚のくるぶし位置を、上前腸骨棘と膝蓋骨上端の中点と比べて採点。左右実施。

基準(挙上脚のくるぶし位置)
3中点(上前腸骨棘と膝蓋骨上端の中間)を超える
2中点と膝蓋骨上端の間
1膝蓋骨上端より下
ASLRの本質——「ハムの柔軟性テストではない」

見た目はハムストリングスの柔軟性テストですが、Gray Cookは「これはハムのテストではない」と述べています。実際に見ているのは「下肢の分離動作と、腰・骨盤のコントロール」。片脚を上げる間、反対脚を伸展位(膝が浮かない)に保てるかが重要で、身体の前面・後面・骨盤コントロール・足関節すべてが関わります。

よくある代償と矯正の例

挙上できない→ハム柔軟性不足。大腿後面のSMR、アクティブハムストリングストレッチ。
反対脚が浮く→股関節伸展の制御不足。大腿前面・腸腰筋ストレッチ、アクティブレッグローワリング。
骨盤が動揺する→腰・骨盤コントロール不足。デッドバグ、グルートブリッジ。

⑥ トランクスタビリティ・プッシュアップ(Trunk Stability Push-Up)

確認する能力:体幹の反射的安定性(上肢の動きに対する自動的な体幹制御)、上肢の左右対称な動員、体幹の剛性。

手順:うつ伏せで、男性は親指を額のライン、女性は顎のラインに手を置く。膝を伸ばしつま先を立て、体を一枚の板のように保ったまま押し上げる。腰の反り・骨盤の落ちがあると減点。直後に必ずPress-up Clearing Test(後述)を行う。

基準
3男性は親指を額・女性は顎の位置で、体を一枚板として持ち上げられる
2男性は顎・女性は鎖骨の位置(やや易しい手位置)で持ち上げられる
1上記でも持ち上げられない、または体が分節して動く(腰が反る・骨盤が落ちる)
よくある代償と矯正の例

腰が反る→腹横筋・腹斜筋の不足。デッドバグ、ロールアウト、プランク。
骨盤が落ちる→体幹全体の不足。プランク、マウンテンクライマー。
手と体が同時に動かない→反射的安定性の不足。デッドバグ、バードドッグ。

⑦ ロータリースタビリティ(Rotary Stability)

確認する能力:体幹の多軸(前後・左右・回旋)安定性、四肢の協調、肩甲帯と骨盤帯の連動。

手順:四つ這いで板を脊柱と平行に置く。同じ側の手と膝を伸ばし、続いて同じ側の肘と膝を体の下で触れさせる。左右実施。同側が難しければ対側(右手と左膝など)でも試す。直後に必ずPosterior-rocking Clearing Test(後述)を行う。

基準
3同側(右手+右膝)で、肘と膝を体の下で触れさせて完了
2同側は難しいが、対側(右手+左膝)で完了
1対側でも完了できない、または板の上でバランスを保てない
ロータリースタビリティの臨床的意味

7項目の中で最も代償が出やすく、低めのスコアになりやすいのがこの項目です。これは現代人の「対側の協調動作」(右手と左膝のような交差の連動)が使われにくくなっていることを反映しています。歩行も走行も対側協調ですが、デスクワーク中心の生活では出番が少ない。3点を取れる人は多くなく、2点(対側)から始まる方が多いのは「異常」ではなく、現代の生活パターンの結果と考えるのが妥当です。

よくある代償と矯正の例

脊柱で代償する→多軸制御の不足。バードドッグ、デッドバグ。
肩甲帯が不安定→前鋸筋・下部僧帽筋の機能低下。クアドラペッドホバー、プッシュアッププラス。
骨盤が横に傾く→中殿筋の不足。サイドプランク。

3つのクリアリングテスト
——痛み誘発の確認

FMSには、7項目の本体テストとは別に3つのクリアリングテストがあります。これは「痛みが出ないかを確認するテスト」で、本体テストでは見逃しうる症状を拾います。痛みが誘発された場合、関連する本体テストは0点とし、医療機関での確認が必要になります。

テスト実施タイミング動作陽性時
Shoulder Clearing④の直後手を反対の肩に置き肘を上げる④を0点に。肩の確認を医療機関へ
Press-up Clearing⑥の直後うつ伏せから上体を反らす(伸展)⑥を0点に。腰の確認を医療機関へ
Posterior-rocking⑦の直後四つ這いから後方へ(屈曲)⑦を0点に。腰の確認を医療機関へ

クリアリングテストは、「可動域は十分でも、特定の角度で痛みが出る」といった、本体テストだけでは捉えにくい問題を拾うための仕組みです。これはFMSを単なる動作確認ではなく、「医療連携の入口」として位置づける重要な役割を持ちます。

クリアリングテストで痛みが出たら

クリアリングテストはあくまで「痛みの有無を確認する」もので、診断ではありません。痛みが誘発された場合は、自己判断で続けず、整形外科など医療機関での確認をおすすめします。Disport Worldでは、こうした場合に医療機関の受診をご案内し、その結果を前提にトレーニングを設計します。

Kiesel 2007 NFL研究
——14点カットオフのエビデンスと限界

FMSが動作スクリーニングとして広く知られるきっかけとなった研究が、Kiesel・Plisky・Voightによる2007年のNFL研究です。ただし、この研究は意義と限界の両方を理解することが大切です。

論文情報

タイトル:Can Serious Injury in Professional Football be Predicted by a Preseason Functional Movement Screen?
著者:Kyle Kiesel, Phillip J Plisky, Michael L Voight
掲載誌:North American Journal of Sports Physical Therapy 2007;2(3):147-158
PMID:21522210 / PMCID:PMC2953296

研究デザイン:NFL選手1チーム(n=46)にシーズン前FMSを実施し、シーズン中の重傷(3週間以上の離脱)を追跡。ROC曲線で最適なカットオフ値を求めました。

指標意味
負傷選手の平均スコア14.3 ± 2.314点前後が多い
非負傷選手の平均スコア17.4 ± 3.117点前後が多い
カットオフ値14点ROC曲線で最適化
オッズ比11.6714点以下で統計的にリスクが高い傾向
感度54%負傷者の約半数を14点以下で捉える
特異度91%14点超の多くは負傷しなかった

この研究の意義は、「動きの質の低下が、客観的に測れる怪我リスクと関連しうる」ことを示した点にあります。一方で、感度が54%という数字は見落とせません。これは「14点以下でも、負傷者の約半数しか拾えない」ことを意味し、「14点以下=必ず怪我」でも「14点超=絶対安全」でもないことを示しています。

14点カットオフを絶対視しない——追試は結果が割れている

Kiesel 2007以降、多くの追試が行われ、結果は分かれています。
・NCAA大学アメフト:14点カットオフを支持した研究
・別のNCAA D1研究:最適カットオフは18.5点とされた
・ジュニア・オーストラリアンフットボール(2023年・n=809):14点の予測力は高くなく、12点以下+怪我歴の組み合わせが最も予測力が高かった
・陸上競技:カットオフの予測力は弱い

つまり、対象集団・競技・年齢・怪我歴によって最適な見方は変わります。FMSは「絶対のリスク判定ツール」ではなく、「個別の優先順位を決めるための地図」として使うのが適切です。本記事の冒頭で「11.67倍」をあえて大きく強調していないのも、この理由からです。

2019年にBMJ Open Sport & Exercise Medicineで報告された系統的レビューでも、「FMS低スコアと怪我リスクの関連は集団により異なり、決定的なカットオフ値は存在しない」とされています。これはFMSの価値を否定するものではなく、「予測の道具」ではなく「個別最適化のための確認の道具」という位置づけを明確にするものです。

FMSの信頼性
——科学的にどこまで当てになるか

「動作を人が目で見て採点する」FMSは、どのくらい安定した(再現性のある)数字なのか。ここは誠実に押さえておくべき重要なポイントです。専門用語が出ますが、要点はシンプルです。

合計スコアの信頼性は「良好〜優秀」

複数の研究で、FMS合計スコアの判定者間・判定者内の信頼性(ICC)は0.76〜0.98と報告されています。系統的レビューでの代表値はICC 0.81。ざっくり言えば、「別の人が採点しても、同じ人が時間をおいて採点しても、合計点はかなり近い値になりやすい」ということです(ICCは1に近いほど一致が高い指標で、0.75超で「良好」、0.90超で「優秀」とされます)。

0.76–0.98
合計点のICC
(研究による幅)
good–excellent
2.54点
最小可検変化(MDC)
21点満点中
meaningful change

「改善した」と言うには2.5点以上の変化が必要

ここが実務的に最も大切な数字です。FMS合計スコアの測定誤差(SEM)は約0.92点、最小可検変化(MDC)は約2.54点と報告されています。これは、「合計点が2.5点を超えて変われば、測定の誤差ではなく本当に変化した可能性が高い」ことを意味します。逆に言えば、「14点が15点になった」程度の1点の変化は、誤差の範囲かもしれない、ということ。Disport Worldが再確認で進捗を語るときも、この基準を踏まえます。

項目によって信頼性に差がある

合計点は安定していても、個々のテストには信頼性の差があります。研究では、ショルダーモビリティが最も安定(ICC 0.96〜0.98)、一方でハードルステップが最も不安定(ICC 0.30〜0.35)と報告されています。距離を測るショルダーモビリティは判定が明確で、複雑な動的バランスを見るハードルステップは判定者によって差が出やすい、ということです。「合計点は信頼できるが、項目によって解釈の確かさは違う」——この理解が、スコアを過信しないために重要です。

一般・活動的な成人の平均は15点前後

採点に慣れていないと「自分は低いのでは」と不安になりがちですが、研究で報告されている活動的な成人の合計スコアの平均は15.7点(Schneidersら/男女差なし)、別研究で14.64点です。21点満点の「満点」が普通なのではなく、15点前後が一般的。低い項目を一つずつ整えていけば十分です。

採点者の「経験」が解釈を左右する

FMSは、2時間ほどの講習でも合計点については良好な信頼性に達するとされます。一方で、まったくの初心者だけで採点すると合計点のICCが0.60程度まで下がるという報告もあります。さらに、各項目の「なぜその点なのか(どの代償が出ているか)」の解釈や、そこから適切な矯正へつなげる判断は、経験量がものを言う領域です。点数を出すだけなら多くの人ができますが、その先の解釈と処方こそが価値——ここに、23年・累計20,000セッション超の蓄積が活きます。

FMS・SFMA・TPIスクリーニングの使い分け

FMSは、Cook & Burtonらが体系化した動作確認の枠組みの一部です。Disport Worldでは、その方の状態に応じて以下を使い分けます。

枠組み対象目的Disportでの用途
FMS痛みのない方動きの質のスクリーニングトレーニング開始前の動作確認
SFMA的アプローチ痛みのある方痛みに関わる動作パターンの確認慢性痛・既往のある方(医療連携前提)
TPIスクリーニングゴルファースイングに影響する身体的制限の確認ゴルフパフォーマンスプログラム

FMSとSFMA——「痛みの有無」が分岐点

FMSは「痛みのない方」の動きの質を、0〜3点で簡潔に確認するスクリーニングです。対してSFMA(Selective Functional Movement Assessment)は「痛みのある方」を対象とした、より専門的な確認の枠組みで、医療資格を持つ専門家向けに設計されています。Disport Worldでは、岡本のJSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)の知見を活かし、FMSで痛み(0点)が出た方や既往のある方には、医療機関との連携を前提に、より丁寧な確認を行います。

TPIスクリーニングとの関係——ゴルファーの場合

TPI(Titleist Performance Institute)のスクリーニングは、ゴルファー向けの身体機能チェック(16項目)です。FMSと共通する動きもありますが、TPIはゴルフスイングに直結する制限(胸椎回旋、肩甲帯の分離、股関節の内外旋など)に特化しています。ゴルファーには、FMSで基礎の動きを、TPIでスイング特異的な制限を——という組み合わせが有効です。Disport WorldはTPI Level 2を保有しており、この両面からの確認に対応できます。

確認後のプログラム設計
——Corrective Strategies

FMSの本当の価値は、確認そのものより「結果に基づく個別のプログラム設計」にあります。Gray Cook著『Movement: Functional Movement Systems—Screening, Assessment, Corrective Strategies』(2010)で体系化された考え方を、実践の形で解説します。

基本原則——「可動域 → 安定性 → 動作 → パフォーマンス」

最大の原則は「順序を守ること」。下の層を整えてから上の層に進みます。

Performance筋力・スピード・パワー(最後に応用)
Movement動作パターンの協調(ヒップヒンジ等)
Stability動的安定性・コア安定性
Mobility関節可動域・柔軟性(まず最初に)

この順序を飛ばすと、「弱い土台の上に強い動作を積み上げる」ことになり、代償動作が固定化しやすくなります。例えば足関節の背屈が制限されたまま高重量スクワットを続ければ、膝や腰に負担が偏りがちです。

FMSスコア別・矯正の優先順位

低かった項目優先して整える領域代表的なエクササイズ例
ASLR下肢の分離+腰骨盤コントロールアクティブレッグローワリング、デッドバグ、ハム・腸腰筋ストレッチ
ショルダーモビリティ胸椎モビリティ+肩甲帯安定オープンブック、ウォールスライド、YTW、スリーパーストレッチ
ロータリースタビリティ体幹の多軸安定性バードドッグ、デッドバグ、クアドラペッドホバー
プッシュアップ体幹の反射的安定性プランク、ロールアウト、プッシュアッププラス
ハードルステップ片脚安定+股関節屈曲シングルレッグスタンス、ヒップフレクサーストレッチ
インラインランジ矢状面安定+股関節伸展カウチストレッチ、サイドプランク
ディープスクワット全身協調(複合要因)他項目を整えてから最後に
なぜディープスクワットは最後なのか

Cookの教えで重要なのは、「ディープスクワットは矯正の最後に取り組む」こと。スクワットは足関節・股関節・胸椎・肩・体幹のすべてが関わる複合動作です。個別要素(ASLR、ショルダーモビリティ、ハードルステップなど)を先に整えてから再確認すると、スクワット自体も自然に改善していることが多い。「スクワットを直接練習するより、構成要素を整える方が近道」——これがFMSの考え方の核心です。

プログラム例:合計12点の方の8週間

合計FMS 12点(ハードルステップ左1点・ショルダーモビリティ左1点・他2点)の方を例にした設計イメージです。あくまで一例で、実際は個別に調整します。

期間テーマ主な内容
Week 1–2Mobility(土台づくり)足関節・股関節のSMR、胸椎モビリティ、肩(左重点)、腸腰筋ストレッチ/週3回・各30〜45分
Week 3–4Stability(安定性)デッドバグ、バードドッグ、プランク、片脚立位、ウォールスライド/週3回・各45〜60分
Week 5–6Movement(動作統合)ヒップヒンジ、ゴブレットスクワット、スプリットスクワット(左右差矯正)/週3〜4回・各60分
Week 7–8再確認+負荷導入FMS再確認(多くは合計が数点改善)、状況に応じ基本種目の負荷を段階導入/週3〜4回

※「多くは数点改善」は一般的な経過のイメージで、改善幅には個人差があります。前述のとおり、合計点で意味のある改善と言うには2.5点超の変化が目安です。

FMS Level 1 / Level 2と、FMSの限界

FMSの認定は、Functional Movement Systems社が提供する公式プログラムで2段階あります。

レベル学ぶ内容主な対象
Level 17項目+3クリアリングテストの実施・採点、基礎的な解釈トレーナー、コーチ
Level 2結果に基づく矯正(Corrective Strategies)の設計・実施、再確認の方法上級トレーナー、PT、AT

FMSの限界も正直に知っておく

FMSは有用な枠組みですが、万能ではありません。次の限界を理解した上で使うことが大切です。

対象集団で予測力が変わる:プロとジュニア、競技種目によって最適な見方が異なる(前述の追試参照)。
動作パターンのみを見る:心肺機能・最大筋力・スピードなどは別の確認が必要。
項目によって判定の安定度が違う:ハードルステップのように判定者差が出やすい項目がある。
合計点の1点差は誤差の範囲のことも:意味のある変化は2.5点超が目安。
競技特異性は補えない:ゴルファーにはTPI、他競技には別の確認との組み合わせが望ましい。
それでもFMSを使う理由

限界があってもFMSが広く使われるのは、「共通のものさしで、痛みのない人の動きの質を、短時間で・繰り返し確認できる」枠組みだからです。完璧な予測装置としてではなく、「どこから整えるかを決める出発点」として使えば、トレーニングの方向づけに大いに役立ちます。

Disport Worldでの動作確認の特長

最後に、Disport Worldで動作確認を受けるとどう違うのかを、4つの観点で整理します。

特長①|4資格を背景にした一貫サポート

JSPO-AT × TPI Level 2 × NASM-PES × INDIBA PRO MAXの4資格をすべて保有するのは岡本隼人だけ。これにより、確認 → 矯正 → トレーニング → コンディショニングを一貫した考え方でつなげられます。「確認だけ」「矯正だけ」が分断されがちな中で、同じ視点で最後まで伴走できるのが強みです。

JSPO-AT:怪我の確認・予防の知見。クリアリングテストで気になる反応が出た際の医療連携の判断。
TPI Level 2:FMSと共通する動作の考え方を、ゴルファー向けに拡張。
NASM-PES:確認後の矯正プログラム設計を体系的に。
INDIBA PRO MAX:コンディショニングの一助としての温熱ケア。

特長②|少数精鋭の担当制で「再確認の精度」を保つ

FMSは「再確認で進捗を見る」ことが核心です。確認した人と再確認する人が違えば、解釈にぶれが生じます。Disport Worldは少数精鋭の担当制で、同じ担当が継続して関わるため、前回と同じ目線でスコアの変化を見られます。担当が変わらない継続性が、変化を正しく捉えるための土台になります。

特長③|23年・20,000セッション超の解釈力

採点自体は短い講習でも行えますが、「なぜその点なのか」の解釈と、そこからの処方は経験がものを言う領域です。23年・累計20,000セッション超の中で、岡本はトップ選手・著名な方から、ジュニア、運動が久しぶりの方、過去に怪我のある方まで、幅広い層の動作を見てきました。「このパターンには、こう優先順位をつける」という蓄積が、限られた時間を有効に使うことにつながります。

特長④|六本木 鶯ビルB1の完全個室

動作確認には、仰向けやうつ伏せなど普段は人に見られない姿勢も含まれます。Disport Worldは六本木3-15-21 鶯ビル地下1階の完全予約制・個室。落ち着いた空間で、安心して確認を受けられます。

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よくあるご質問

Frequently Asked Questions
FMSとは何ですか?

FMS(Functional Movement Screen)は、Gray CookとLee Burtonが1995年に考案した動作スクリーニングです。7つの基本動作を0〜3点で採点し、21点満点で「動きの質」を可視化します。3つのクリアリングテスト(肩・脊柱伸展・脊柱屈曲の痛み確認)も含みます。痛みや疾患の診断・治療を目的とするものではありません。

FMSのスコアが14点以下だと必ず怪我しますか?

いいえ。Kiesel 2007ではNFL選手46名で14点以下のオッズ比が11.67でしたが、感度は54%です。「14点以下=全員怪我」でも「14点超=絶対安全」でもありません。対象集団により最適な見方は異なるため、絶対値ではなく「どこから整えるかの優先順位」として活用するのが適切です。

FMSの数値はどのくらい信頼できますか?

合計スコアの信頼性は研究でICC 0.76〜0.98(良好〜優秀)とされ、別の人が採点しても近い値になりやすいです。ただし測定誤差があり、合計点で「本当に変わった」と言うには約2.5点超の変化が目安です。また項目ごとに判定の安定度に差があり(ショルダーモビリティは安定、ハードルステップは差が出やすい)、解釈には経験が関わります。

FMSとSFMAの違いは何ですか?

FMSは「痛みのない方」の動きの質を確認するスクリーニング、SFMAは「痛みのある方」を対象としたより専門的な確認の枠組みです。FMSで痛み(0点)が出た方には、医療機関との連携を前提に、SFMA的な丁寧な確認を行います。FMSが入口、SFMAが深掘り、という補完関係です。

クリアリングテストとは何ですか?

3つの「痛みが出ないかを確認するテスト」です。①肩(ショルダーモビリティの後)、②脊柱伸展(プッシュアップの後)、③脊柱屈曲(ロータリースタビリティの後)。痛みが出た場合、その本体テストは0点とし、医療機関での確認をおすすめします。本体テストだけでは拾いにくい症状を確認するための仕組みです。

FMSはどれくらい時間がかかりますか?

7項目+3クリアリングテスト自体は15〜25分程度です。Disport Worldの体験では、確認に加えて問診・動作の確認・結果説明・個別プランのご提案までを90分で行います。確認そのものより、「結果の解釈とプランへの落とし込み」に時間を使うのが特徴です。

何ヶ月ごとに再確認すべきですか?

一般には数週間〜6週間後の再確認が一つの目安です。動作パターンの変化には神経系の適応の時間が必要なためです。Disport Worldでは開始時に現状を確認し、6〜8週間後に再確認して変化を数値で共有します。合計点で意味のある変化と言うには、約2.5点超が目安です。

年齢制限はありますか?

FMSは幅広い年代で実施できますが、対象集団により解釈の目安は異なります。ジュニアでは14点カットオフの予測力が弱いという研究もあり、年齢・成熟度に応じた個別の解釈が必要です。Disport Worldでは、お子さまから60代以上の方まで、年代に合わせた確認と解釈を行います。

体験セッションのご案内

「自分の動きの質を数値で見てみたい」「トレーニングを始める前に、まず身体の状態を確認したい」「過去の怪我の影響が気になる」——そんな方には、Disport Worldの90分の体験セッションがおすすめです。動作確認・分析・個別プランのご提案まで含みます。

体験セッションの内容
問診(生活習慣・運動歴・怪我歴・目標)
FMSの7項目+3クリアリングテスト
採点と結果のご説明(スコアシートをお渡し)
低かった項目の動作の詳しい確認
個別の矯正プラン(数週間〜のイメージ)のご提案
必要に応じて、ゴルファーにはTPIの視点も追加
ご希望に応じてINDIBA PRO MAXのコンディショニング体験
ご自宅でできる優先エクササイズのご案内

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岡本隼人
岡本 隼人
Disport World — Founder & Head Trainer
JSPO-ATTPI Level 2NASM-PESINDIBA PRO MAX

JSPO-AT × TPI Level 2 × NASM-PES × INDIBA PRO MAXの4資格をすべて保有するのは岡本隼人ただ一人。2016年、六本木にDisport Worldを開設。23年・累計20,000セッション超の指導歴で、トップ選手・著名な方から、運動が久しぶりの方、ジュニアまで幅広い層の動作確認とトレーニングを担当してきた。プロフィール →

References
  1. Cook G, Burton L, Hoogenboom BJ, Voight M. Functional movement screening: the use of fundamental movements as an assessment of function. Int J Sports Phys Ther.
  2. Cook G. Movement: Functional Movement Systems—Screening, Assessment, Corrective Strategies. 2010.
  3. Kiesel K, Plisky PJ, Voight ML. Can Serious Injury in Professional Football be Predicted by a Preseason Functional Movement Screen? NAJSPT. 2007;2(3):147-158. PMID:21522210.
  4. Teyhen DS, et al. FMS信頼性(合計点ICC・SEM 0.92・MDC 2.54点)に関する研究。
  5. Smith CA, et al. Interrater and intrarater reliability of the FMS(2時間研修後 ICC 0.87–0.89、項目別: shoulder mobility 0.96–0.98 / hurdle step 0.30–0.35). J Strength Cond Res. 2013.
  6. Schneiders AG, et al. 一般・活動的成人のFMS合計平均(15.7/21、男女差なし)。
  7. FMS injury prediction systematic review. BMJ Open Sport & Exerc Med. 2019(決定的カットオフは存在しない)。

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