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トレーニングウェア姿で並ぶ男女。減らした体重を戻さないための準備は、減らす段階から始められる
Adult Diet / Body

リバウンドはなぜ起きる?
——40〜50代が体重を戻しにくくする条件と、減らす段階からの準備

「頑張って落とした体重が、1年たつと戻っている」。リバウンドは意志の弱さだけでは説明できません。減量後の体は消費を抑え、食欲を強める方向に反応し、そこに生活の戻りが重なると体重は戻りやすくなります。

2026.10.15 読了 約12分

リバウンド原因は、体の側の反応と、生活の側の戻りの2つに分けると整理しやすくなります。減量した人がどのくらい体重を戻しているか、体の中で何が起きているか、40〜50代が戻しにくくするために減らす段階から何を準備するかを、論文と国のガイドをもとにまとめます。

この記事は、六本木の完全個室パーソナルジム Disport World で、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の岡本隼人が、身体を実際に測ってきた経験から書いています。大人のダイエット(会食・お酒・筋力)のページを見る→

この記事でお伝えすること

・米国の29研究をまとめた分析(Anderson ら、2001)では、減量プログラムを終えて5年後の平均は、減量前より3kg超・3%超軽い状態だった。体重を戻す人は多いが、全部が戻るとは限らない
・減量後の体は、安静時の消費エネルギーが体の大きさから予想される値より低くなり(Fothergill ら、2016)、食欲に関わるホルモンと空腹感が1年後も減量前に戻らない(Sumithran ら、2011)
・20〜60歳では、除脂肪量で補正した1日の消費エネルギーはほぼ一定(Pontzer ら、2021)。40〜50代で戻りやすい理由を「年齢で代謝が落ちたから」だけで片づけない
・戻しにくくする条件は、筋肉を残す減らし方、十分な活動量と睡眠、体重を測り続けること、平日と週末で食べ方を大きく変えないこと
・最初にやるのは、今の体重・体組成・活動量・睡眠を測り、維持の期間まで含めて計画を立てること

リバウンドはなぜ起きる?——体の反応と生活の戻りが重なる

リバウンドは、減量後の体が消費を抑えて食欲を強める方向に反応することと、減量中に変えた食事や活動の習慣が元に戻ることが重なって起きる、と考えると整理できます。

体の側の反応は、本人の意志とは関係なく起こります。減量した人の体を調べた研究では、安静時の消費エネルギーが体の大きさから予想される値より低くなっていたり、食欲に関わるホルモンが減量前と違う状態のまま続いていたりすることが報告されています。

一方の生活の側は、「目標の体重に届いたら終わり」と考えたときに起きやすくなります。増やした歩数や控えていた量が少しずつ元に戻り、消費を抑えている体に元の量が入れば、体重は戻る方向に傾きます。だから維持の期間の計画が要ります。40代でなかなか体重が落ちない段階の話は大人のダイエットの「なぜ大人は、痩せにくくなるのか」の節で、女性の場合は40代女性が痩せない原因とダイエットの考え方で書いています。この記事は、その先の「減らした体重をどう保つか」を扱います。

減量した人は、実際どのくらい体重を戻している?

体重を戻す人は多いものの、「ほぼ全員が全部戻る」わけではありません。

研究対象わかったこと
Anderson ら、2001米国で行われた構造化された減量プログラムの29研究(2年以上の追跡)終了から5年後の平均で、減量前より3kg超・体重の3%超軽い状態を維持。運動量の多い群のほうが維持できた体重が大きかったと報告した研究が6つあった
Wing・Phelan、2005過体重の人の長期の体重維持に関する研究の総説体重の10%以上を減らして1年以上保てている人は約20%。2〜5年保てると、その後も保てる見込みが大きく高まる
全米体重管理登録(NWCR)(Wing・Phelan、2005 で紹介)30ポンド(約13.6kg)以上減らし、1年以上保っている人の登録登録者は平均33kg減らし、5年以上保っている。1日1時間ほどの身体活動、体重の自己測定などが共通していた
Fothergill ら、2016米国のテレビ番組の減量競技の参加者14名(30週の競技)競技終了時に平均58.3kg減。6年後には平均41.0kgが戻っていた

表の読み方には注意が要ります。Andersonらの5年後の数字は「平均」で、戻した人もそうでない人も含まれます。全米体重管理登録は、維持に成功した人が自分で登録する記録で、比べる相手を置いた実験ではありません。テレビ番組の研究は14名と少人数で、極端な減量の例です。それでも、①体重は戻る方向に傾きやすい、②それでも維持できている人たちがいて、その人たちには共通する行動がある、という2点は読み取れます。

減量後の体では何が起きている?——消費の低下と食欲の高まり

減量後の体では、消費する側と食べたくなる側の両方が、体重を戻す方向に動くことが報告されています。

消費の側を示したのが、先ほどのテレビ番組の参加者を6年後まで追った研究(Fothergill ら、2016)です。安静時の消費エネルギーは競技終了時に減量前より1日平均610kcal下がり、6年後も減量前より704kcal低いままでした。体組成から予想される値との差(研究者が「代謝の適応」と呼ぶもの)は、6年後で1日平均−499kcalでした。体が小さくなれば消費が減るのは当然ですが、それ以上に下がっている分がある、ということです。ただし対象は14名で、短期間に大きく減らした特殊な例です。

食欲の側では、過体重・肥満の50名が10週間の超低エネルギー食で減量し、その1年後まで調べた研究(Sumithran ら、2011)があります。1年後も、食欲を抑える働きのあるレプチンやペプチドYY、空腹時に増えるグレリンなど、食欲に関わる複数のホルモンが減量前の値に戻っておらず、空腹感も減量前と違う状態のままでした。研究者は、減量後に体重を戻す方向に働く仕組みは、1年たっても減量前の状態に戻らないと結論しています。

つまり、減量後に「前より空腹を感じやすい」「前と同じように食べると戻る」のは、気のせいでも意志の弱さでもない可能性があります。これを前提に、維持の期間の食べ方と動き方を設計するほうが現実的です。

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40〜50代は「代謝が落ちたから」戻りやすいのか?

「年齢で代謝が落ちたから戻る」とは、言い切れません。1日の消費エネルギーを大規模に調べた研究では、20〜60歳の間、体の大きさ(除脂肪量)で補正した消費量はほぼ一定でした。40〜50代で見直したいのは、年齢そのものより、筋肉の量・活動量・睡眠です。

この研究(Pontzer ら、2021)は、29か国の生後8日から95歳までの6,400人を超える人の1日の総消費エネルギーを、二重標識水法という方法で測ったデータを分析したものです。除脂肪量で補正した消費量は、成人期(20〜60歳)にはほぼ一定で、妊娠中も変わりませんでした。ここで大事なのは「補正した値」だという点です。筋肉などの除脂肪量そのものが減れば、1日に使うエネルギーの総量は小さくなりえます(これは補正の考え方からの推測で、この研究が40〜50代のリバウンドを直接調べたわけではありません)。

そして、減量そのものが筋肉を減らすことがあります。減量と筋肉の関係をまとめた総説(Cava ら、2017)は、減量に伴う除脂肪量の減少を問題として挙げ、持久系と筋力系の運動はどちらも減量中の筋肉量を保つのに役立ち、筋力系の運動は筋力も高めること、たんぱく質を多めにとると除脂肪量は保たれやすいが筋力は高まらず、とり過ぎには代謝への悪影響の可能性もあるため、適量をすすめていることを整理しています。40〜50代の体の変化の全体像は40代からの体づくり戦略にまとめています。

体重を戻しやすくする5つの条件は?

研究で関連が報告されていることを並べると、戻しやすくする条件は次の5つに整理できます。どれも「これが原因」と断定できるものではなく、重なるほど戻る方向に傾きやすい、という見方で読んでください。

①

減らす計画だけで、維持の計画がない

目標体重に届いた時点で、食事も運動も元に戻すと、消費を抑えている体に元の量が入ります。全米体重管理登録の人たちは、減らしたあとも同じ行動を続けていました。

②

筋肉を減らす減らし方をしている

食事だけを減らして運動をしないと、減った体重に筋肉が多く含まれやすくなります。総説(Cava ら、2017)は、減量中に運動、とくに筋力系の運動を組み合わせることをすすめています。

③

活動量が少ない

米国スポーツ医学会(ACSM)の見解(Donnelly ら、2009)は、観察研究から、減量後の体重維持には週250分を超える身体活動が関連するとしています(ランダム化比較試験での裏づけはまだないとも述べています)。Andersonらの分析でも、運動量の多い群のほうが維持できた体重が大きいとする研究が6つありました。

④

睡眠が短い

過体重の10名が2週間の食事制限を、寝る時間8.5時間と5.5時間の2条件で行った研究(Nedeltcheva ら、2010)では、5.5時間のときは減った脂肪が1.4kgから0.6kgに少なくなり、除脂肪量の減少は1.5kgから2.4kgに増えていました。

⑤

体重を測らなくなる・週末だけ食べ方が変わる

全米体重管理登録の人たちは、体重を自分で測り続け、平日と週末で食べ方を大きく変えていませんでした。測らなくなると、戻り始めに気づくのが遅れます。会食が多い方の食べ方は血糖値を意識した食事の考え方も参考にしてください。

体重を維持できている人は何をしている?

維持に成功した人たちの記録で共通していたのは、よく動くこと、体重を測ること、食べ方の型を崩しすぎないことでした。

全米体重管理登録の人たちが報告していた行動は、1日1時間ほどの身体活動、エネルギーと脂質を控えた食事、朝食を習慣的にとること、体重の自己測定、平日と週末で一貫した食べ方、の5つです(Wing・Phelan、2005)。ただし、これは成功した人の行動の記録で、同じことをすれば同じ結果になると示したものではありません。日本の目安としては、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が成人に歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)、筋力トレーニングを週2〜3日すすめ、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」が成人の睡眠時間を6時間以上を目安としています。

①

減らす前に測る

体重だけでなく、体組成(筋肉と体脂肪)、1日の歩数、睡眠時間を記録します。どこから変えるかは、測った結果で決めます。

②

減らす期間に筋トレを入れる

筋力トレーニングを週2〜3日。頻度の考え方は週2回と週4回、どちらが効果的?で書いています。

③

維持の期間を最初から予定に入れる

目標体重に届いたあとも、測る・動く・食べ方の型は続けます。体重が決めた幅を超えたら、早めに見直します。

Caution

活動量を増やすときは、急に大きく増やさず、少しずつ上げてください。運動中に胸の痛み、動悸、めまい、冷や汗、関節の強い痛みなどが出たら中止し、痛みをこらえて続けないでください。短期間で大きく減らすための極端な食事制限は、自己判断で行わないでください。

現場で見えていること

私たちは、最初にこれまでの体重の変化や生活のリズム、これからどうなりたいかを伺い、動き・可動域・筋力を測ってからプログラムを組みます。体組成計(InBody)があり、体験の中でも体組成を測れます。体重だけでなく、筋肉量と体脂肪を分けて変化を確かめられるので、「体重は減ったが筋肉も減っていた」という減り方に気づきやすくなります。

食事のサポートは料金に含まれます。初回に食事の基本をお話しし、その後はLINEなどで必要なときに相談できます。特定の制限法を前提にせず、目標に応じて話しながら、最終的にはご自身で調整できるようになることを目指しています。リバウンドの話でいえば、維持の期間に自分で食べ方を調整できることが、減らす期間と同じくらい大切だと考えているからです。

※本記事は一般的な情報で、医学的な診断ではありません。食事や活動量を変えていないのに体重が急に増えた・減った、むくみが続く、強いだるさや息切れがある場合は、自己判断で減量を続けず、内科を受診してください。健診で血圧・血糖・脂質などの異常を指摘された方、糖尿病・高血圧・心臓病などで治療中の方、薬を飲んでいる方は、食事制限や運動を始める前に、医師に可否と強さを確認してください。食べることへの強い不安や、食べては戻す・食べるのを止められないといった状態が続く場合は、医療機関に相談してください。

よくある質問

リバウンドの原因は何ですか?

減量後の体が消費を抑え食欲を強める方向に反応することと、減量中の食事や活動の習慣が元に戻ることが重なるためと考えられます。減量後に安静時の消費エネルギーが予想より低くなることや、食欲に関わるホルモンと空腹感が1年後も減量前に戻らないことが報告されています。

ダイエットした人はほとんどリバウンドするのですか?

戻す人は多いものの、全員が全部戻るわけではありません。米国の29研究をまとめた分析では、減量プログラム終了から5年後の平均で、減量前より3kg超・体重の3%超軽い状態でした。過体重の人のうち、体重の10%以上を減らして1年以上保てている人は約20%とする総説もあります。

40代・50代は年齢のせいで代謝が落ちてリバウンドしやすいのですか?

年齢だけが理由とは言いにくいです。6,400人を超える人を調べた研究では、除脂肪量で補正した1日の消費エネルギーは20〜60歳でほぼ一定でした。見直したいのは、減量で筋肉を減らしていないか、活動量と睡眠が足りているかです。

リバウンドを防ぐには運動をどのくらいすればいいですか?

米国スポーツ医学会は、観察研究から、減量後の体重維持には週250分を超える身体活動が関連するとしています。厚生労働省のガイドは成人に1日60分以上の歩行相当の活動と、週2〜3日の筋力トレーニングをすすめています。急に増やさず、少しずつ上げてください。

睡眠不足はリバウンドに関係しますか?

関係する可能性があります。食事制限中に寝る時間を5.5時間にした条件では、8.5時間の条件より減った脂肪が少なく、除脂肪量の減少が多かったという研究があります(10名・2週間の小規模な研究で、減量中の体組成を調べたもの。リバウンドそのものは調べていません)。厚生労働省のガイドは成人に6時間以上の睡眠を目安としています。

体験のご案内

リバウンドを繰り返してきた方ほど、最初の一歩は減らすことではなく、今の体を測ることです。体重・体組成・動きを確かめてから、減らす期間と保つ期間の計画を立てます。減量中に筋力トレーニングを入れる理由は大人のダイエットの「なぜ筋力トレーニングをするのか」の節に、私たちの食事サポートは同じページの「食事は、どうサポートするのか」の節に、会食やお酒が多い方の続け方は「会食やお酒が多くても、続けられる?」の節にまとめています。体験の流れは体験トレーニングのページ、料金は料金ページで確かめられます。

First Trial

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体験は基本的に代表の岡本隼人(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)が担当します。これまでの体重の変化と、これからどうなりたいかを伺い、動き・可動域・筋力を確かめてからトレーニングを行い、結果はその場で全て開示します。体験の中でも体組成計(InBody)で体組成を測れます。体験後に入会を決めていただく必要はなく、無理な勧誘はいたしません。

¥15,000¥7,50090分・税込・毎月先着3名

先着枠は毎月1日起算、定員後は通常¥15,000です。

完全個室 | 六本木駅5番出口徒歩4分 | 体験の流れを見る

主な参考(タップで開く)
  1. Anderson JW, Konz EC, Frederich RC, Wood CL. Long-term weight-loss maintenance: a meta-analysis of US studies. Am J Clin Nutr. 2001;74(5):579-584.(米国の29研究、2年以上の追跡)
  2. Wing RR, Phelan S. Long-term weight loss maintenance. Am J Clin Nutr. 2005;82(1 Suppl):222S-225S.(全米体重管理登録の報告を含む総説)
  3. Fothergill E, Guo J, Howard L, et al. Persistent metabolic adaptation 6 years after "The Biggest Loser" competition. Obesity (Silver Spring). 2016;24(8):1612-1619.(参加者14名、6年後の追跡)
  4. Sumithran P, Prendergast LA, Delbridge E, et al. Long-term persistence of hormonal adaptations to weight loss. N Engl J Med. 2011;365(17):1597-1604.(過体重・肥満の50名、10週間の減量と1年後)
  5. Pontzer H, Yamada Y, Sagayama H, et al. Daily energy expenditure through the human life course. Science. 2021;373(6556):808-812.(29か国・6,400人超、二重標識水法)
  6. Cava E, Yeat NC, Mittendorfer B. Preserving healthy muscle during weight loss. Adv Nutr. 2017;8(3):511-519.(総説)
  7. Donnelly JE, Blair SN, Jakicic JM, et al. American College of Sports Medicine Position Stand. Appropriate physical activity intervention strategies for weight loss and prevention of weight regain for adults. Med Sci Sports Exerc. 2009;41(2):459-471.
  8. Nedeltcheva AV, Kilkus JM, Imperial J, et al. Insufficient sleep undermines dietary efforts to reduce adiposity. Ann Intern Med. 2010;153(7):435-441.(過体重の成人10名、14日間×2条件の交差試験)
  9. 厚生労働省.健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(2024年1月).推奨事項(成人).
  10. 厚生労働省.健康づくりのための睡眠ガイド2023.成人の推奨事項.
岡本隼人
岡本 隼人
Disport World 代表トレーナー
JSPO-AT TPI Certified NASM-PES FMS SFMA

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)。TPIのFitness 2/Power 2プログラムを修了・認定(TPI Certified Fitness 2 / Power 2)。NASM-PES。FMS(2015年認定)・SFMA(2016年認定)。INDIBA®ベーシックコース修了(INDIBA Japan)。2002年から指導、のべ指導実績40,000人以上。自身のゴルフはヘッドスピード54m/s・ボール初速78m/s(FlightScope計測・自己最速)。2022年から世田谷区の少年野球チーム「船橋フェニックス」で学年チームの監督を務め、2026年は6年生チームで全日本学童軟式野球大会(マクドナルド・トーナメント)第3位。Disport World(六本木3-15-21 鶯ビルB1)代表。