合計点なので、どこが落ちているかまでは分かりません。判定のしかた、自分でできる確認、分かること・分からないことを公的資料で整理し、40〜50代が最初に見るべき項目を挙げます。
この記事は、六本木の完全個室パーソナルジム Disport World で、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の岡本隼人が、身体を実際に測ってきた経験から書いています。体験トレーニング(90分)の流れを見る→
・体力年齢は、新体力テストの合計点(20〜64歳は6項目・60点満点)を判定基準表に当てはめた5歳刻みの年齢の帯。40〜44歳は36〜37点、50〜54歳は30〜32点
・合計点なので、どの力が落ちているか、バランス、痛みの原因、検査値は分からない
・令和6年度の全国平均では、40〜44歳の合計点(男性34.83点・女性33.76点)は体力年齢45〜49歳の範囲。同年代との比較は総合評価(A〜E)で見る
・最初に見るのは全身持久力と握力。50〜54歳の20mシャトルランの平均は20〜24歳の6割弱、握力はほぼ同じ
体力年齢とは?——新体力テストの合計点を年齢に置き換えたもの
体力年齢は、新体力テストの合計点がどの年齢の帯にあたるかを示す目安です。20〜64歳のテストなら6項目の合計点(60点満点)を「体力年齢判定基準表」に当てはめ、「45歳〜49歳」のように5歳刻みで判定します。病気のなりやすさや寿命を予測する数字ではありません。
新体力テストは、国の体力・運動能力調査(昭和39年から毎年実施、現在はスポーツ庁)で使われているテストで、実施要項は6〜11歳・12〜19歳・20〜64歳・65〜79歳の4つです。手順は「項目別得点表で採点→合計して総合評価→体力年齢判定基準表で判定」。判定基準表は男女共通で、男女別なのは記録を点数にする得点表のほうです。体力年齢は「動く力」の目安で、検査値の話は健康診断A判定でも安心できない理由にまとめています。
新体力テスト(20〜64歳)は何を測る?——6項目と測り方
握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、急歩か20mシャトルラン(どちらかを選ぶ)、立ち幅とびの6項目です。スポーツ庁の報告書は、それぞれを筋力、筋力・筋持久力、柔軟性、敏捷性、全身持久力、筋パワー及び跳能力のテストとしています。記録は男女別の得点表で、1項目1〜10点になります。
| 項目 | 測る体力 | 測り方の要点(実施要項) | 5点になる記録(男性/女性) |
|---|---|---|---|
| 握力 | 筋力 | 左右交互に2回ずつ握り、左右それぞれのよい方を平均 | 44〜46kg/26〜28kg |
| 上体起こし | 筋力・筋持久力 | 膝90度、補助者が膝を固定。30秒間に両肘が太ももにつくまで起きた回数 | 18〜20回/12〜14回 |
| 長座体前屈 | 柔軟性 | 壁に背と尻をつけて長座し、膝を曲げずに箱を前へ滑らせた距離 | 38〜42cm/40〜43cm |
| 反復横とび | 敏捷性 | 100cm間隔の3本の線を20秒間サイドステップ。線を越すか踏むごとに1点 | 41〜44点/36〜39点 |
| 急歩/20mシャトルラン | 全身持久力 | 急歩は男性1500m・女性1000mを歩く時間。シャトルランは電子音に合わせた20m往復の回数 | 急歩12分12秒〜12分56秒/9分00秒〜9分27秒、シャトルラン32〜42回/19〜24回 |
| 立ち幅とび | 筋パワー及び跳能力 | 両足で踏み切り、踏み切り線から着地の最も近い位置までの距離 | 195〜209cm/143〜157cm |
5点は10段階のほぼ真ん中です。急歩とシャトルランはテストの最後に行い、シャトルランの回数からは要項の推定表で最大酸素摂取量も推定できます。
体力年齢はどう判定する?——得点表・合計点・判定基準表
記録を男女別の得点表で1〜10点にし、6項目を合計して判定基準表に当てはめます。40〜44歳は36〜37点、45〜49歳は33〜35点、50〜54歳は30〜32点、55〜59歳は27〜29点です。
記録を点数にする
男女別の項目別得点表で、各項目を1〜10点にします。男性の握力なら62kg以上が10点、31kg以下が1点です。
6項目を合計する
60点満点です。同じ合計点で、年代別の総合評価(A〜E)も決まります。
判定基準表に当てはめる
合計点が入る年齢の帯が体力年齢です。20歳〜24歳(46点以上)から75歳〜79歳(19点以下)まであります。
| 年代 | 体力年齢がこの年代になる合計点 | 総合評価A | B | C | D | E |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 40〜44歳 | 36〜37点 | 46以上 | 39〜45 | 33〜38 | 26〜32 | 25以下 |
| 45〜49歳 | 33〜35点 | 43以上 | 37〜42 | 30〜36 | 23〜29 | 22以下 |
| 50〜54歳 | 30〜32点 | 40以上 | 33〜39 | 27〜32 | 21〜26 | 20以下 |
| 55〜59歳 | 27〜29点 | 37以上 | 30〜36 | 24〜29 | 18〜23 | 17以下 |
例として、令和6年度の全国調査の45〜49歳男性の平均値(握力45.10kg、上体起こし22.79回、長座体前屈39.00cm、反復横とび46.84点、シャトルラン45.99回、立ち幅とび196.27cm)を当てはめると、5・6・5・6・6・5点で合計33点。体力年齢は45〜49歳、総合評価はCです。
ただし、判定基準表の帯は、今の同年代の平均点と一致するとは限りません。同じ調査で40〜44歳の合計点の平均は男性34.83点・女性33.76点で、どちらも45〜49歳の範囲です。40代前半で体力年齢が45〜49歳と出ても全国平均並みということで、同年代との比較は総合評価で見ます。
カウンセリング・身体評価・トレーニングを90分で体験し、評価結果はその場で全て開示します。体験後にその場で入会を決めていただく必要はありません。
LINEで体験を予約する体力年齢は自分で測れる?——そろう項目から点数にする
6項目がそろわなければ体力年齢は出せません。自宅でできる項目は、記録を得点表で点数にして項目ごとに見ます。握力計や20mの直線、専用の音源が要る項目は、道具のある施設で測ります。
長座体前屈(箱で作れる)
高さ約24cmの箱(A4コピー用紙の箱など)2個を約40cm離して置き、段ボール厚紙をのせて固定します(床から上面まで25cm)。壁に背と尻をつけて長座し、膝を伸ばしたまま箱を前へ滑らせた距離を測ります。2回のよい方をとります。
上体起こし(補助者と)
仰向けで膝を90度に曲げ、腕は胸の前で組みます。補助者が膝を押さえ、30秒間に両肘が太ももにつくまで起きた回数を数えます。要項は、腰痛の自覚症状がある人には行わないとしています。
立ち幅とび(ずれないマットで)
壁につけて固定した滑りにくいマットの手前に線を引き、つま先をそろえて両足で踏み切ります。線から着地の最も近い点までを測り、2回のよい方をとります。
全身持久力の手がかり
特定健診の質問票にある「ほぼ同じ年齢の同性と比較して歩く速度が速い」に、はい・いいえで答えます。厚生労働省のガイドは、歩く速度の質問を全身持久力の簡便な評価として紹介しています。
道具なしで今の身体をひととおり確かめるなら、当店の無料の身体年齢セルフチェックもあります。質問5つと、道具のいらない動きのテスト5つ(壁スクワット、目を閉じた片足立ち、30秒椅子立ち上がりなど)に答える3分ほどのオンラインチェックで、結果は30点満点のスコアで出ます。新体力テストとは別の方法で、結果は目安です。
実施要項は、医師から運動を禁止・制限されている人や、当日に発熱・倦怠感がある人には行わないとしています。40歳以上は、測る前に自覚症状を確かめ、血圧と心拍数を測ることになっています(胸の痛みなどはとくに注意深く)。跳ぶ・横に動く項目の前は足首・アキレス腱・膝の柔軟運動を十分に行い、自宅では滑る床や狭い場所で行わないでください。
体力年齢で分かること・分からないことは?
分かるのは、6項目の体力を合わせた「今の体力の総量」が、年齢の物差しのどこにあるかです。どの力が落ちているか、左右差やバランス、関節ごとの可動域、痛みの原因、検査値は分かりません。
| 知りたいこと | 体力年齢で分かるか | 代わりに見るもの |
|---|---|---|
| 同年代の中での位置 | 分からない | 総合評価(A〜E) |
| どの力が落ちているか | 合計点に埋もれる | 項目ごとの得点(1〜10点) |
| 左右差 | 分からない(握力は左右のよい方の平均) | 左右の記録を分けて見る |
| バランス | 20〜64歳の項目にない | 片足立ちなど(65〜79歳のテストには開眼片足立ちがある) |
| 関節ごとの可動域・動きのくせ | ほぼ分からない(柔軟性は長座体前屈だけ) | 可動域や動作の評価 |
| 血圧・血糖・脂質などの値 | 分からない | 健康診断 |
| 痛みの原因・病気 | 分からない(診断ではない) | 医療機関 |
もう1つの限界は刻みの粗さです。1項目10段階で、男性の握力は62kg以上ならすべて10点になります。握力10点・全身持久力2点の人と、どちらも6点の人は合計が同じ12点です。体力年齢は、同じ方法で年1回ほど測り、項目ごとの変化を追う物差しに向いています。
40〜50代が最初に見るべき項目は?——全身持久力と握力
最初に見るのは全身持久力(急歩か20mシャトルラン)と握力です。20mシャトルランは若い年代との差がいちばん大きく出る項目で、握力は30〜40歳代がピークのため、40〜50代で同年代の平均より大きく低ければ、年齢のせいとは言いにくい弱点です。どちらも、低さと死亡リスクとの関連が報告されています。
| 項目 | 男性 20〜24歳→50〜54歳 | 女性 20〜24歳→50〜54歳 |
|---|---|---|
| 握力 | 44.68→44.39kg(99.4%) | 27.22→27.09kg(99.5%) |
| 上体起こし | 28.62→21.70回(75.8%) | 21.18→14.50回(68.5%) |
| 長座体前屈 | 44.94→38.33cm(85.3%) | 45.59→41.59cm(91.2%) |
| 反復横とび | 55.43→45.65点(82.4%) | 46.29→39.47点(85.3%) |
| 20mシャトルラン | 71.30→40.62回(57.0%) | 38.16→22.15回(58.0%) |
| 急歩(短いほど速い) | 702.20→729.39秒 | 532.51→547.71秒 |
| 立ち幅とび | 226.35→192.20cm(84.9%) | 167.66→140.23cm(83.6%) |
( )は20〜24歳を100とした値。年代ごとに別の人を測った結果で、急歩とシャトルランは選んだ人だけの平均です。急歩の差は数%ですが、厚生労働省が日本人の研究23本を統合して推定した最高酸素摂取量でも、50歳代は20歳代の7割台です(男性31.7対43.2、女性25.6対33.6mL/kg/分)。
全身持久力は、33研究のメタ解析(総死亡の解析102,980人)で、1メッツ高いごとに総死亡の相対リスクが0.87でした(Kodama ら、2009)。握力は、17か国の35〜70歳139,691人の研究で、5kg低いごとに総死亡のハザード比が1.16、収縮期血圧より強い予測因子でした(Leong ら、2015)。どちらも関連を示したもので、鍛えれば死亡が減ると確かめたものではありません。
厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023は、全身持久力の基準を男性40歳代10.0・50歳代9.0メッツ、女性40歳代7.5・50歳代7.0メッツとし、この強さの運動を約3分続けられれば基準を満たすと考えられるとしています。メッツを3.5倍した最高酸素摂取量の基準値は、男性35.0・31.5、女性26.25・24.5mL/kg/分です。手当ての土台は同じガイドの推奨で、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日です。組み立ては40代からの体づくり戦略にまとめています。
現場で見えていること
「体力が落ちた」と相談に来られる40〜50代の方がまず挙げるのは、階段での息切れや夕方まで持たない疲れといった、全身持久力の側の変化であることが多いと感じます。一方で、握力や脚の筋力はそれほど落ちていない方も少なくありません。合計点では、この「落ちている力」と「保たれている力」が打ち消し合い、どこから手をつけるかが見えにくくなります。
当店の体験では、カウンセリング(20分)で目的と生活を伺い、身体機能チェック(15分)で目的に応じた主要項目を確認して、その場でご説明します(書面のお渡しはありません)。体力年齢を測ったら、合計点より項目ごとの点数を見て、同じ方法で1年後にもう一度測ることをすすめています。
よくある質問
体力年齢はどうやって計算するのですか?
新体力テスト(20〜64歳は6項目)の記録を男女別の得点表で1〜10点にし、合計点(60点満点)を体力年齢判定基準表に当てはめます。36〜37点なら40〜44歳、33〜35点なら45〜49歳、30〜32点なら50〜54歳です。
体力年齢が実年齢より高く出たら、体力が低いのですか?
それだけでは言えません。令和6年度の全国調査で、40〜44歳の合計点の平均は男性34.83点・女性33.76点で、判定基準表では45〜49歳の範囲です。同年代との比較は総合評価(A〜E)で確かめてください。
体力年齢は自宅で測れますか?
6項目すべては難しく、握力計や20mの直線が要る項目があります。長座体前屈は箱と段ボールで作れ、上体起こしは補助者がいれば測れるので、そろう項目を得点表で点数にして見るのが現実的です。
身体年齢セルフチェックと体力年齢は同じですか?
違います。体力年齢は新体力テストの合計点から判定します。当店の身体年齢セルフチェックは、質問5つと動きのテスト5つを30点満点のスコアで示す別の方法で、結果は目安です。
40代・50代はどの項目を優先して見ればいいですか?
全身持久力と握力です。全身持久力は1メッツ高いごとに総死亡の相対リスクが0.87(33研究のメタ解析)、握力は5kg低いごとに総死亡のハザード比が1.16(35〜70歳の139,691人)と報告されています。いずれも関連を示したもので、因果を確かめたものではありません。
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主な参考(タップで開く)
- スポーツ庁.新体力テスト実施要項(20歳〜64歳対象).項目別得点表・総合評価基準表・体力年齢判定基準表・実施上の一般的注意・健康状態のチェック・20mシャトルラン最大酸素摂取量推定表(平成12年3月改訂)(2026年9月閲覧)。
- スポーツ庁.令和6年度体力・運動能力調査報告書(調査結果の概要、統計数値表 表1-1〜1-5).2025年10月公表.(成年は標本33,840人・回収19,447人。年代・男女別の人数は各表に記載)
- スポーツ庁.令和6年度体力・運動能力調査の結果を公表します(報道発表).2025年10月。
- スポーツ庁.令和2年度体力・運動能力調査報告書(各テスト項目が測る体力:急歩=全身持久力ほか).2021年9月。
- 厚生労働省.健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(成人版の推奨事項、INFORMATION 6「全身持久力(最高酸素摂取量)について」:日本人を対象とした原著論文23本・男性54,611人・女性24,100人の統合).2024年1月。
- 厚生労働省.標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)第2編別紙3 標準的な質問票(質問12)。
- 総務省消防庁.救急車を上手に使いましょう〜救急車 必要なのはどんなとき?〜(ためらわず救急車を呼んでほしい症状・おとな).2025年12月。
- Kodama S, Saito K, Tanaka S, et al. Cardiorespiratory fitness as a quantitative predictor of all-cause mortality and cardiovascular events in healthy men and women: a meta-analysis. JAMA. 2009;301(19):2024-2035.(33研究・総死亡の解析102,980人)
- Leong DP, Teo KK, Rangarajan S, et al. Prognostic value of grip strength: findings from the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study. Lancet. 2015;386(9990):266-273.(17か国・35〜70歳・139,691人)


