週の運動を1〜2日にまとめる「週末戦士(weekend warrior)」を追った大規模な研究では、運動が少ない人より死亡や心臓・血管の病気のリスクが低く、同じ運動量なら毎日に分けた人と大きな差は見られませんでした。ただし観察研究で、因果までは言えません。週末にまとめるなら「週の合計量」「筋トレの日数」「急に強度を上げないこと」の3つを押さえ、平日は短い上乗せで補います。
この記事は、六本木の完全個室パーソナルジム Disport World で、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の岡本隼人が、身体を実際に測ってきた経験から書いています。扱うのは医療の判断ではなく、忙しい人の運動の組み方の側です。体験トレーニング(90分)の流れ→
・週の運動を1〜2日にまとめる人は、運動が少ない人より死亡や心血管の病気のリスクが低かった(英国約6.4万人・約9万人の研究。米国は有意差なし)
・米国約35万人の研究では、週の運動の合計量をそろえると、週末型と毎日型に死亡率の有意な差はなかった。ただしいずれも観察研究で、因果は言えない
・目安はWHOが週150〜300分の中強度の運動と週2日以上の筋トレ、厚生労働省が息が弾む運動を週60分以上と筋トレ週2〜3日。土日の2日で筋トレの日数は満たせる
・週末にまとめる人の落とし穴は、平日の座りっぱなしと、急に強度を上げること。まず今の身体を測って、週末に何をどれだけやるかを決める
週末だけの運動に意味はある?
あります。週の運動を土日などの1〜2日にまとめる人は、運動が少ない人と比べて、死亡や心臓・血管の病気のリスクが低いことが、複数の大規模な研究で報告されています。「毎日やれないなら意味がない」と考えて何もしないより、週末にまとめてでも動くほうがよい、というのが今の研究の方向です。
英語では、平日は動けず週末にまとめて運動する人を「週末戦士(weekend warrior)」と呼びます。研究での定義は「推奨される運動量(中強度で週150分以上など)を、週1〜2回の運動で満たしている人」です。この記事で「週末型」と書くときも、この意味で使います。
ただし、これらは実験ではなく観察研究です。この記事では、分かったことと分かっていないことを分けたうえで、平日に時間がない人の組み方を考えます。週に何回ジムに通うかの比較は週2回と週4回の頻度の記事で扱いました。ここでは「週1〜2日しか取れない」前提で話を進めます。
週末にまとめて運動する人は、研究でどうだったのか?
3つの研究のうち英国の2つでは、週末型の人は、運動が少ない人より死亡や心血管の病気のリスクが低く、毎日に分けて運動する人と近い値でした。対象の国、人数、運動の測り方がそれぞれ違うので、数字は下の表で並べます。
| 研究 | 対象 | 運動の測り方 | 運動が少ない人と比べた週末型のリスク |
|---|---|---|---|
| O'Donovan ら、2017 | イングランド・スコットランドの健康調査。40歳以上63,591名 | 本人の申告(余暇の運動) | 全死亡0.70倍、心血管疾患による死亡0.60倍。がんによる死亡は0.82倍だが統計的に有意でない |
| dos Santos ら、2022 | 米国の国民健康調査。350,978名、追跡の中央値10.4年 | 本人の申告(余暇の運動) | 全死亡0.92倍で、統計的に有意でない。週の運動量をそろえると、毎日型との差も有意でない |
| Khurshid ら、2023 | 英国のUKバイオバンク。89,573名(平均62歳) | 手首につける加速度計で1週間実測 | 心房細動0.78倍、心筋梗塞0.73倍、心不全0.62倍、脳卒中0.79倍(毎日型も同程度に低い) |
英国の研究(O'Donovan ら)では、毎日型に当たる「週3回以上で推奨量を満たす人」の全死亡は0.65倍で、週末型の0.70倍と大きく違いませんでした。推奨量に届かなくても週1〜2回運動している人も0.66倍でした。米国の研究(dos Santos ら)では、毎日型は0.85倍と有意に低く、週末型の0.92倍は有意ではありませんでした。ただ、週の運動の合計量をそろえて週末型と毎日型を直接比べると、全死亡で1.08倍(有意差なし)で、著者らは「推奨量を満たしていれば、週に分けても数日にまとめても、同じ恩恵がありうる」と結論しています。
3つ目の研究(Khurshid ら)は加速度計で実際の活動を測りました。中強度以上の活動が週150分以上で、その半分以上を1〜2日で行った人を週末型とすると全体の42.2%が当てはまり、4つの病気のいずれも毎日型と同じくらいリスクが低いという結果でした。
研究の数字はどう読めばいい?
「週末型でもよい」と受け取るのは妥当ですが、「週末にまとめたから病気が減った」とまでは言えません。3つとも観察研究で、運動の習慣とその後の経過に関連があることを示したものです。健康な人ほど運動しやすい、という逆向きの関係も完全には取り除けません。
ほかにも注意点があります。比べている相手は運動が少ない人(米国と加速度計の研究は推奨量未満の人全体)で、週末型が毎日型より優れているという結果ではありません。2つの研究は本人の申告にもとづき、加速度計の研究は平均62歳の英国の人たちの1週間の測定です。30〜40代の働く人に数字をそのまま当てはめることはできません。また、週末型の定義は「推奨量を満たしている人」で、週末に30分散歩する人の話ではありません。
言えるのは、「平日に時間が取れないから運動をあきらめる必要はない」ということです。そして、どの研究でも鍵は「週の合計量」でした。
平日の働き方と、週末に使える時間を伺い、姿勢・可動域・動作を確認してから、その日のトレーニングを組みます。評価結果はその場で全て開示します。体験後にその場で入会を決めていただく必要はありません。
LINEで体験を予約する週にどれくらい動けばいいのか?
目安は、WHOが「中強度の運動を週150〜300分、または高強度を週75〜150分」と「筋トレを週2日以上」、厚生労働省が「息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上」と「筋トレを週2〜3日」です。どちらも週単位の目安なので、週末にまとめても数え方は同じです。
中強度は早歩きのように少し息が弾む程度の活動です。厚生労働省のガイドは活動の強さを「メッツ」(安静時の何倍のエネルギーを使うか)で表し、歩行を3メッツとしています。
| 項目 | WHO(2020年ガイドライン・18〜64歳) | 厚生労働省(身体活動・運動ガイド2023・成人) |
|---|---|---|
| 有酸素の運動 | 中強度で週150〜300分、または高強度で週75〜150分(組み合わせも可) | 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上(週4メッツ・時以上) |
| 日常の活動を含めた量 | 数字の上限なし。多いほどよく、少しでもしないよりよい | 歩行と同等以上の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当。週23メッツ・時以上) |
| 筋トレ | 主な筋群を使う中強度以上の筋トレを週2日以上 | 週2〜3日 |
| 座りっぱなし | 座る時間を減らし、身体活動に置き換える | 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する |
| 1回の長さ | どんな長さの活動も数えてよい(2010年版の「10分以上続けて」の条件は削除) | 今より少しでも多く。1日10分増やすことで、生活習慣病の発症や死亡のリスクが約3%下がると推測 |
週末型の人にとって大事なのは、最後の行です。WHOは2020年の改訂で「10分以上続けた活動だけを数える」という条件を外しました。つまり、平日の駅の階段や、昼休みの早歩きも、週の合計に入ります。週末に中強度の運動を土日で各60分、平日に1日10分ずつ早歩きを足せば週170分で、WHOの目安に入ります。
筋トレも週末だけでいいのか?
筋トレは、土曜と日曜の2日に分ければ、WHOの「週2日以上」と厚生労働省の「週2〜3日」の日数を満たせます。筋肉を大きくする効果についての研究でも、週の総量が同じなら、週に何回に分けるかで大きな差はないという結論が出ています。
Schoenfeld らのメタ解析(2019年、25研究)は、週の総量をそろえた比較では、同じ筋肉を週1回鍛えても週3回以上鍛えても、筋肥大に有意な差はなかったと報告しています。一方、総量をそろえていない研究では、回数が多いほうがやや有利でした(その差は小さいものでした)。同じグループの別のメタ解析(2017年、15研究)では、週のセット数が多いほど筋肉が大きくなる、量と効果の比例関係が見られました。
まとめると、筋トレでも「日数」より「週の総量」が効いていそうです。ただ、1日に詰め込めるセット数には限りがあります。土曜に全身を一度に鍛えて疲れ切るより、土日に分けて全身を2回鍛えるほうが、1回あたりの負担を抑えて量を確保しやすい、というのが現場での実感です(これは研究の結論ではなく、トレーナーとしての考え方です)。週2回通っても身体が変わらないときの原因はジムに通っても変わらない原因の記事で整理しました。
土曜:筋トレ+有酸素
ウォームアップのあと、脚・背中・胸など大きな筋群を中心に全身の筋トレ。最後に早歩きやジョギングなど少し息が弾む運動を加え、5〜10分のクールダウンで終えます。
日曜:有酸素+軽めの筋トレ
前日の疲れを見て強度を決めます。長めの有酸素運動と、土曜より軽めの全身の筋トレ。日常生活に響くほどの疲れが残っていれば、量を減らします。
平日:短い上乗せ
通勤で一駅歩く、階段を使う、昼休みに10分早歩きする。WHOの目安では短い活動も週の合計に数えます。長い会議の合間に立つことも、座りっぱなしを減らす一歩です。
週末にまとめるとき、ケガと体調で気をつけることは?
一番の注意は、平日に動いていない状態から、週末に急に強度や量を上げることです。週末型そのもののケガのリスクを確かめた研究は、今回当たった範囲では見つけられませんでしたが、厚生労働省のガイドは、運動前の体調確認、ウォームアップとクールダウン、翌日の疲れで量を調整することを挙げています。
厚生労働省の『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』は、ある程度の強度の運動の前にウォームアップ(目的の1つは運動中のケガや内科的な事故の予防)、運動後に5〜10分ほどのクールダウンを勧めています。また、運動の翌日の日常生活に支障が出るほどの疲れが残るなら、強度や量が多すぎるとしています。筋トレについては、日常生活以上の負荷から始めて少しずつ負荷を上げていくこと、筋肉を休める日をとることを挙げています。
平日に動いていないぶん、週末は「取り返そう」と量を増やしがちです。1回で週の合計を稼ごうとせず、土日に分け、平日の上乗せと合わせて週の量を作るほうが負担は小さくなります。二日酔いや睡眠不足の週末は、量を減らすか休む判断も組み方の一部です。
運動の前に、熱がある、体がだるい、睡眠不足や二日酔いで体調が悪い、足腰の痛みが強い、胸が痛い、少し動いただけで息切れや動悸がするなどの状態なら、その日の運動は控えてください。運動中に関節や筋肉に強い痛みが出たら、すぐに中止してください。痛みを我慢して続けることはすすめません。治療中の方は、運動を始める前に主治医に相談してください。
・胸の痛み、胸が締めつけられる感じ
・動悸、脈の乱れ
・めまい、ふらつき、冷や汗
・いつもと違う強い疲れや息苦しさ
・関節や筋肉の強い痛み、腫れ
胸の痛みや強い息苦しさが続く、意識が遠のく、片側の手足に力が入らない、ろれつが回らないといった場合は、迷わず119番に連絡してください。迷ったときは#7119などの救急相談窓口に相談してください。休めば治まった場合でも、胸の痛みや動悸が運動のたびに出る場合は、次の運動の前に医療機関(内科・循環器内科)を受診してください。高血圧・糖尿病・心臓の病気などで治療中の方、健康診断で指摘を受けている方、長く運動から離れていて強めの運動を始めたい方も、先に医師に相談してください。これらは重い病気を決めつけるものではなく、受診して確かめる理由です。
現場で見えていること
当店の体験は、カウンセリング、身体機能チェック、トレーニング、フィードバックの順に90分で進めます。平日に時間が取れない方には、仕事の時間帯や週末に使える時間、今の運動の習慣を伺い、姿勢・可動域・動作を確認してから、その方が週末に続けられる内容を組みます。診断や治療は行わず、体調や痛みに不安がある方には、先に医療機関の受診をおすすめしています。
よく出会うのは、週末にまとめて走ったり追い込んだりしているものの、週の合計量や平日に座っている時間は把握していない方です。もう1つは、強度だけが上がり、股関節や足首など動きの硬いところを置き去りにしたまま負荷を重ねている方です。週末型で続けるなら、何を優先して鍛えるかを、今の身体の状態から決めることをすすめています。自宅で体力の目安を知りたい方は、無料の身体年齢チェックから始められます。仕事帰りや週末の通い方は仕事帰りに通えるジムの条件で扱いました。
よくある質問
週末だけの運動でも効果はありますか?
週の推奨量を1〜2日で満たす人は、運動が少ない人より死亡や心血管の病気のリスクが低いと、英国の大規模な研究で報告されています。ただし観察研究で、因果までは言えません。
週1回の運動でも意味はありますか?
英国の約6.4万人の研究では、推奨量に届かなくても週1〜2回運動している人の全死亡のリスクは、ほとんど動かない人の0.66倍でした。WHOも「少しでもしないよりよい」としています。ただ、筋トレはWHOが週2日以上、厚生労働省が週2〜3日を勧めているので、できれば土日の2日に分けるのがおすすめです。
週末にまとめて運動すると、ケガをしやすくなりますか?
週末型そのもののケガのリスクを確かめた研究は、今回当たった範囲では見つけられませんでした。ただ、急に強度や量を上げると身体への負担は大きくなります。ウォームアップとクールダウンを行い、翌日に日常生活に響く疲れが残るなら量を減らしてください。
筋トレは週1回と週2回で、効果は違いますか?
筋肉を大きくする効果については、週の総量(セット数など)が同じなら、週1回でも週3回以上でも有意な差はなかったというメタ解析(Schoenfeld ら、2019年)があります。ただし1日に詰め込める量には限りがあり、健康のための目安も週2日以上です。土日の2日に分けると、量を確保しやすくなります。
平日に運動できないとき、何をすればいいですか?
WHOの2020年のガイドラインは、短い時間の活動も週の合計に数えてよいとしています。通勤で一駅歩く、階段を使う、昼休みに10分早歩きするなどの上乗せで、週末の運動を補えます。厚生労働省のガイドも、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意を促しています。
体験のご案内
週末にまとめて運動するなら、まず今の身体を測り、週末に何をどれだけやるかを決めることから始めてください。体験では、平日の働き方と週末に使える時間を伺い、姿勢・可動域・動作を確認して、無理のない範囲でトレーニングを行い、結果をその場でお伝えします(書面のお渡しはありません)。料金は料金ページでご確認いただけます。
First Trial
最初の90分で、
あなたの身体を評価します
体験は基本的に代表の岡本隼人が担当します。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)、TPI認定(Fitness 2/Power 2)として、姿勢・可動域・動作を評価し、結果はその場で全て開示します。体験後に入会を決めていただく必要はなく、無理な勧誘はいたしません。
先着枠は毎月1日起算、定員後は通常¥15,000です。
完全個室 | 六本木駅5番出口徒歩4分 | 体験の流れを見る
主な参考(タップで開く)
- O'Donovan G, Lee IM, Hamer M, Stamatakis E. Association of "weekend warrior" and other leisure time physical activity patterns with risks for all-cause, cardiovascular disease, and cancer mortality. JAMA Intern Med. 2017;177(3):335-342.(イングランド・スコットランドの健康調査11コホート、40歳以上63,591名)
- dos Santos M, Ferrari G, Lee DH, et al. Association of the "weekend warrior" and other leisure-time physical activity patterns with all-cause and cause-specific mortality: a nationwide cohort study. JAMA Intern Med. 2022;182(8):840-848.(米国の国民健康調査、350,978名)
- Khurshid S, Al-Alusi MA, Churchill TW, Guseh JS, Ellinor PT. Accelerometer-derived "weekend warrior" physical activity and incident cardiovascular disease. JAMA. 2023;330(3):247-252.(UKバイオバンク、89,573名)
- Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med. 2020;54(24):1451-1462.
- 厚生労働省(健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会). 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(令和6年1月。成人版、筋力トレーニングについて、身体活動・運動を安全に行うためのポイント)。
- Schoenfeld BJ, Grgic J, Krieger J. How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis of studies examining the effects of resistance training frequency. J Sports Sci. 2019;37(11):1286-1295.(25研究)
- Schoenfeld BJ, Ogborn D, Krieger JW. Dose-response relationship between weekly resistance training volume and increases in muscle mass: a systematic review and meta-analysis. J Sports Sci. 2017;35(11):1073-1082.(15研究)


