厚生労働省のガイドは筋力トレーニングを週2〜3日、WHOは週2日以上としています。年上の世代を対象にした研究では、週1〜2回でも週3回と同じくらい筋力が伸びた例があり、「多いほどよい」とは限りません。50代で気にしたいのは、筋肉そのものの回復より、睡眠・仕事・関節の状態まで含めて、次の回までに戻れているかどうかです。この記事では、一次資料で確かめられた範囲で頻度の目安を整理し、自分に合う回数の決め方に落とし込みます。
この記事は、六本木の完全個室パーソナルジム Disport World で、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の岡本隼人が、身体を実際に測ってきた経験から書いています。体験トレーニング(90分)のご案内→
・国の目安は筋トレ週2〜3日(厚生労働省)、週2日以上(WHO)。50代はまず週2回、同じ部位は日を空けて行う形から始める
・65〜79歳の46名の研究では、週1回・週2回でも週3回と同じくらい筋力が伸びた。回数を増やす前に、1回の質と継続を優先してよい
・36研究をまとめた解析では、運動後の筋力の落ち込みと戻りに年上と年下で差はなく、筋肉痛はむしろ若い人のほうが強かった
・ただし「戻れているか」を決めるのは筋肉だけではない。翌日の生活に響く疲れ、睡眠、関節の違和感を見て回数を決める
・筋トレの時間と健康の関連は週30〜60分あたりが最も大きかった(観察研究)。増やすほどよいとは言えない
50代の筋トレは週何回がいい?
目安は週2回からです。国の目安は週2〜3日で、50代で久しぶりに始めるなら、まず週2回を、同じ部位が続かないよう日を空けて行う形が現実的です。週3回に増やすのは、週2回で次の回までに戻れていると確かめてからで十分です。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人にも高齢者にも筋力トレーニングを週2〜3日行うことを推奨しています。WHOの2020年のガイドラインは、主な筋肉を使う中強度以上の筋トレを週2日以上としています。どちらも「週2日」が下限で、毎日やることは求めていません。
回数の比較そのもの(週2回と週4回のどちらが効果的か)は、年代を問わない話としてトレーニング頻度の記事で扱いました。この記事では、50代で回数を決めるときに効いてくる「回復」に絞って考えます。運動が久しぶりで、何から始めればいいかが分からない方は、先に運動が久しぶりの方の筋トレの始め方をご覧ください。
週1回・2回・3回で、筋力の伸びはどれくらい違う?
年上の世代を対象にした研究では、回数の違いほど筋力の伸びに差は出ていません。週1〜2回でも週3回と同じくらい伸びた試験があり、複数の試験をまとめた解析でも、筋力の伸びが大きかったのは週2回のときでした。
| 研究 | 対象 | 比べたこと | わかったこと |
|---|---|---|---|
| Taaffe ら、1999 | 65〜79歳の健康な男女46名 | 週1回・2回・3回の筋トレ(24週間)と、運動しない群 | 週1回・週2回でも、週3回と同じくらい筋力が伸びた |
| Borde ら、2015 | 平均65歳以上の健康な人を対象にした25のランダム化比較試験 | 期間・頻度・強度・量などの条件と効果の関係 | 筋力の伸びが大きかったのは週2回のとき。筋肉の太さは週3回で大きかったが、研究が9本と少なく、著者らも暫定的な結果としている |
| Schoenfeld ら、2019 | 25研究(主に若い成人) | 同じ筋肉を週に何回鍛えるか | 週の総量をそろえると、週1回と週3回以上で筋肥大に有意な差はなかった |
読み方の注意が2つあります。1つは、どの研究も50代そのものを対象にしていないことです。Taaffe らは65〜79歳、Borde らは平均65歳以上、Schoenfeld らは若い成人が中心で、50代はその間にあたります。もう1つは、Taaffe らの試験は最大挙上重量の80%で3セットという、しっかりした強度で行われていることです。「週1回でいい」は、1回の中身がきちんとしていることが前提です。
それでも、ここから言えることはあります。回数を増やすことが、そのまま結果の差になるわけではない。それなら、50代は回数を詰め込むより、週2回を長く続けられる組み方を先に作るほうが理にかなっています。Borde らの解析でも、効果が大きかったのは50〜53週という長い期間の試験でした。
50代は若いころより回復が遅いのか?
筋肉に限ると、年齢とともに回復が遅くなるとは言い切れません。36研究をまとめた解析では、運動後の筋力の落ち込みと戻り方に年上と年下で差はなく、筋肉痛や筋肉の損傷を示す血液の値は、むしろ若い人のほうが高く出ていました。
Fernandes ら(2025年)は、同じ運動をした若い群と年上の群を比べた研究を集めて解析しました。運動の24時間後・72時間後の筋力の落ち込みに差はなく、筋肉痛は比べたどの時点でも若い群のほうが強いという結果でした。著者らは「年齢を重ねても、運動による筋肉の損傷の症状が大きくなるわけではない」と結論しています。ただし、年上の群の年齢の区切りは決めておらず、同じ人を長く追った研究ではなく、年齢の違う2つの群を比べた研究の集まりだとも述べています。
ここで大事なのは、「筋肉は戻っている」と「身体全体が戻っている」は別だということです。50代は、睡眠の質、仕事の負荷、会食やお酒、膝や腰・肩の古傷といった、筋肉以外の条件が人によって大きく違います。筋肉痛が軽いからといって、関節や睡眠が追いついているとは限りません。回数を決めるときは、筋肉痛の有無だけで判断しないことです。年齢とともに筋肉がどう減っていくかは筋肉量の低下の記事で整理しています。
カウンセリング・身体評価・トレーニングを90分で体験し、評価結果はその場で全て開示します。生活の様子と関節の状態を伺ったうえで、無理のない頻度を一緒に考えます。体験後にその場で入会を決めていただく必要はありません。
LINEで体験を予約する次の回までに戻れているかは、どう見分ける?
見るのは、翌日の生活に響く疲れが残っていないか、前回と同じ重さと回数をいつものフォームでこなせるか、関節に違和感が出ていないか、の3つです。厚生労働省のガイドも、運動の翌日の日常生活に支障が出るほどの疲れが残るなら、強度や量が多すぎるとしています。
筋肉痛は目安の1つにはなりますが、それだけでは足りません。前の章のとおり、年齢を重ねると筋肉痛はむしろ出にくくなる傾向があり、「痛くないから大丈夫」とは言えないからです。トレーニングの前に、次の順で確かめてみてください。
前の日からの疲れ
前回のトレーニングの翌日、階段や通勤がいつもよりつらかったか。仕事中に集中が切れるほどのだるさが続いたか。続いたなら、量か頻度が多すぎるサインです。
睡眠と体調
前の晩に眠れているか。会食やお酒の翌日でないか。眠れていない日は、量を減らすか、軽めの日に入れ替えます。
関節の違和感
膝・腰・肩に、前回はなかった引っかかりや痛みがないか。違和感がある種目は、その日は外します。痛みを我慢して続けることはすすめません。
前回の数字とフォーム
ウォームアップのあと、前回と同じ重さ・回数を、同じフォームでこなせるか。明らかに落ちているなら、その日は量を抑えます。記録をつけておくと判断しやすくなります。
4つとも問題がなければ、今の頻度で戻れていると考えてよいでしょう。この状態が数週間続いてから、週3回に増やすか、1回の量を少し増やすかを考えます。どちらか一方ずつ変えると、合わなかったときに原因が分かりやすくなります。
しばらく運動から離れていた方は、最初の数週間は軽めの負荷でフォームを覚えることを優先してください。運動中や運動後に鋭い痛み、胸の痛み、息苦しさ、めまいが出たら、すぐに中止してください。持病のある方、服薬中の方、関節に痛みのある方は、運動を始める前に主治医に相談してください。
週2回と週3回は、どう組み分ければいい?
週2回なら、全身を2回、間を2〜3日空けて行うのが基本です。週3回にするなら、全身を3回にするより、上半身と下半身で分ける、強い日と軽い日を作るなどして、同じ部位に負荷が続かないように組みます。
週2回:全身×2(例:火曜と金曜)
脚・お尻・背中・胸など大きな筋肉を中心に、1回で全身を使います。間が2〜3日空くので、50代で始めるときに組みやすい形です。下半身はスクワットとヒップヒンジ(お尻を後ろへ引き、股関節から上体を倒す動き)を土台にします。
週3回:強い日と軽い日を分ける(例:月・水・金)
全身を3回行う場合は、3回とも同じ強さにせず、1回を軽めの日にします。軽い日は重さを落としてフォームの確認や、片脚で支える種目・体幹に充てます。
週3回:上半身と下半身で分ける
上半身の日と下半身の日を交互に置き、同じ部位は中2日以上空けます。膝や腰に不安がある方は、下半身の日を週1回にとどめる組み方もあります。
筋トレ以外の日:歩く・座りっぱなしを区切る
国の目安には筋トレのほかに、歩行などの身体活動や、座りすぎを避けることも含まれます。筋トレをしない日に軽く歩くことは、次の回の妨げになりにくい活動です。
平日に時間が取れず、土日にまとめるしかない方は、週末だけの運動の組み方も参考にしてください。週2回通っているのに身体が変わらないと感じる場合は、回数より中身に原因があることが多く、ジムに通っても変わらない原因で整理しています。40〜50代の体づくり全体の考え方は40代からの体づくりにまとめました。
筋トレはやればやるほどいいのか?
健康との関連で見る限り、増やすほどよいとは言えません。筋トレの時間と死亡などのリスクの関連を調べた研究をまとめた解析では、関連が最も大きかったのは週30〜60分あたりで、それより多い量では関連がはっきりしなくなりました。
Momma ら(2022年)は、16の前向きコホート研究をまとめ、筋力を使う運動をしている人は、していない人より全死亡・心血管疾患・がん・糖尿病などのリスクが10〜17%低いと報告しました。量との関係はJの字の形で、リスクの低下が最も大きかったのは週30〜60分ほどでした。ただし、これは観察研究で、筋トレがリスクを下げたという因果までは言えません。多い量のところはデータが少なく、多すぎると害があると言い切ることもできません。
それでも、50代の頻度を考えるうえでは心強い数字です。週30〜60分は、週2回なら1回15〜30分の筋トレにあたります。忙しい50代でも届く量です。量を増やすことより、この量を何年も続けられることのほうが、目的に近いと考えています。
現場で見えていること
「週何回通えばいいですか」は、50代の方からよく受ける質問です。私たちは、回数を先に決めず、体験のカウンセリングで仕事の時間帯、睡眠、会食の多さ、これまでのケガを伺い、姿勢・関節の可動域・動作を評価してから決めるようにしています。同じ50代でも、生活の条件と関節の状態がまったく違うからです。
よく出会うのは、意欲が高く、最初から週3〜4回を目指して、数週間で膝や腰がつらくなってしまう方です。もう1つは、筋肉痛が出ないので「効いていない」と感じ、重さや回数を急に増やしてしまう方。どちらも、筋肉の回復ではなく、関節や生活の側が追いついていないことが多いと感じます。だから私たちは、週2回で戻れていることを確かめてから回数や量を増やす順番を取っています。自分の体力をざっくり確かめたい方は、体力年齢の測り方や身体年齢チェックから始めてみてください。
よくある質問
50代の筋トレは週何回が目安ですか?
厚生労働省のガイドは週2〜3日、WHOは週2日以上を推奨しています。50代で始めるなら、まず週2回、同じ部位は日を空けて行う形がおすすめです。週2回で次の回までに戻れていることを確かめてから、週3回に増やすかを考えます。
50代は毎日筋トレしてもいいですか?
国の目安は週2〜3日で、毎日行うことは求めていません。毎日行うなら、部位を分けて同じ筋肉に負荷が続かないようにし、軽い日を入れる必要があります。翌日の生活に響く疲れや関節の違和感が出るなら、回数か量が多すぎるサインです。
週1回の筋トレでも効果はありますか?
65〜79歳の46名を対象にした試験では、週1回でも週3回と同じくらい筋力が伸びました。ただし、しっかりした強度で行った試験で、50代そのものの結果ではありません。可能なら国の目安の週2回を目指し、難しい週は週1回でも続けることをすすめます。
50代は若いころより筋肉の回復が遅いですか?
36研究をまとめた解析では、運動後の筋力の落ち込みと戻りに年上と年下で差はなく、筋肉痛はむしろ若い人のほうが強く出ていました。ただし、睡眠や仕事の負荷、関節の状態は人によって違うので、筋肉痛だけでなく翌日の疲れや関節の違和感も見て判断してください。
筋肉痛があるときは筋トレを休むべきですか?
日常生活に響くほどの筋肉痛なら、その部位は休むか、軽めにします。別の部位を鍛える、軽く歩くといった選択もあります。関節の痛みや腫れがある場合は筋肉痛とは別に考え、運動を控えて、続く場合は医療機関を受診してください。
体験のご案内
50代の筋トレの回数は、年齢だけでは決まりません。まず今の身体を測り、生活の条件と関節の状態を確かめてから、続けられる頻度を決めてください。体験トレーニングでは、カウンセリングで生活の様子を伺い、姿勢・可動域・動作を評価したうえで、その方に合う頻度と量を一緒に考えます。料金や通い方は料金ページで、体験の流れは体験トレーニングのご案内でご確認いただけます。
First Trial
週何回がいいかは、
最初の90分で身体を測ってから
体験は基本的に代表の岡本隼人が担当します。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)、TPI認定(Fitness 2/Golf 2/Junior 2/Power 2)として、姿勢・可動域・動作を評価し、結果はその場で全て開示します。体験後に入会を決めていただく必要はなく、無理な勧誘はいたしません。
先着枠は毎月1日起算、定員後は通常¥15,000です。
完全個室 | 六本木駅5番出口徒歩4分 | 体験の流れを見る
主な参考(タップで開く)
- Taaffe DR, Duret C, Wheeler S, Marcus R. Once-weekly resistance exercise improves muscle strength and neuromuscular performance in older adults. J Am Geriatr Soc. 1999;47(10):1208-1214.(65〜79歳の健康な男女46名。週1・2・3回の筋トレを24週間)
- Borde R, Hortobágyi T, Granacher U. Dose-response relationships of resistance training in healthy old adults: a systematic review and meta-analysis. Sports Med. 2015;45(12):1693-1720.(平均65歳以上を対象にした25のランダム化比較試験)
- Schoenfeld BJ, Grgic J, Krieger J. How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy? A systematic review and meta-analysis of studies examining the effects of resistance training frequency. J Sports Sci. 2019;37(11):1286-1295.(25研究)
- Fernandes JFT, Wilson LJ, Dingley AF, Hearn AN, Johnson KO, Hicks KM, Twist C, Hayes LD. Advancing age is not associated with greater exercise-induced muscle damage: a systematic review, meta-analysis, and meta-regression. J Aging Phys Act. 2025;33(6):606-624. doi:10.1123/japa.2024-0165(若い群と年上の群を比べた36研究)
- Momma H, Kawakami R, Honda T, Sawada SS. Muscle-strengthening activities are associated with lower risk and mortality in major non-communicable diseases: a systematic review and meta-analysis of cohort studies. Br J Sports Med. 2022;56(13):755-763.(16の前向きコホート研究)
- Bull FC, Al-Ansari SS, Biddle S, et al. World Health Organization 2020 guidelines on physical activity and sedentary behaviour. Br J Sports Med. 2020;54(24):1451-1462.
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(令和6年1月。成人版・高齢者版、筋力トレーニングについて、身体活動・運動を安全に行うためのポイント)。


