Roppongi Personal Gym体験予約
HYROX完全ガイド
HYROX — The World's Largest Fitness Race

HYROX完全ガイド|
世界最大のフィットネスレース
全データ・全種目・全戦略網羅版

2017年ハンブルク発祥、世界30カ国・年間50万人。8種目の完全解説とコースマップ、創設者の物語、年齢別世界記録、エリート選手列伝、日本のHYROX対応ジムの探し方、12週間プラン、食事・栄養戦略、レース戦略の科学、装備ガイド、深いFAQ20問——そして日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT )・ TPI 認定(Fitness 2/Power 2)・ NASM-PESを持つ代表の岡本から見たHYROXまで。HYROXを日本語で詳しくまとめたガイドです。

2026.05.12読了 約45分
執筆・監修:岡本隼人(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー〈JSPO-AT〉/TPI認定(Fitness 2/Power 2)|のべ指導実績40,000人以上)
公開日:2026-05-12 / 最終更新日:2026-07-22

HYROXとは何か。
世界最大のフィットネスレース

HYROX(ハイロックス)は、ランニングと8種類のファンクショナルワークアウトを組み合わせた世界共通のフィットネスレースだ。2017年にドイツ・ハンブルクで創設され、現在は世界30カ国以上で開催。2024-25シーズンの世界参加者数は約50万人に到達した。

2017
創設年(独)
30+
開催国
500K
年間参加者
99%+
完走率

HYROXの歴史と創設者

HYROXは2017年、ドイツ・ハンブルクでChristian Toetzke(クリスチャン・トエツケ)氏とMoritz Fürste(モリッツ・ファーステ)氏によって創設された。ファーステ氏はフィールドホッケーで3度のオリンピック金メダルを獲得した世界的アスリート。両者は「日常的なフィットネスを競技スポーツとして楽しむ」新しい文化の創造を目指した。

2017
ドイツ・ハンブルクで第1回大会開催

Christian ToetzkeとMoritz Fürsteが共同創設。ファーステは3度のフィールドホッケーオリンピック金メダリスト。

2020
北米進出、Hunter McIntyreが世界王者に

アメリカでの初開催。Hunter McIntyreが圧倒的な強さで初代世界王者となる。

2022
世界選手権Manchester開催

イギリス・マンチェスターでの世界選手権初開催。参加者数が爆発的に増加。

2023
Hunter McIntyre 世界記録 53:22樹立

ストックホルムで現在もMen's Pro史上最速記録となる53:22を記録。

2024
女子Open Wall Balls 75→100回に変更

9月のCape Town大会から、女子Single OpenのWall Balls回数が75回から100回に統一。男女平等性を高める変更。

2025
日本初開催(横浜)、約3,800人参加

8月9日パシフィコ横浜でHYROX YOKOHAMA開催。アジア圏での盛り上がりを加速。

2026
大阪・幕張で本格開催。世界参加者50万人到達

1月に大阪、8月に幕張で開催決定。Alexander Roncevicが初の51:59を記録(4月Warsaw)。

CrossFitとの決定的な違い

HYROXがCrossFitと根本的に違う点は、「世界共通の固定フォーマット」であることだ。CrossFitは大会ごとに種目が変わるため、選手は当日まで何が出るか分からない。一方HYROXは、世界中どの大会でも完全に同じ8種目・同じ重量・同じ距離で実施される。これにより、ロンドンで出したタイムと東京で出したタイムを直接比較できる。

レースフォーマット
——8km走+8ステーション

HYROXの構成はシンプルだ。1kmラン → ワークアウトステーションを8回繰り返す。総距離8km、ワークアウト8種目。完走タイムはOpen男子で平均約1時間35分、Open女子で平均約1時間50分。世界記録(女子Open)は55分38秒。

1km Run
→
Station
×
8 sets
=
8km Run + 8 Workouts

ワークアウト間の移動エリアは「ROXZONE」と呼ばれる。ROXZONE内の滞在時間も計測され、エリート選手はROXZONEの合計時間を3〜5分以内に抑える。一般参加者の多くはここで7〜10分を使う——HYROXは「トランジション能力」を問う競技でもある。

HYROX Course Layout — 8 Stations × 1km Run
ROXZONE トランジションエリア エリート 3-5分 / 一般 7-10分 Total: 8km Run + 8 Stations 01 02 03 04 05 06 07 08 SkiErg Sled Push Sled Pull Burpee Rowing Farmer's Sandbag Wall Balls START FINISH ↻ 1km Run between stations × 8
01スキーエルゴ(SkiErg) 1,000m
02Sled Push 50m
03Sled Pull 50m
04Burpee Broad Jump 80m
05Rowing 1,000m
06Farmers Carry 200m
07Sandbag Lunges 100m
08Wall Balls 100 reps

8種目の完全解説
——重量・距離・動員筋・攻略法

種目ごとの部門別重量・No Rep条件・ジムでの代替練習は、HYROX全8種目+ROXZONE攻略に分けて詳しくまとめました。

以下は世界共通のOpen部門(Single Men)の規定だ。各ステーションの詳細を順に解説する。

Station01

SkiErg(スキーエルゴ)

Cross-Country Skiing Simulator — 1,000m

Concept2社の専用マシンで、クロスカントリースキーのダブルポーリング動作を再現する。両手のハンドルを下方向に引き下ろして1,000mを稼ぐ。レース最初のステーションのため、ペース管理が最重要。

距離 1,000m全部門 共通
主動筋

広背筋、上腕三頭筋、腹直筋、ヒップヒンジ動作(大臀筋・ハムストリングス)

Coach's Note

腕だけで引くと序盤で体力を消耗する。ヒップヒンジ(お尻を後ろに引く動作)で下半身のパワーを使い、リズムよく漕ぐ。目標タイム:男子4:00〜4:30、女子4:30〜5:00。エリート選手は男子3:30〜3:50を出す。

Station02

Sled Push(スレッドプッシュ)

50m Weighted Sled Push (4 × 12.5m)

重りを乗せたソリを12.5m×2往復(計50m)押す。Open男子で152kg、Open女子で102kg、Pro男子で202kg、Pro女子で152kgと、部門で最も重量差が大きいステーション。スレッド本体の重さ(約30-40kg)に加えてプレートを積載した総重量だ。

Open男 152kgOpen女 102kgPro男 202kgPro女 152kg
主動筋

大腿四頭筋、大臀筋、下腿三頭筋(ふくらはぎ)、脊柱起立筋、前鋸筋

Coach's Note

一度止まると再始動に膨大なエネルギーを消費する。ゆっくりでも止めずに進む。前傾姿勢を作り、全身の体重を使って押す。腕力ではなく地面反力で動かす感覚を掴むのが最重要。トラクション(足の接地)が決定的要素。

Station03

Sled Pull(スレッドプル)

50m Weighted Sled Pull (4 × 12.5m)

同じソリをロープで手前に引く。各レーンには奥行き約1.7mのスペースがあり、競技者はこの範囲内で自由に動ける。Open男子103kg、Open女子78kg、Pro男子153kg、Pro女子103kg。

Open男 103kgOpen女 78kgPro男 153kgPro女 103kg
主動筋

広背筋、僧帽筋、上腕二頭筋、握力(前腕屈筋群)、大臀筋、ハムストリングス

Coach's Note

腕を伸ばしたまま体重を後方にかけ、背中と脚で引く。腕の屈曲だけで引こうとすると上腕二頭筋が先に消耗する。ロープを「手繰り寄せる」のではなく「足で後退する」イメージ。

Station04

Burpee Broad Jumps(バーピーブロードジャンプ)

80m of Burpee Broad Jumps

HYROXの名物種目。胸と太ももを完全に床につけるバーピーの後、前方へ大きくジャンプ。これを80m分繰り返す。体力的にも精神的にも最も「逃げ場のない」ステーション。1ジャンプあたり1.5〜2m進めば、目安40〜50レップ。

距離 80m全部門 共通
主動筋

全身(特に大腿四頭筋、大胸筋、三角筋、体幹)、心肺機能、神経系の協調性

Coach's Note

立ち上がりとジャンプを連続させると効率が上がる。序盤に飛ばしすぎると後半に脚が動かなくなる。「胸をつける→立ち上がる→前に跳ぶ」のリズムを一定に保つことが大切。心拍数が急上昇するため、直後の1kmランに最も影響する。

Station05

Rowing(ローイング)

Concept2 Rower — 1,000m

Concept2のローイングマシンで1,000mを漕ぐ。脚→体幹→腕の順で力を伝える代表的な全身運動。Burpee Broad Jumpsで疲労した直後に来るため、下半身の使い方とフォームの維持が決定的に重要。

距離 1,000m全部門 共通
主動筋

大腿四頭筋、大臀筋、広背筋、僧帽筋、菱形筋、脊柱起立筋、上腕二頭筋

Coach's Note

レッグドライブで70%のパワーを生む意識。腕で引くのは最後の30%。目標タイム:男子3:40〜4:10、女子4:10〜4:40。レート(ストロークレート)は24〜28を目安に。「低レート・ハイパワー」が効率的。

Station06

Farmers Carry(ファーマーズキャリー)

200m Kettlebell Farmers Carry

両手にケトルベルを持ち、200mを歩く。Open男子2×24kg、Open女子2×16kg、Pro男子2×32kg、Pro女子2×24kg。握力・体幹・肩の安定性を要求する。シンプルだが終盤に来るため握力の限界が試される。

Open男 2×24kgOpen女 2×16kgPro男 2×32kgPro女 2×24kg
主動筋

前腕屈筋群(握力)、僧帽筋、三角筋、腹直筋、腹斜筋、大腿四頭筋

Coach's Note

肩の力を抜き、小さく安定した歩幅で進む。立ち止まると握力が一気に落ちる。事前にデッドハングと20kg+のキャリーで握力持久力を作っておく。8種目中最も短時間で終わるステーション。

Station07

Sandbag Lunges(サンドバッグランジ)

100m Walking Lunges with Sandbag

サンドバッグを肩に担ぎ、ランジで100mを進む。レップごとに膝を床につける必要がある("No Rep"判定の対象)。Open男子20kg、Open女子10kg、Pro男子30kg、Pro女子20kg。レップ数の規定はなく、規定されているのは距離100mのみ。

Open男 20kgOpen女 10kgPro男 30kgPro女 20kg
主動筋

大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス、ヒラメ筋、腹直筋、脊柱起立筋、僧帽筋

Coach's Note

「ゆっくり確実に」が鉄則。サンドバッグを落とすとペナルティ。膝を床に確実につけないとジャッジから"No Rep"を取られる。一度落としたら再度担ぐエネルギーは想像以上に大きい。

Station08

Wall Balls(ウォールボール)

100 Wall Ball Shots — The Finale

HYROXの締めくくり。Open男子は6kgのボールを100回、Open女子は4kgのボールを100回、壁の指定マーク(男子3.00m / 女子2.70m)に当て続ける。Pro男子は9kg×100回、Pro女子は6kg×100回。2024年9月Cape Town大会から、女子Open部門のWall Balls回数が75回→100回に統一された。スクワットの深さが浅いと"No Rep"でカウントされない。

Open男 6kg×100Open女 4kg×100Pro男 9kg×100Pro女 6kg×100
主動筋

大腿四頭筋、大臀筋、三角筋(前部・側部)、大胸筋、上腕三頭筋、全身の連動性

Coach's Note

腕で投げるのではなく、フルスクワットの立ち上がりの勢いでボールを「押し上げる」。お尻が膝より下まで沈まないとNo Rep。小分けセット(20-15-15-15-15-10-10)で進めると失敗が少ない。最終種目のため、ここで体力を残しておくレース運びが理想。

部門別の重量・距離 完全一覧表

HYROXには参加形式(Single/Doubles/Relay/Adaptive)と重量(Open/Pro)で計10種類以上のカテゴリーが存在する。以下が代表4部門の重量比較だ。

ステーションOpen MenOpen WomenPro MenPro Women
SkiErg1,000m1,000m1,000m1,000m
Sled Push152kg102kg202kg152kg
Sled Pull103kg78kg153kg103kg
Burpee Broad Jump80m80m80m80m
Rowing1,000m1,000m1,000m1,000m
Farmers Carry2×24kg2×16kg2×32kg2×24kg
Sandbag Lunges20kg10kg30kg20kg
Wall Balls6kg × 1004kg × 1009kg × 1006kg × 100

注目すべき点:Pro女子の重量はOpen男子と完全に同じだ(Sled Push 152kg、Sled Pull 103kg、Farmers Carry 2×24kg)。つまりPro女子は、男性アスリートと「絶対重量で同じ負荷」を扱う部門ということになる。

参加形式の選び方

Single

個人で全種目を完走

8kmラン+8ワークアウトを1人でこなす最もスタンダードな形式。Open(標準重量)とPro(上級重量)に分かれる。年齢別カテゴリ(25-29、30-34…)あり。

Doubles

2人ペア

1kmランは2人で並走、ワークアウトは自由に分担。男子・女子・混合の3カテゴリ。混合ダブルスはPro女子と同じ重量を使用。HYROX初挑戦に人気。

Relay

4人チーム

各人が2km(1km×2回)走+2種目を担当。最も参加しやすい形式で、初心者からも好評。チームビルディングとして法人参加も増加中。

Adaptive

障害者向け

HYROXの構造を保ったまま、距離や基準を調整して実施。HYROXの理念「あらゆる人が挑戦できる」を具現化する部門。

Elite部門としては「Elite 15」がある。Pro部門の上位タイムを出した世界トップ15名のみが出場できる招待制の特別レース。HYROX World Championshipsの目玉。

HYROX世界記録(2026年最新)

2026年4月にWarsawで開催されたMajorで、男女のPro世界記録が同時更新された。男子はAlexander Roncevicが史上初の51分台を樹立。

Men's Pro World Record
Alexander Roncevic
51:59
Warsaw Major / Elite 15
2026年4月16日|史上初の52分切り
Women's Pro World Record
Joanna Wietrzyk
54:25
Warsaw Major / Elite 15
2026年4月16日|オーストラリア出身
Men's Open World Record
Alexander Roncevic
50:38
Cologne 2024|小学校教師でもある
Women's Open World Record
Lauren Weeks
55:38
Washington DC 2025年3月
Wall Balls 100回化後の新基準
Historical Note
Hunter McIntyre
53:22
Stockholm 2023|2020・2022・2023世界王者
長年のMen's Pro世界記録保持者
Men's Open Doubles
Williamson & Eisenlauer
47:57
Berlin 2025|「世界最速コース」とされるベルリン

エリート選手の特徴:ランニングペースは4:30〜4:50/km、ROXZONE合計時間は3〜5分、どのステーションも上位80%以上のパフォーマンスを発揮する「弱点のないアスリート」だ。

年齢別世界記録(2026年最新)

HYROXの大きな魅力は、16-24歳から80代まで細かく分けられた年齢別カテゴリだ。データ分析によれば男子は25-29歳、女子は30-34歳でパフォーマンスがピークを迎えるが、50代以上でも驚異的なタイムを残す選手が多数いる。以下が主要年齢別の世界記録だ。

Men's Pro 年齢別世界記録

年代タイム選手大会・年月
16-2456:07Tim WenischCologne 2023
25-2951:59Alexander RoncevicWarsaw, Apr 2026(総合世界記録)
30-3453:22Hunter McIntyreStockholm 2023
35-3954:28Rich RyanChicago 2024
40-4456:18Lukas StorathAnaheim, May 2024
45-491:01:20David Martin PeralMalaga 2023
50-541:02:35Guy PortlockBerlin, May 2025
55-591:02:55Joze KojcBerlin, May 2025
60-641:18:34Marc ZiesmerHamburg 2023
65-691:43:42John HouseLas Vegas 2022

Women's Pro 年齢別世界記録

年代タイム選手大会・年月
16-2459:58Joanna WietrzykHong Kong, Nov 2024
25-2954:25Joanna WietrzykWarsaw, Apr 2026(総合世界記録)
30-3458:03Lauren WeeksVienna, Feb 2024
35-391:00:31Lauren WeeksLas Vegas, Feb 2025
40-441:03:05Jennifer ThompsonChicago, Nov 2024
45-491:07:33Mareesa RobertsonMelbourne 2023
50-541:01:09Amy BevilacquaToronto, Oct 2024
55-591:15:39Anna Buxo2024 World Championships, Jun 2024
60-641:30:32Heidi WilliamsDallas 2020

注目点:女子50-54歳カテゴリのAmy Bevilacqua(1:01:09)は、40-44歳と45-49歳の記録よりも速い。これは個人差の大きさを示すと同時に、50代でも適切なトレーニングで世界トップレベルの記録が出せることの証明だ。データ分析(5,000人以上のレース結果)によれば、25歳から45歳への加齢によるタイム低下は平均わずか6〜8分。加齢よりもトレーニングの一貫性と回復管理の質が、HYROXパフォーマンスを決定する。

完走タイムの目安
——あなたの位置を知る

レベルOpen MenOpen WomenPro MenPro Women
Elite(世界トップ)< 60分< 65分< 59分< 63分
Competitive70-80分80-90分80-92分90-105分
Average1:35:001:43:001:50:002:05:00
First Timer1:45-2:002:00-2:20——

過去70万件以上のHYROX結果データの分析によると、ProのタイムはOpenから15-20%遅くなる。Openで80分の男子は、Proに上がると92-96分になることが多い。理由はSled Push/Pullの絶対重量増加。

Functional Fitness Coaching

HYROXに挑戦したい方の
身体づくりをサポートします

持久力と筋力を同時に求められるHYROXは、正しいトレーニング設計が完走と好タイムの鍵。私たちは、身体機能チェックで今の体の状態を測ってから、一人ひとりの体に合わせたトレーニングを組み立てます。

LINEで体験セッションを相談する

六本木駅徒歩4分/トレーニング体験90分 通常¥15,000(毎月1日から数えて先着3名さまは¥7,500)

日本での開催スケジュール

日本でのHYROXは2025年8月のパシフィコ横浜が初開催。約3,800人が参加した。2026年1月の大阪大会は、メンズダブルス、オープン、プロのいずれもわずか数日で完売。エントリーは年々入手困難になっている。

Aug
9
2025
HYROX Yokohama 2025(日本初開催)

パシフィコ横浜|参加者約3,800人、観客2,000人以上。日本上陸初の大会として大成功を収め、次回開催への期待を高めた。

Jan
30
2026
AirAsia HYROX Osaka 2026

1月30日-2月1日|インテックス大阪|西日本初開催。3日間でカテゴリー別にレース実施。エントリーは数日で完売。

Aug
6
2026
AirAsia HYROX Chiba 2026

8月6-9日|幕張メッセ|日本初の4日間開催。主催者発表で約12,000名が参加した、日本のHYROX史上最大の大会。

Jan
21
2027
BYD HYROX Osaka 2027

1月21-24日|インテックス大阪|2026年8月時点でチケット未発売。販売開始は公式サイトで告知予定。

Apr
16
2027
HYROX Nagoya 2027

4月16-18日|ポートメッセなごや|名古屋では初開催。

日本のHYROX対応ジムを探すには

日本でも2025年以降、HYROX対応のトレーニング環境が急速に拡大している。本番器具(公式スレッド、SkiErg、Concept2 Rower、サンドバッグ、ウォールボール等)を揃えたHYROX公式認定の「Training Club」から、HYROX要素を取り入れた一般ジムまで、選択肢は多様だ。

最新の対応ジム情報は、HYROX公式サイトの Affiliated Training Gyms ページで地域別に確認できる。日本国内では、首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)、関西(大阪・兵庫)、その他主要都市に対応ジムが点在している。2026年は新規認定ジムが毎月のように追加されているため、最新情報は公式サイトを参照することを推奨する。

HYROX対応ジムの選び方 — 3つの確認ポイント

01

本番器具が揃っているか:HYROX公式器具(特にスレッド・SkiErg・公式重量のサンドバッグとウォールボール)が揃っていることが理想。一部の器具を代替している場合、本番との感覚に差が出る。

02

コーチの専門性:HYROX経験者または公式認定コーチが在籍しているか。本番出場経験のあるコーチからは、トレーニングだけでなく当日の戦略・ペース配分・心理面のアドバイスも得られる。

03

トレーニング形式と料金体系:グループクラス(仲間と一緒のモチベーション)、パーソナル(個別最適化)、ドロップイン(単発利用)など、自分のライフスタイルに合った形式を選ぶ。月会員制と回数券、ドロップインの料金を比較する。

本記事の冒頭でも触れたが、HYROX対応ジムでの「本番形式の練習」と、専門資格を持つトレーナーによる「身体チェック・怪我予防」の両方を組み合わせるのが、特に40代以上のアスリートには理想的なアプローチだ。詳しくは、本記事後半の「Disport Worldの立ち位置 — HYROX対応ジムとの『補完関係』」で解説する。

エントリー方法と参加費

エントリーはHYROX公式サイト(hyrox.com)からのみ受け付けている。観戦のみのSPECTATORチケットも同サイトから購入可能だ。

01

公式サイトにアクセスして対象大会を選択

02

参加形式(Single/Doubles/Relay/Adaptive)と重量カテゴリ(Open/Pro)を選択

03

必要に応じて「Flex Add-On(フレックスアドオン)」を付加。これによりキャンセル・変更が柔軟に

04

氏名、メールアドレス、性別、生年月日、国籍を入力

05

決済を完了するとエントリー確定

参加費は開催国・カテゴリで異なる。直近の千葉2026の実績はシングル¥24,486(別途サービス料6.5%)、ダブルス¥23,260・リレー¥18,365と、人数が多いカテゴリほど1人あたりは割安になる。当日参加は保証されず、事前エントリーが前提。Flex Add-Onの返金条件や遠征・装備まで含めた総額はHYROX参加費ガイドで詳しく解説している。

ペナルティとルール

HYROXは「シンプルだが厳格」なルールで運営されている。違反は時間ペナルティまたは失格に直結する。

!

周回数不足

1kmランの周回数が足りない状態でROXZONEに入ると、3〜5分の時間ペナルティ。最悪の場合失格。計測チップで管理されるが、自分でもカウントを。

!

No Rep(ノーレップ)

動作不完全のレップはカウントされず、やり直し。Wall Ballsのスクワット深度、Sandbag Lungesの膝着地、Burpeeの胸床接地が特に厳しくチェックされる。

!

器具の不適切扱い

サンドバッグを落とす、ケトルベルを投げる、スレッドのコースアウトなど。再開時のロスタイムが大きい。

!

外部支援の禁止

競技中の飲水・補給は競技者自身で。コーチや観客からの物理的支援は失格対象。

HYROXに求められる
「ハイブリッドアスリート」の身体

HYROXで求められるのは、ランニング能力でも筋力でもなく、「ランニング能力と機能的筋力の両方を高い水準で持つ」ハイブリッドな身体だ。マラソンランナーはランで強いが、152kgのソリを押す筋力で詰まる。パワーリフターは筋力で強いが、8kmを走り切る心肺機能で潰れる。

01

有酸素持久力

1kmを4:30〜5:00で走り続ける能力。VO2max(最大酸素摂取量)と乳酸閾値の両方を引き上げる必要がある。

02

機能的筋力

Sled Push 152kg、Farmers Carry 2×24kg を扱う絶対筋力。スクワット・デッドリフト・ロー系の複合種目で土台を作る。

03

筋持久力

Wall Balls 100回、Sandbag Lunges 100m を「フォームを保ったまま」終える能力。高レップトレーニングで構築。

04

回復速度

ワークアウト直後の1kmランで心拍数を下げ、次のステーションに備える神経系の切替能力。インターバルトレーニングで養う。

12週間トレーニングプラン

以下は、Open部門完走を目標とした標準的な12週間プログラム構成だ。週3〜4回のトレーニングを前提とする(初めての12週間では週5日以上には増やさない)。大会から逆算した開始日と週別・曜日別の具体的なメニューはHYROX 12週間トレーニングプランにまとめた。

Week 1-4

基礎構築フェーズ

  • 5kmランを安定して走る
  • スクワット・デッドリフトのフォーム確立
  • SkiErg 1,000m を一定ペースで完走
  • 30分の連続有酸素運動を週3回
  • 体組成測定・身体チェック
Week 9-12

レーススペシフィック

  • ハーフHYROX(4km+4種目)を実施
  • レースペースでの全種目通し
  • ROXZONE切替の練習
  • 当日装備のリハーサル
  • テーパリング(最終週は強度を落とす)

プログラム設計の最重要原則は「強度を上げる前に量を確保する」こと。最初の4週で基礎体力を作らずに高強度練習に入ると、怪我のリスクが急増する。特に40代以上のアスリートは、基礎構築フェーズを6〜8週に延長することを推奨する。

食事・栄養戦略
——レース3日前から当日まで

HYROXのパフォーマンスは、レース前の栄養戦略で大きく変わる。8kmラン+高強度の筋力負荷を90〜120分間継続するため、「マラソンのカーボローディング」と「筋力競技のタンパク質確保」の両方を計画する必要がある。

レース3日前
カーボローディング開始

炭水化物摂取量を体重×7〜8g/日に増やす(体重70kgで490〜560g)。米、パスタ、パン、芋類が中心。筋グリコーゲンを最大蓄積させる。食物繊維と脂質は減らし、消化器系への負担を軽くする。

レース2日前
炭水化物継続 + 水分

炭水化物量を維持。水分を意識的に多めに(2.5〜3L/日)。電解質を含む飲料で塩分・カリウム・マグネシウムを補給。アルコールは完全に避ける。睡眠を最低7〜8時間確保。

レース前日
消化に優しい食事 + 早めの就寝

夕食は18-19時までに済ませる。パスタ、白米、鶏胸肉など消化の良い食材中心。生野菜、揚げ物、辛いもの、新しい食品は避ける。緊張で眠れない場合もあるが、リラックスして横になるだけでも回復効果がある。

レース当日朝
スタート3時間前に朝食

糖質中心(オートミール、バナナ、ベーグル、白米)+ 少量のタンパク質(卵1個、ヨーグルト少量)。脂質と食物繊維は最小限。コーヒーは普段飲む人なら少量摂取で集中力アップ。普段飲まない人は当日に試さない。

スタート30分前
糖質ジェル + 水

消化の早い糖質(マルトデキストリン系のエナジージェル)30-40gと水200ml。スタート直前の血糖値を安定させる。

レース中
戦略的な水分補給

各ステーション間の1kmラン中に少量ずつ水を飲む。Burpee Broad Jumps後とWall Balls前は特に重要。エナジージェルは中盤(Station 4-5の間)に1個追加すると後半のパワーが持続する。固形物は摂取しない。

レース直後
30分以内に栄養補給(ゴールデンタイム)

糖質:タンパク質 = 3:1〜4:1の比率で摂取。バナナ + プロテイン20-25g + 水500ml が定番。筋グリコーゲンの再合成と筋修復を同時に促進する。INDIBAなどの温熱ケアを取り入れる場合は、当日〜翌日に予定しておくと組み立てやすい。

レース翌日
抗炎症食 + 軽い有酸素

サーモン、ベリー類、緑黄色野菜、ターメリック、生姜など抗炎症作用のある食材を中心に。20-30分の軽いウォーキングで血流を促進し、回復を加速。タンパク質は普段より多めに(体重×1.6g/日)。

避けるべきもの:レース3日前から完全に避けるべきは、アルコール(脱水促進)、過度なカフェイン(睡眠妨害)、新しい食品(消化器トラブル)、揚げ物(消化負担)、過度な食物繊維(レース中の腹部不快感)。普段の食事パターンを大きく変えないことが最も重要だ。

レース戦略の科学
——どこで勝負が決まるのか

5万件以上のHYROXレース結果データの分析によれば、エリート選手と平均的な参加者の差は「絶対的な強さ」よりも「3つの効率」から生まれている。

要素エリート選手平均的参加者差の影響
合計ランニング時間32-36分(4:00-4:30/km)約45分(5:36/km)9-13分
ROXZONE合計時間3-5分7-10分4-5分
後半ペース維持率99%前後94%前後1-3分

つまり、エリートと平均の30分以上の差のうち、ランニングの「速さ」そのものによる差は約13分。残り——ROXZONEでの停滞、No Repのやり直し、後半の失速——の多くは「効率」の差だ。ROXZONEで歩いてしまう、Wall BallsでNo Repを連発する、後半で大幅にペースダウンする——これらの「効率の漏れ」を減らすだけで、トレーニング量を変えずにタイムを5-10分縮められる。

タイム短縮の優先順位

タイムを最速で縮めるなら、優先順位は以下だ。

01

ROXZONEの動線最適化:給水しながら次のステーションへ移動する練習。立ち止まらない癖をつける。即座に効果が出る。

02

No Repの撲滅:Wall Ballsのスクワット深度、Sandbag Lungesの膝着地、Burpeeの胸床接地を完全にフォーム固定。練習時から判定基準で行う。

03

前半ペースの抑制:序盤の興奮で飛ばすと後半で大失速する。最初の3km走と2ステーションは「7-8割」の力で。

04

苦手種目の集中強化:弱点が1つあるとレース全体のリズムが崩れる。自分のスクリーニング結果から、最も弱い種目に練習時間を集中投下する。

シューズ・装備ガイド

HYROXは室内開催のためシューズ選びがタイムに直結する。ランニングシューズでは滑り、Sled Pushでパワーが伝わらない。CrossFitシューズでは8kmランで足に負担がかかる。HYROX専用または兼用設計のシューズが必要だ。

公式パートナー
PUMA Fast-R Nitro Elite等

2024年からHYROXのグローバル公式パートナー。Fast-R Nitro EliteやDeviate Nitro Elite等が推奨される。クッション性とトラクションのバランスが取れている。

必須装備
速乾性ウェア・スポーツソックス

大量の発汗を考慮し、コットンは避ける。ソックスは厚すぎず、グリップ力のあるものを。

推奨装備
軽量グローブ(任意)

Sled Pullでのロープ摩擦、Farmers Carryでのケトルベル把持に。ただし手の感覚を損なわないものを選ぶ。多くのエリートはグローブなしで挑む。

推奨装備
サポートベルト(重量級向け)

Pro部門の重量を扱う場合、腰部のサポートベルトが有効。体幹の安定性を高め、腰椎への負荷を軽減する。

HYROX vs CrossFit vs Spartan Race

HYROX
世界共通フォーマット
  • 1kmラン×8本 + 8種目(固定)
  • 世界中どの大会も同一ルール
  • 必要スキル:押す・引く・走る・持つ
  • 室内開催(天候に左右されない)
  • 初心者でも完走率99%
  • タイムで世界と直接比較可能
CrossFit
変動WODフォーマット
  • 大会ごとに種目が変わる(WOD)
  • 逆立ち歩行など高難度スキル含む
  • 多様性とサプライズ性が魅力
  • 屋内・屋外いずれも
  • 習熟に時間がかかる
  • 大会ごとに準備が異なる
HYROX
予測可能・標準化
  • 事前準備が明確
  • 同じコース・同じ重量
  • パフォーマンス比較が容易
  • 8km走(屋内トラック)
Spartan Race
障害物レース(屋外)
  • ロープ登り・壁越え等の障害物
  • 自然地形を活用
  • 大会ごとに障害物が変わる
  • Sprint 5km、Beast 21km等

エリートアスリート列伝

HYROXを牽引する世界トップ選手を紹介する。

M

Hunter McIntyre(米)

2020、2022、2023年世界王者。長年Men's Pro世界記録53:22を保持。元オリンピックカヌー候補。HYROXを世界的競技に押し上げた最大の立役者。

A

Alexander Roncevic(オーストリア)

現Men's Pro世界記録保持者(51:59、2026年4月Warsaw)。本業は小学校教師。2024年Men's Open世界記録(50:38)も保持。

L

Lauren Weeks(米)

3度の世界王者(2020、2021、2025)。Women's Open世界記録55:38保持者。2022年世界選手権は妊娠8ヶ月で出場し9位入賞という伝説的記録。

M

Megan Jacoby(米)

2024年Women's Elite 15世界王者。世界初の女子1時間切り達成者(2024年Nice、59:59)。HYROXに革命を起こした女性アスリート。

J

Joanna Wietrzyk(豪)

2026年Women's Pro世界記録54:25保持。25/26シーズンに前例のないElite 15 Majorsグランドスラム達成。

T

Tim Wenisch(独)

2025年Men's Elite 15世界王者。Hunter McIntyreを5秒差で破った歴史的勝利。怪我からの復活を遂げた精神力の持ち主。

INDIBA®

トレーニングと
温熱ケアを、ひとつの個室で

高強度のトレーニングを続けるには、睡眠や栄養を含めた日々の体の管理が大切です。私たちの六本木の完全個室では、トレーニングに加えて、INDIBA®(EDNA PRO MAX)による温熱ケアも受けられます。

体験セッションを予約する

体験は基本的に代表の岡本(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー〈JSPO-AT〉・TPI 認定〈 Fitness 2 / Power 2 〉・ NASM-PES )が担当します(ほかのトレーナーが担当することもあります)

レース当日の流れと持ち物

06:00

起床・朝食:レース3時間前までに普段通りの食事。糖質中心、脂質と食物繊維は控えめに。

07:30

会場到着:余裕を持って2時間前到着推奨。チェックインと計測チップの受取。

08:30

ウォームアップ:軽いジョグ10分→動的ストレッチ→空気スクワット・空気ランジ→徐々に強度を上げる。

09:00

レーススタート:自分のヒートに集合。最初の1kmランは抑えて入る。後半が勝負。

10:30

ゴール:完走証とフィニッシャーTシャツ。タイムは即時オンラインで公開される。

必須持ち物

  • HYROXシューズ(トレーニング済みのもの)
  • 速乾性ウェア(上下、替えを含む)
  • スポーツソックス(厚すぎないもの)
  • 水・電解質飲料(500ml以上)
  • 軽食(バナナ、エナジーバー)
  • タオル(複数枚推奨)
  • エントリー確認メール(QRコード)
  • 身分証明書

怪我予防の専門知見

HYROXは99%が完走するが、トレーニング期間中の怪我発生率は決して低くない。特にSled Push/Pullでの腰椎、Sandbag Lungesでの膝、Wall Ballsでの肩への負荷が大きい。大会前に自宅20分でできるセルフチェック7項目はHYROX傷害予防ガイドにまとめている。

!

腰椎の保護

Sled Push 152kgの繰り返しトレーニングは、フォームが崩れると腰椎椎間板への負荷が極端に増す。可動域不足のまま重量に挑戦しないこと。

!

膝の保護

Sandbag Lungesは膝関節への反復ストレスが大きい。大臀筋とハムストリングスを強化し、膝の前後ブレを抑える。

!

肩の保護

Wall Balls 100回は肩関節への負荷が大きい。事前に肩甲骨周囲筋(ローテーターカフ、菱形筋)を強化する。

!

足首の保護

Burpee Broad Jumpsの着地は足首・膝への衝撃が大きい。柔軟性と足首の安定性を事前に確保する。

怪我なくHYROXを完走するには、「強くなる前に動ける身体を作る」原則が最重要だ。身体に制限がある状態で重量や強度を上げると、怪我につながりやすい。JSPO-AT(日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー)やTPI認定(Fitness 2/Power 2)のトレーナーによる身体のチェックを受けることで、自分の弱点を数値で把握できる。

JSPO-AT × TPI Certified Fitness 2 / Power 2 × NASM-PES
—— 専門資格者から見たHYROX

ここまで網羅的にHYROXを解説してきたが、最後にJSPO-AT・TPI認定(Fitness 2/Power 2)・NASM-PES・FMS/SFMAを保有する立場から、HYROXに挑戦する人に伝えたいことをまとめる。

資格の視点で見るHYROXの本質

JSPO-AT
日本スポーツ協会公認
アスレティックトレーナー

公認資格。スポーツ医学・リハビリテーション・救急対応を体系的に学ぶ。HYROXの「怪我予防」と「痛みへの対処」の視点。

TPI
Titleist Performance Institute
認定(Fitness 2/Power 2)

ゴルフ専門の身体評価メソッド。16項目の身体スクリーニングで「個人の身体的制限を数値化」する視点。HYROXのフォーム最適化にも応用可能。

NASM-PES
米国スポーツ医学アカデミー
Performance Enhancement Specialist

パフォーマンス向上の科学的プログラム設計の国際資格。HYROXのような「複合競技のための統合的トレーニング」設計の視点。

① 怪我なくHYROXを完走するための原則(JSPO-AT視点)

HYROXの完走率は99%以上だが、トレーニング期間中の怪我発生率は決して低くない。特に40代以上のアスリートにとって、レース前12週間の怪我は致命的だ。

JSPO
AT
Athletic Trainer's View

HYROXで最も多い怪我は腱障害(アキレス腱、膝蓋腱、肩腱板)と腰椎椎間板への過負荷です。前者は急激なボリューム増加が原因、後者はSled Push/Pull時のフォーム不良が原因です。「強くなる前に動ける身体を作る」原則を最後まで守ってください。トレーニング量を増やす前に、まず身体の可動域と動作パターンを確認することが、12週間後の完走確率を決めます。詳しくはゴルフの腰痛は腰が原因ではないで解説した「Joint-by-Joint理論」が、HYROXの怪我予防にもそのまま当てはまります。

② 自分の身体の制限を数値化する(TPI認定(Fitness 2/Power 2)視点)

HYROXの8種目は、一見シンプルな「押す・引く・走る・持つ」の組み合わせだが、それぞれに最適な動作パターンがある。身体に制限があると、フォームが崩れて効率が落ち、怪我リスクが上昇する。

TPI
Screen
TPI Screening's View

TPI身体スクリーニング16項目のうち、HYROXに特に影響するのは胸椎回旋(SkiErgのヒップヒンジ)、股関節内旋(Sled Pushの推進)、骨盤回旋分離(Wall Ballsのスクワット深度)、体幹安定性(Sandbag Lungesのバランス)です。これらが制限されているとフォームが代償的になり、エネルギー漏れが発生します。TPIスクリーニングはゴルファー向けに設計されていますが、HYROXのような「全身の連動性が求められる競技」全般に有効です。TPI 16項目の全解説を参照してください。

③ プログラム設計の科学(NASM-PES視点)

NASM-PESの「OPTモデル(Optimum Performance Training)」は、Stabilization → Strength → Power の3段階で身体を構築する。HYROXのような複合競技では、この順番を守ることがパフォーマンスと怪我予防の両方に直結する。

NASM
PES
Performance Enhancement's View

多くのHYROXトレーニーが犯す最大のミスは、Stabilization Phase(安定性段階)を飛ばしていきなりStrength(筋力)やPower(パワー)に進むことです。本記事の12週間プランの「Week 1-4:基礎構築フェーズ」がまさにこの安定性段階に相当します。ここで体幹安定性・関節可動域・動作パターンを整えてから筋力段階に進むと、HYROXのSled Push(パワー段階)で大きく差が出ます。プランクだけでは体幹は鍛えられないで解説した「回旋パワー・抗回旋・上下分離」の3要素は、HYROXの体幹要件と完全に一致します。

40代以上の経営者がHYROXに挑む理由

HYROX参加者の約2/3が30歳以上であり、40代・50代のビジネスパーソンが多く参加している。なぜか。

マラソンと違いHYROXは1時間半〜2時間で完結する。長期休暇を取らずに参加可能で、忙しい経営者のスケジュールに合う。また、世界共通フォーマットのため、海外出張のついでに大会参加もできる。「ロンドン出張時にHYROXロンドン」「ニューヨーク出張時にHYROXニューヨーク」というスタイルは、グローバルに活動する経営者層に支持されている。

しかし、40代以上で初挑戦する場合、いくつかの20代とは違う配慮が必要だ。

01

基礎構築期間を延長する:標準12週間プランの「Week 1-4:基礎構築フェーズ」を6〜8週間に延長。可動域と動作パターンを十分に整えてから強度を上げる。

02

回復に投資する:十分な睡眠、栄養補給、もみほぐしなど「回復への投資」がトレーニング量の半分以上を占めるべき。

03

事前の身体チェックを実施する:既往歴のある腰痛・膝痛・肩痛は、HYROXのトレーニング負荷で再発しやすい。事前にTPI身体スクリーニングや動作分析を行い、リスクを数値化しておく。

04

強度より頻度を重視する:週1回の追い込みより、週3回の中強度の方が40代以上には適している。心拍数の管理(最大心拍の80%以下)を意識する。

40代経営者のHYROX完走は、単なるフィットネスの達成ではなく、「投資型ボディマネジメント」の象徴的成果だ。詳しくは食べないダイエットは経営判断として間違っているで解説している。

Disport Worldの立ち位置
—— HYROX対応ジムとの「補完関係」

正直な開示

Disport WorldはHYROX公式認定ジムではありません。

本記事の冒頭で誤解のないようお伝えします。Disport Worldは、HYROXの公式器具(公式スレッド、SkiErg、Concept2 Rower、サンドバッグ、ウォールボール等)を全て揃えたHYROX対応ジムではありません。HYROXの本番に向けた専門トレーニング環境が必要な方には、本記事の「日本のHYROX対応ジムを探すには」で紹介しているHYROX公式サイトのAffiliated Training Gymsページをご検討ください。

では、なぜ私たちがHYROXの解説記事を書いているのか。それは、HYROXの完走を目指す方の身体のチェックや怪我予防で、私たちがお手伝いできることがあるからです。

HYROX対応ジム vs Disport World — それぞれの役割

Primary(メイン練習)

HYROX対応ジム

  • 本番器具での反復練習
  • 本番形式(ラン+ステーション)のシミュレーション
  • HYROXコミュニティとの交流
  • レースペースの体得
  • 仲間と一緒の高強度トレーニング
Complementary(補完)

Disport World(六本木)

  • JSPO-AT × TPI × NASMによる身体チェック
  • 個人の弱点に絞った可動域回復ドリル
  • 怪我予防のための専門指導
  • 完全個室での集中的なフォーム改善
  • INDIBA®(EDNA PRO MAX)による温熱ケア

つまりDisport Worldの立ち位置は、「HYROXを目指す人のセカンドオピニオン的なパーソナルジム」です。HYROX対応ジムで本番器具を使った練習を主軸にしつつ、私たちのところで専門資格を持つトレーナーと身体の状態を確かめる——という併用をおすすめしています。

こんな方には Disport World の併用が有効です

▸

HYROX対応ジムに通っているが、特定の種目で痛みや違和感がある

▸

40代以上で初HYROX。怪我なく完走したい

▸

過去に腰痛・膝痛・肩痛の既往歴がある

▸

身体に可動域の制限を自覚している(前屈で床に手が届かない、深いスクワットができない等)

▸

経営者・専門職など、限られた時間で効率的に身体を仕上げたい

逆に、HYROXの本番形式のトレーニングや本番器具を使った練習を主軸にしたい方は、HYROX対応ジムが適しています。Disport Worldはあくまで「身体の専門的チェックと補完的トレーニング」の役割であり、HYROX練習の代替にはなりません。

すでに別のジムでHYROXに向けたトレーニングをされている方の「より安全に、より効率的にHYROXに挑戦したい」という補完的なニーズに応えるのが、私たちの役割だと考えています。

HYROXに挑む全ての人へ

HYROXの最大の魅力は、「自分との闘いが世界との闘いになる」ことだ。同じコース、同じ重量、同じルール。あなたが東京で出したタイムは、ベルリン、ニューヨーク、シンガポールで戦う全ての選手と直接比較できる。

マラソンよりも参加のハードルは低い。CrossFitよりも複雑なスキルは不要。それでいて、完走した瞬間の達成感とコミュニティの一体感は、他のフィットネスイベントにはない独自の体験を提供する。

「完走できるだろうか」と迷っているなら、それは挑む準備ができている証拠だ。3〜6ヶ月の正しい準備があれば、99%の人が完走している。あなたの2027年1月、インテックス大阪に自分の名前を残してみないか。

Disport World — HYROX対応ジムとの併用パーソナル

私たちはHYROX対応ジムではありません。HYROXに挑戦する方への「身体の専門的チェック」と「補完的トレーニング」を、JSPO-AT・TPI認定(Fitness 2/Power 2)・NASM-PES・FMS/SFMAを保有するトレーナーが、完全個室で提供します。

〒106-0032 東京都港区六本木3-15-21 鶯ビルB1

トレーニング体験90分 通常¥15,000(毎月1日から数えて先着3名さまは¥7,500)

HYROXに向けた身体作りの
セカンドオピニオン。

私たちはHYROX対応ジムではありません。
JSPO-AT × TPI Certified Fitness 2 / Power 2 × NASM-PESによる身体チェックと、
HYROX対応ジムと併用する「怪我予防・可動域回復」の専門サポートを提供します。

¥15,000
First Trial — 90 min(Tax incl.)/毎月1日から数えて先着3名さまは¥7,500

体験後の入会判断は不要。

FAQ

2017年ドイツ・ハンブルクで創設された世界最大のフィットネスレースです。1kmランと8種類のワークアウトを交互に行い、世界共通フォーマットで30カ国以上で開催されています。

次は2027年1月21〜24日にインテックス大阪でBYD HYROX Osaka 2027、2027年4月16〜18日にポートメッセなごやでHYROX Nagoya 2027が開催予定です。これまで日本では横浜(2025年8月)、大阪(2026年1月30日〜2月1日)、千葉・幕張メッセ(2026年8月6〜9日・主催者発表で約12,000名)で開催されました。

はい。世界の参加者の99%以上が完走しています。タイム制限はなく自分のペースで進められます。「押す・引く・走る・持つ」の基本動作のみで、高度なスキルは不要です。

現在のフィットネスレベルにより異なりますが、3〜6ヶ月が一般的です。ジムで定期的にトレーニングしている方なら3ヶ月で挑戦可能、運動経験が少ない方は6ヶ月の準備を推奨します。

男子Pro:Alexander Roncevic 51:59(2026年4月Warsaw、史上初の52分切り)、女子Pro:Joanna Wietrzyk 54:25(2026年4月Warsaw)、女子Open:Lauren Weeks 55:38(2025年3月Washington DC)です。

SkiErg・Rowing・Burpee Broad Jumpsは同一ですが、5つのウェイト種目(Sled Push/Pull、Farmers Carry、Sandbag Lunges、Wall Balls)でPro部門は重量が大幅に増加します。Pro男子のSled Pushは202kg、Open男子は152kgです。

開催国・カテゴリで異なります。直近の千葉2026の実績はシングル¥24,486・ダブルス¥23,260・リレー¥18,365(いずれも1人あたり、別途サービス料6.5%)でした。人数が多いカテゴリほど1人あたりは割安になります。

大会当日に16歳以上であれば誰でも参加できます。年齢別カテゴリ(25-29、30-34、35-39、40-44…)が細かく設定されており、同年代と公平に競えます。

2024年9月のCape Town大会から、女子Single OpenのWall Balls回数は75回から100回に変更されました。現在は男女ともOpenで100回、Pro男子9kg×100回、Pro女子6kg×100回です。

PUMAが2024年からの公式パートナーです。Fast-R Nitro Elite、Deviate Nitro Elite等が推奨されます。トラクション(接地グリップ)とクッション性のバランスが重要です。

HYROXの最上位部門。Pro部門で世界トップ15名のタイムを記録した選手のみが招待される特別レースです。HYROX World Championshipsの目玉。

年齢別カテゴリが充実しており、同年代と公平に競えます。40代以上の方は基礎構築期間を6〜8週に延長し、怪我予防に注力することを推奨します。

生理周期は女性アスリートのパフォーマンスに影響します。一般的に、卵胞期(生理1日目〜排卵まで)はエストロゲンが上昇し、筋力・持久力が高まりやすく、HYROXのような複合競技に有利とされます。一方、黄体期(排卵後〜次の生理まで)はプロゲステロンの影響で体温上昇、水分貯留、疲労感が出やすくなります。レースのタイミングを選べるなら卵胞期の出場が理想ですが、選べない場合も適切な栄養補給と水分管理で対応可能です。

妊娠中の参加は基本的に推奨されません。HYROXは高強度の競技で、Sled PushやBurpee Broad Jumps、Wall Ballsなど腹圧の急変動や転倒リスクのある種目を含みます。ただし、世界記録保持者のLauren Weeksは2022年世界選手権を妊娠8ヶ月で出場し9位入賞した例があります。産後の復帰は、骨盤底筋・腹直筋の回復を確認した上で、出産後最低3-6ヶ月(帝王切開の場合6ヶ月以上)の段階的復帰が安全です。必ず婦人科医と相談してください。

服薬中でも多くの場合参加可能ですが、必ず主治医に相談してください。降圧剤(特にβ遮断薬)は最大心拍数を抑えるため、HYROXのような最大強度の競技で「上限まで追い込めない」状態になります。甲状腺薬(レボチロキシン等)は通常パフォーマンスへの影響は限定的ですが、薬の調整中は強度の高い競技は避けるべきです。糖尿病薬を服用中の方は、レース中の低血糖リスクを医師と事前にシミュレーションしてください。

HYROXのエリート選手はレース中、最大心拍数の85-95%を90分以上維持します。一般参加者の目安は、最大心拍数の80-90%。心拍数220-年齢の式(例:40歳なら180bpm)を最大値とし、その85%なら153bpm前後がレース中の目標。Burpee Broad JumpsやWall Ballsでは一時的に95%まで上昇しますが、その後の1kmランで90%程度まで戻すのが理想です。スマートウォッチで心拍数をモニタリングしながら、ゾーンを意識したペース配分が重要です。

HYROXは室内・平地開催のため、高地トレーニング(標高2,000m以上)の効果は限定的です。マラソンほど純粋な有酸素能力に依存しないため、高地トレーニングよりも「ファンクショナル筋力 + インターバルトレーニング」の方が投資対効果が高いです。ただし、長期間(4-6週間以上)の高地滞在で赤血球量を増やせば、HYROXの後半パフォーマンス維持に貢献する可能性はあります。一般的なアスリートには推奨されない時間投資です。

HYROXには各ステーションにジャッジが配置され、会場内に医療スタッフが常駐しています。明らかな体調不良(めまい、胸痛、過度な脱水)を感じたら、無理せず近くのスタッフに申し出てください。途中棄権は失格ではなく「DNF(Did Not Finish)」として記録されます。器具のトラブル(スレッド故障等)が発生した場合は、その場でジャッジに申告。タイム調整または再走行の対応が取られます。完走しないことより、安全に終わることが優先です。

ROXZONEでの移動方法に規定はありません。走っても歩いても、立ち止まっても構いません。ただし、ROXZONE内の滞在時間も合計タイムに含まれます。エリート選手は給水しながら走り抜け、合計3-5分以内に抑えます。一般参加者は7〜10分ほどかかります。「歩いてもいいが、止まらない」が現実的な戦略です。給水ステーションは1ヶ所のみのため、給水を取るタイミングも事前に決めておくと効率的です。

HYROXには体重別カテゴリはありません。年齢別・性別・部門別(Open/Pro)のみで区分されます。これは「絶対的な記録」を世界で比較するという思想に基づいています。体重60kgの選手も100kgの選手も同じ重量を扱うため、軽量級は不利に思えますが、実際にはランニングで有利になることが多く、総合タイムでは大きな差は出ません。エリート選手の体重は男子70-85kg、女子55-70kgが多く、極端な軽量・重量は少ない傾向があります。

岡本隼人
岡本 隼人
Disport World 代表トレーナー
JSPO-ATTPI CertifiedNASM-PESFMSSFMA

2016年六本木開設。のべ指導実績40,000人以上。プロゴルファー矢野東選手、NPB選手を含む指導実績。プロフィール →

Share

HYROXに挑むあなたへ。
身体の専門的チェックを。

Disport WorldはHYROX対応ジムではありません。
JSPO-AT・TPI認定(Fitness 2/Power 2)・NASM-PES・FMS/SFMAを保有するトレーナーが、
HYROX対応ジムと併用する「補完的サポート」を提供します。

¥15,000
First Trial — 90 min(Tax incl.)/毎月1日から数えて先着3名さまは¥7,500
LINEで体験を予約する03-6260-8926

体験後の入会判断は不要。

あわせて読みたい
タバタ式トレーニングとは|効果と正しいやり方