Roppongi Personal Gym体験予約
ベンチでダンベルプレスをする男性。40代からの筋肉とエネルギー消費を考える
Over 40 / Strength

基礎代謝は40代で落ちるのか
——「中年太り」の本当の原因は、年齢より筋肉と動く量

「40代になって同じ食事でも太る。代謝が落ちたせい?」。約6,400人の測定では、体格をそろえた消費量は20〜60歳でほぼ一定でした。変わりやすいのは、年齢そのものより筋肉の量と日々の動く量です。

2026.10.14 読了 約12分

「中年太り=代謝が落ちるから仕方ない」と考えると、打つ手がなくなります。実際には、1日の消費エネルギーの大きさを決めるのは主に除脂肪量(筋肉や臓器など脂肪以外の重さ)と身体活動で、どちらも40代からの生活で動きやすい部分です。この記事では、一次資料で確かめられた範囲で「何が落ちて、何は落ちていないのか」を整理し、今日から確かめられることに落とし込みます。

この記事は、六本木の完全個室パーソナルジム Disport World で、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の岡本隼人が、身体を実際に測ってきた経験から書いています。体験トレーニング(90分)のご案内→

この記事でお伝えすること

・約6,400人(生後8日〜95歳・29か国)を二重標識水法で測った研究(Pontzer ら、2021)では、除脂肪量などで補正した1日の総エネルギー消費は20〜60歳でほぼ一定。下がり始めるのは平均で60歳以降
・基礎代謝の個人差を最もよく説明するのは除脂肪量。成人150名の研究では、個人差のうち63%が除脂肪量、年齢そのものは2%だった(Johnstone ら、2005)
・筋肉の量(絶対量)がはっきり減り始めるのは、468名のMRI研究で40代の終わりごろ。減るのは主に下半身(Janssen ら、2000)
・20〜64歳の1日の歩数の平均は男性7,864歩・女性6,685歩(令和元年)。国のガイドの目安「約8,000歩以上」に届いていない
・「中年太り」は年齢で自動的に起きるのではなく、筋肉と動く量が減ったのに食べる量が変わらないことの積み重ねとして考えるほうが、打つ手が見える

代謝は40代で落ちるのか?——6,400人の測定が示したこと

結論から言うと、平均で見る限り、40代で代謝が急に落ちるという根拠は見当たりません。体格の違いをそろえて比べると、1日の総エネルギー消費は20〜60歳でほぼ横ばいで、下がり始めるのは60歳以降でした。

根拠は、2021年に科学誌 Science に載った Pontzer らの研究です。生後8日から95歳まで、29か国の約6,400人について、二重標識水法(特殊な水を飲み、尿に出てくる量の変化から、ふだんの生活での1日の消費エネルギーを測る方法)のデータを集めて解析しました。除脂肪量などの体格で補正した消費量は、1歳前後で大人より約50%高い時期があり、その後ゆっくり下がって20歳ごろに大人の水準になり、20〜60歳は安定、60歳以降に下がる、という4つの段階に分かれました。60歳以降の低下は年に約0.7%と報告されています(下がり始めの推定は63歳ごろ)。なお同じ研究で、安静時の消費(基礎代謝)を体格で補正した値に限ると、下がり始めの推定は46.5歳とやや早く出ています。ただし45〜65歳の基礎代謝の測定は数が少なく、推定の幅も約41〜52歳と広いため、著者自身がこの推定の精度は低いと述べています。

ここで読み違えやすい点が2つあります。1つは、これが「体格で補正した値」だということです。筋肉が減れば、補正前の消費量(実際に使っているエネルギーの量)はそのぶん小さくなります。つまり「年齢で細胞の働きが落ちる」わけではなくても、「身体が小さくなる」ことで消費は減りえます。もう1つは、これが年齢の違う大勢を測って並べた「群の平均」だということです。同じ年齢でも消費量には幅があり、あなた個人の消費が40代で変わっていないことまでは、この研究から言えません。

基礎代謝は何で決まるのか?——年齢より除脂肪量

基礎代謝の個人差を最もよく説明するのは、年齢ではなく除脂肪量です。筋肉や臓器が多い人ほど、安静にしていても多くのエネルギーを使います。

英国の成人150名の基礎代謝を測り、何が個人差を説明するかを調べた研究(Johnstone ら、2005)では、人による違いのうち63%が除脂肪量、6%が脂肪量、2%が年齢で説明されました。性別や、血中のレプチン・T3(甲状腺ホルモンの一種)は独立した要因として残りませんでした。年齢の影響はゼロではありませんが、除脂肪量に比べるとずっと小さい、というのがこの研究の示したことです。

研究対象測ったものわかったこと
Pontzer ら、2021生後8日〜95歳の約6,400人(29か国)二重標識水法による1日の総エネルギー消費体格で補正した消費は20〜60歳でほぼ一定。60歳以降に年約0.7%低下
Johnstone ら、2005英国の成人150名基礎代謝と体組成・血中ホルモン個人差のうち除脂肪量63%、脂肪量6%、年齢2%
Janssen ら、200018〜88歳の男女468名全身MRIによる骨格筋量体重あたりの筋肉は20代から減り始め、絶対量のはっきりした減少は40代の終わりごろから。主に下半身

3つを重ねると、話の筋が見えてきます。消費の大きさを決めるのは主に除脂肪量で、その中心の筋肉は、使わなければ年齢とともに減っていく。だから「代謝が落ちた」と感じる背景には、年齢そのものより、筋肉の量と使い方の変化があると考えるのが自然です。ただし、どれも因果を一本の線で示した研究ではありません。それぞれ別の集団で測った結果を、矛盾なくつなげるとこう読める、という整理です。

40代で何が変わるのか?——筋肉の量と、動く量

40代で変わりやすいのは、筋肉の量と、1日に動く量の2つです。どちらも消費エネルギーを小さくする方向に働き、しかも本人が気づきにくいのが特徴です。

筋肉については、18〜88歳の468名を全身MRIで測った研究(Janssen ら、2000)で、体重に対する筋肉の割合は20代から下がり始め、筋肉の絶対量がはっきり減り始めるのは40代の終わりごろでした。減ったのは主に下半身の筋肉です。下半身の筋肉は、歩く・立つ・階段を上るといった日常動作で使われる、身体の中でも大きな筋肉です。

動く量については、国の統計が参考になります。令和元年の国民健康・栄養調査をもとにした健康日本21(第三次)の現状値では、20〜64歳の1日の歩数の平均は男性7,864歩、女性6,685歩でした。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)」を推奨しています。平均で見ると、働く世代はこの目安に届いていません。在宅勤務や車での移動、会議の多い仕事では、歩数はさらに少なくなりやすい。こうした日常の動きの減少は、トレーニングをしていない日にも毎日積み重なります。

40代の体づくりの全体像は40代からの体づくりに、筋トレを始めるときの進め方は40代から始める筋トレにまとめています。

First Trial — 90 min
「代謝のせい」と決める前に、今の身体を測る90分

カウンセリング・身体評価・トレーニングを90分で体験し、姿勢・可動域・動作の評価結果はその場で全て開示します。体験後にその場で入会を決めていただく必要はありません。

LINEで体験を予約する
通常¥15,000 → 毎月先着3名さま半額¥7,500(税込)|完全個室|六本木駅5番出口徒歩4分

「中年太り」の本当の原因は?——消費が減り、食事が変わらない

中年太りは「年齢で代謝が落ちたから」起きる、と言い切れる根拠はありません。筋肉と動く量が少しずつ減って消費が小さくなったのに、食べる量や飲む量が20〜30代のまま、という差の積み重ねとして考えるほうが、研究の結果と矛盾しません。

令和元年の国民健康・栄養調査では、肥満者(BMI25以上)の割合は男性33.0%、女性22.3%で、男性の40代は39.7%でした。40代男性の数字が目立つのは事実ですが、これは年代ごとの割合を並べた結果で、年齢が太る原因だと示すものではありません。40代は仕事の責任や会食が増え、運動の時間が取りにくくなる時期とも重なります。その結果として起きやすい流れを、順に並べます。

①

動く量が減る

移動が車や電車になり、座っている時間が長くなる。運動の時間が取れない週が続く。トレーニング以外の日常の動きが、気づかないうちに減っていきます。

②

使わない筋肉から減る

とくに下半身の大きな筋肉は、立つ・歩く・上るの量が減ると使われる機会が減ります。468名のMRI研究で、加齢で減ったのが主に下半身だったこととも重なります。

③

消費が小さくなる

除脂肪量が減れば、安静時の消費も、動いたときの消費も小さくなります。体格で補正すれば消費は一定でも、補正前の実際の消費は身体の大きさとともに下がります。

④

食事と飲む量は変わらない

食べる量の感覚、会食やお酒の頻度は、若いころのまま続きやすい。小さな差でも、毎日続けば体重に表れます。

この流れのどこで手を打つかは、人によって違います。動く量が極端に少ない人もいれば、筋肉はあるのに会食が多い人もいる。40代女性の場合の考え方は40代女性が痩せない原因で、ジムを使って減量するときの選び方は40代のパーソナルジムでのダイエットで詳しく扱っています。食事を含めた大人のダイエット全体は大人のダイエットにまとめました。

40代から消費を保つには、何から始めればいいか?

優先するのは、筋肉を使う機会を週に2〜3回つくることと、日常の動く量を目安に近づけることの2つです。

「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、成人に対して、歩行と同等以上の身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上)、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、筋力トレーニングを週2〜3日、そして座りっぱなしの時間が長くなりすぎないようにすることを推奨しています。これを40代の生活に当てはめると、次の順番になります。

①

今の歩数を1週間記録する

スマートフォンの歩数計で、平日と休日を分けて見ます。平均が8,000歩に届いていなければ、まず通勤の1駅分や階段で、1日1,000〜2,000歩を足すところから。いきなり大きく増やす必要はありません。

②

下半身を中心に、週2〜3回の筋力トレーニング

減りやすいのは下半身の筋肉です。スクワット、ヒップヒンジ(お尻を引いて股関節から曲げる動き)、片脚で支える種目を、正しいフォームで、少し余力を残す重さから始めます。頻度の考え方はトレーニングの頻度で。

③

座りっぱなしを区切る

長い会議やデスクワークの合間に、立つ・歩く時間をはさみます。大きな運動でなくても、座っている時間をそのまま続けないことがガイドの推奨です。

④

食事は「量の感覚」を見直す

消費が若いころより小さくなっている可能性を前提に、外食や会食の量、お酒の頻度を一度書き出してみます。極端に減らすより、続けられる調整を選びます。

ここで大切なのは、代謝のための特別な何かを探すことではなく、使う量の土台である筋肉と、毎日の動く量を落とさないことです。サプリメントや特定の食品より、運動・食事・睡眠の生活全体を整えるほうが、研究の積み重ねと矛盾しません。

Caution

しばらく運動から離れていた方が、いきなり重い重量や回数を目指すと、関節や腰に負担がかかります。最初の数週間は軽めの負荷でフォームを覚えることを優先し、運動中や運動後に鋭い痛み、胸の痛み、息苦しさ、めまいが出たら中止してください。持病のある方、服薬中の方は、運動を始める前に主治医に相談してください。

現場で見えていること

「代謝が落ちたので」と相談に来られる40代の方は少なくありません。体験では、まずカウンセリングで生活の様子を伺い、姿勢・関節の可動域・動作を評価します。体組成計で体重と除脂肪量の目安を測ることもできます。そうして見ていくと、「代謝」という言葉の中身は人によって違うことが多いと感じます。デスクワーク中心で日常の動く量が少ない方、ゴルフや週末の運動はしているけれど下半身の筋力トレーニングはしていない方、運動量はあるのに会食とお酒の量が若いころのままの方。どれも「代謝が落ちた」と表現されますが、手を打つ場所は違います。

もう1つ多いのが、スクワットのような下半身の基本動作で、股関節がうまく使えず膝や腰で代わりに動いている方です。この状態で回数や重さだけを増やすと、筋肉を使う前に関節がつらくなり、続きません。だから私たちは、いきなり追い込むのではなく、今の身体を測り、使えていない部分を確かめてから、その方の生活に合う頻度と量を決めるようにしています。自分で今の状態をざっくり確かめたい方は、オンラインの身体年齢チェックや体力年齢チェックから始めてみてください。

※本記事は一般的な情報であり、医学的な診断ではありません。食事や活動量が変わっていないのに短い期間で体重が大きく増えた・減った、むくみや強いだるさ、動悸、寒がり・暑がりが続く、のどの渇きや尿の回数が増えた、といった変化がある場合は、運動や食事で様子を見る前に内科を受診してください。健康診断で血圧・血糖・脂質などの指摘を受けている方、関節や腰に痛みがある方も、医師に相談したうえで運動の内容を決めてください。痛みがある状態で運動を続けることはおすすめしません。

よくある質問

基礎代謝は40代で急に落ちますか?

平均で見る限り、40代で急に落ちるという根拠はありません。約6,400人を測った研究では、体格で補正した1日の総消費エネルギーは20〜60歳でほぼ一定で、下がり始めるのは60歳以降でした。安静時の消費(基礎代謝)に限ると下がり始めの推定は46.5歳とやや早く出ていますが、この年代の測定数が少なく、著者もこの推定の精度は低いとしています。ただし筋肉が減れば、補正前の実際の消費は小さくなります。

中年太りの原因は何ですか?

年齢そのものより、筋肉の量と日常の動く量が減って消費が小さくなったのに、食べる量や飲む量が変わらないことの積み重ねとして考えるのが、研究の結果と矛盾しない見方です。どこに差があるかは人によって違うので、まず今の活動量と身体の状態を確かめることをすすめます。

基礎代謝を決める一番の要素は何ですか?

除脂肪量(筋肉や臓器など脂肪以外の重さ)です。成人150名の研究では、基礎代謝の個人差のうち63%が除脂肪量で説明され、年齢で説明されたのは2%でした。年齢の影響はゼロではありませんが、相対的には小さいといえます。

40代はどのくらい運動すればいいですか?

厚生労働省のガイド2023は、成人に歩行と同等以上の身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上)、筋力トレーニングを週2〜3日、座りっぱなしを避けることを推奨しています。いきなり全部を目指さず、今の歩数を記録し、下半身中心の筋力トレーニングを週2回から始めるのが現実的です。

筋肉はいつから減り始めますか?

18〜88歳の468名を全身MRIで測った研究では、体重に対する筋肉の割合は20代から下がり始め、絶対量のはっきりした減少は40代の終わりごろからでした。減ったのは主に下半身です。これは集団の平均で、運動習慣などによって個人差があります。

体験のご案内

「代謝が落ちたから仕方ない」と決める前に、まず今の身体を測ってください。体験トレーニングでは、生活の様子を伺い、姿勢・可動域・動作を評価したうえで、筋肉を使えていない部分と、その方の生活に合う頻度と量を一緒に考えます。料金や通い方は料金ページで、体験の流れは体験トレーニングのご案内でご確認いただけます。

First Trial

「代謝のせい」と決める前に、
最初の90分で身体を測る

体験は基本的に代表の岡本隼人が担当します。日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)、TPI認定(Fitness 2/Power 2)として、姿勢・可動域・動作を評価し、結果はその場で全て開示します。体験後に入会を決めていただく必要はなく、無理な勧誘はいたしません。

¥15,000¥7,50090分・税込・毎月先着3名

先着枠は毎月1日起算、定員後は通常¥15,000です。

完全個室 | 六本木駅5番出口徒歩4分 | 体験の流れを見る

主な参考(タップで開く)
  1. Pontzer H, Yamada Y, Sagayama H, et al. Daily energy expenditure through the human life course. Science. 2021;373(6556):808-812.(生後8日〜95歳・29か国の約6,400人。二重標識水法)
  2. Johnstone AM, Murison SD, Duncan JS, Rance KA, Speakman JR. Factors influencing variation in basal metabolic rate include fat-free mass, fat mass, age, and circulating thyroxine but not sex, circulating leptin, or triiodothyronine. Am J Clin Nutr. 2005;82(5):941-948.(英国の成人150名)
  3. Janssen I, Heymsfield SB, Wang ZM, Ross R. Skeletal muscle mass and distribution in 468 men and women aged 18-88 yr. J Appl Physiol. 2000;89(1):81-88.(18〜88歳の男女468名。全身MRI)
  4. 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(2024年1月)。
  5. 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」(肥満者の割合)/健康日本21(第三次)の目標値と現状値(20〜64歳の歩数・令和元年)。
岡本隼人
岡本 隼人
Disport World 代表トレーナー
JSPO-AT TPI Certified NASM-PES FMS SFMA

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)。TPIのFitness 2/Power 2プログラムを修了・認定(TPI Certified Fitness 2 / Power 2)。NASM-PES。FMS(2015年認定)・SFMA(2016年認定)。INDIBA®ベーシックコース修了(INDIBA Japan)。2002年から指導、のべ指導実績40,000人以上。自身のゴルフはヘッドスピード54m/s・ボール初速78m/s(FlightScope計測・自己最速)。2022年から世田谷区・船橋フェニックスで学年チームの監督を務め、2026年は6年生チームで全日本学童軟式野球大会(マクドナルド・トーナメント)第3位。Disport World(六本木3-15-21 鶯ビルB1)代表。