ゴルフの自宅トレーニングとは、ジムに通わず、自宅でゴルフに必要な関節の動く範囲や片脚で支える力を整える運動である。この記事では、最初に一度身体を測ってやることを決め、器具はほとんど使わずに自宅で続け、6週で同じ項目を測り直す進め方を紹介します。重さを扱う段階や、痛みの既往がある場合は、通うほうが進めやすくなります。
この記事は、六本木の完全個室パーソナルジム Disport World で、TPI認定(Fitness 2/Power 2)と日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の岡本隼人が、ゴルファーの身体を実際に測ってきた経験から書いています。扱うのはスイングの技術ではなく、身体の側の準備です。ゴルフのパーソナルトレーニング(六本木・TPI測定)→
・自宅でのゴルフの体づくりは「来店して測る→自宅で週2回を目安に続ける→6週後に来店して測り直す」の3つで組み立てる
・自宅の運動は器具をほとんど使わず、動く範囲を出す→支える→ゴルフの動きにつなぐ、の順。崩れたら前の段階に戻り、痛みが出たらやめる
・6週は、私たちが測り直しの目安にしている区切り。変化の大きさや期間は人によって違う
・重さを扱う段階、速さを上げる段階、痛みの既往がある方は、通うほうが進めやすい
・オンラインでの相談・測り直しはしていない。測る日と測り直す日は六本木に来店し、その間はご自宅で進める
通わずに、ゴルフの体づくりは進められる?
進められます。条件は、やることを測って決めることです。最初に一度だけ身体を測ってやることを絞り、自宅で続け、6週後に同じ項目で測り直す。この3つがそろえば、通う回数が少なくても方向を外しにくくなります。
来店して測る(1回目)
16項目で身体の動きを測ります。評価レポートとプログラムのPDFは、その日のうちにお送りします。最後に種目を一緒に行い、効いている場所と形を確かめます。
自宅で週2回を目安に・6週
制限が出た項目の種目だけを、プログラムに書いた回数とセット数で、動く範囲を出す→支える→ゴルフの動きにつなぐ、の順に進めます。器具はほとんど使いません。
来店して測り直す(6週後)
同じ16項目を同じ手順で測り、前回の判定と並べて、次の6週の重点を決めます。
自己流で始めると、必要のない種目に時間を使ったり、足りない場所を飛ばしたりしやすくなります。体づくり全体の順番(測る→可動域→安定性→筋力→パワー)と、来店の前に見当をつけられる自宅でできる3つのテストは、ゴルフのトレーニングは何から始める?で紹介しています。この記事は、その順番を「通わずに」進めるときの組み立てに絞ります。
最初に何を測ってもらえばいい?
一部だけでなく、ゴルフの動きにかかわる関節と、片脚で支える力をまとめて測ることをおすすめします。どこが動きにくいかが分かれば、自宅でやらなくてよい種目も決まるからです。ボールの数字・スイング解析・身体評価・体力測定で分かることの違いはゴルフの測定には何がある?にまとめています。
TPI(Titleist Performance Institute)は、ゴルファーの身体評価を指導者に教える米国の機関です(TPIとは)。私たちのTPI測定は、TPIのスクリーニングをもとにした16項目で、骨盤・背骨・股関節・肩・首・手首などの動く範囲と、片脚で支える力、構えの姿勢を測ります。項目ごとにP(基準を満たす)・L(制限あり)・F(基準に届かない)で判定し、左右で測る項目は左右それぞれ記録します。判定の基準は私たちが決めたもので、TPI公式の採点ではありません。ボールは打たず、スイング動画も撮りません。
大事なのは、1項目より組み合わせです。たとえば下半身回旋のLだけでは何も言えなくても、骨盤回旋のFと片脚立ちの左右差が重なると、「切り返しで骨盤が回れず、身体が横へ流れやすい」という見立てが立ちます。Pだった項目には種目を出さないので、自宅でやる量を必要なところだけに絞れます。TPI公式の16項目の解説はTPI 16項目の全解説に、私たちの16項目の内訳と料金はTPIフィジカルアセスメントにまとめています。
自宅で週2回を目安に、何をどう進める?
プログラムの種目を、動く範囲を出す→支える→ゴルフの動きにつなぐ、の順に進めます。回数とセット数はプログラムどおりにし、前の段階で形が崩れるうちは、週が進んでも次へ進みません。
この記事では週2回を目安にしています。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」が成人の筋力トレーニングにすすめる「週2〜3日」の下限にあたる回数です。ガイドは、自分の体重を負荷にする腕立て伏せやスクワットも筋力トレーニングに含め、休む日をとることも同じく重要としています。たとえば骨盤前後傾に制限がある場合は、仰向けや四つ這いで骨盤を前後に動かし、座って骨盤だけを動かして止め、最後にアドレスの構えへ戻します。ブリッジ脚伸展なら、両脚のブリッジから片脚へ。多くの種目は床・壁・椅子でできます。種目によっては、ミニバンドやフォームローラー、クラブを使うことがあります。
下の表は、6週の進め方の一例です。週の区切りは目安で、進み具合によって前後します。
| 週(目安) | ねらい | 自宅でやること(週2回が目安) | やめる合図 |
|---|---|---|---|
| 測定の日(来店) | 今の身体を知る | 16項目を測り、プログラムの種目を一緒に行って形を確かめる | 痛みがある方は、先に医療機関を受診 |
| 第1〜2週 | 動く範囲を出す | 体重のかからない姿勢(仰向け・四つ這い・座る)で、制限が出た関節をゆっくり動かす | 鋭い痛み・しびれが出たら中止。反動をつけないと届かない範囲は追わない |
| 第3〜4週 | 支える | 出た範囲の中で止める。片脚で立つ、ブリッジで支える。震えずにできたら段階を上げる | 腰や太ももの裏がつる、腰が反る、震えが止まらないなら前の段階へ |
| 第5〜6週 | ゴルフの動きにつなぐ | アドレスの構えで同じ動きを行う。前傾を保って片脚で支える、骨盤だけを動かす | 構えで前傾が崩れる、ふらつくなら前の段階へ。痛みが出たら中止 |
| 6週後(来店) | 確かめる | 同じ16項目を同じ手順で測り直し、前回の判定と並べて次の重点を決める | ― |
崩れは「前の段階に戻る合図」、痛みとしびれは「その日の運動をやめる合図」と分けて覚えてください。
骨盤・胸・股関節の動く範囲、片脚で支える力、構えの姿勢を含む16項目を測り、制限が出た項目だけに種目・回数・セット数を書いたプログラムPDFを、その日のうちにお送りします。最後に種目を一緒に行い、形を確かめます。
TPIフィジカルアセスメントの詳細を見るどれくらい続けたら測り直す?
6週は、私たちが再評価の目安にしている期間です。TPI測定では、6週後に同じ16項目を同じ手順で測り直す再評価を用意しています(任意。会員の方は追加料金なし、会員以外の方は¥19,800・税込)。
研究の側では、ゴルファーへの体のトレーニングを4週間以上続けた介入を集めたメタ分析があります(Johansen ら、2026年。33研究・798名、うち対照群あり26研究)。対照群を置いた研究をまとめると、トレーニングをした群は対照群より、ヘッドスピードが平均1.05m/s多く上がっていました(95%信頼区間0.39〜1.71m/s)。ただし証拠の確実性は「低い」と評価されています。「4週間以上」は研究を集めるときの条件で、6週という期間を確かめたものではありません。体のトレーニング全般をまとめた結果なので、自宅の運動だけで同じだけ変わるとも言えません。
TPIの記事(Jason Glass)は、負荷を少しずつ上げていく筋力プログラムを6〜8週で組むと書いています。自宅の運動にそのまま当てはまる期間ではありません。変化の大きさや期間は人によって違い、6週で全部の段階が終わるとは限りません。測り直しは終わりではなく、次の6週に何をやるかを決める日です。
自宅で進めるとき、つまずきやすいのは?
つまずきやすいのは、形が崩れても気づかないこと、痛みを我慢して続けること、段階を急ぐことの3つです。どれも、見ている人がいない自宅では気づきにくくなります。
1つ目は形です。けが予防の運動の覚え方を、説明カードと動画で比べた小さな研究があります(Gladdines ら、2024年。ゴルファー18名・平均61.9歳)。カードだけで覚えた群で意図どおりにできた運動は73.7%で、動画を使った2群(88.6%・86.3%)より少なくなりました。この研究で差がついたのは、説明カードだけか、動画があるかでした。私たちは測定の日に種目を一緒に行い、狙った場所に効いているか、代わりの動き(別の場所で補う動き)が出ていないかを、その場で確かめています。
2つ目は痛みです。痛みは「効いている」合図ではありません。3つ目は段階を急ぐことです。前の段階で崩れる動きを次へ持ち込むと、ゴルフの構えでも同じ崩れが出やすくなります。
反動をつけて可動域を押し広げないでください。片脚で立つ種目は、壁や椅子のそばの、転んでもぶつからない場所で行います。痛みが出た種目を、自己判断で別の種目に置き換えて続けることも避け、測り直しの日にお伝えください。
通ったほうがよいのは、どんな人?
重さを扱う段階に入った方、速さを上げる段階の方、痛みの既往がある方は、通うほうが進めやすくなります。器具をほとんど使わない自宅では負荷を上げにくく、形を見る人もいないからです。
TPIの記事でJason Glassは、両手にダンベルを持ち、体重の150%(体重+ダンベル50%)でスプリットスクワットを左右8回できることを、ゴルフに必要な下半身の筋力の目安に挙げています。届かなければ筋力のプログラムから始め、筋力が足りていてパワーが低ければ、速さのトレーニングに切り替えるとしています。自分の体重だけでは、この負荷は作れません。筋力からパワーへの進め方の全体はゴルフの飛距離を伸ばす方法にまとめています。
指導の有無について、65歳以上の健康な方を対象にした11研究のメタ分析(Lacroix ら、2017年)では、指導者がつくバランス・筋力トレーニングのほうが、自主トレーニングより改善が大きいという結果でした。差は、自主トレーニングに指導の回が1回もない研究で大きく、期間中に数回(例:全体で3回)指導の回を入れた研究では小さくなりました。著者らは、週3回のうち2回を指導つきにすることをすすめています。研究の数が少なく、研究どうしを間接的に比べた結果で、対象も高齢者なので、そのまま当てはめることはできません。自宅だけで進める場合も、最初の日に形を確かめ、6週で測り直して、ずれを早めに見つけることが大切です。痛みがある方、ケガや手術をされたことがある方は、先に医療機関の受診をおすすめしています。
自宅でやった分は、どう記録すればいい?
日付、やった種目と回数、形が崩れなかったか、痛みの有無の4つを、1回ごとに短く残せば十分です。測り直しの日に持ってきていただければ、変化の理由を一緒に考えやすくなります。
・日付と、その週の何回目か
・種目・回数・セット(プログラムどおりか、減らしたか)
・形:崩れずにできたか、どこで崩れたか
・痛み:あったか、どこか、翌日まで残ったか
ご自身のスマートフォンで、同じ場所・同じ角度から週に1回撮っておくと、形が自己流に変わっていないかを見直しやすくなります。忙しくて1回もできなかった週も「0回」と書いて残してください。
現場で見えていること
私たちが測定の日にしているのは、測ることと、種目を一緒に行って形を確かめることの2つです。判定のあと、まず取り組む3項目を決めます。
測定中に痛みが出た項目は「痛みあり」と記録し、その部位に負担のかかる種目はプログラムから外します。自宅で進める方ほど、種目を増やすより、まず取り組む3項目から始めるのが現実的だと考えています。
「テストでゴルフの動きを妨げている体の制限がどこにあるのかを、数字と判定で説明してもらえました。コーチの指示が『なぜできなかったのか』が体の状態から理解できて、納得できました。評価のレポートと改善プログラムもいただけました。」
— M.O.様(Googleのクチコミ・2026年10月)
引用はご本人の投稿からで、感じ方には個人差があります。
よくある質問
ジムに通わずに、ゴルフの体づくりはできますか?
できます。最初に一度身体を測ってやることを決め、自宅で週2回を目安に進め、6週で測り直す形なら、通う回数が少なくても方向を外しにくくなります。ただし重さを扱う段階や、痛みの既往がある場合は、通うほうが進めやすくなります。
TPIの測定だけ受けて、あとは自宅でやってもいいですか?
構いません。TPIフィジカルアセスメントは90分¥19,800(税込)の単発で、入会は不要です。評価レポートとプログラムのPDFはその日のうちにお送りし、入会しなくてもそのままお使いいただけます。
オンラインで相談や測り直しはできますか?
していません。測る日と測り直す日は六本木の店舗にお越しいただき、その間はご自宅で進めていただく形です。6週後の再評価は任意で、会員の方は追加料金なし、会員以外の方は¥19,800(税込)です。
ゴルフの自宅トレーニングは、週何回・何週間やればいいですか?
この記事では週2回・6週を目安にしています。週2回は、厚生労働省のガイドが成人の筋力トレーニングにすすめる「週2〜3日」の下限です。回数とセット数はプログラムどおりにし、6週たったら同じ項目で測り直して、次の6週の重点を決めます。
自宅でやっていて痛みが出たら、どうすればいいですか?
その種目をやめてください。痛みは効いている合図ではありません。安静にしても続く痛みやしびれがある場合は、整形外科を受診してください。測り直しの日には、いつ、どの種目で痛みが出たかをお伝えください。
TPI測定のご案内
通えなくても、最初の1回と6週後の1回は、同じ物差しで測ることをおすすめします。TPIフィジカルアセスメントでは16項目を実測し、ご自宅で進めるためのプログラムをお渡しします。担当は代表の岡本です。
TPI Physical Assessment
自宅で進める前に
今の身体を16項目で測る90分
TPIの16項目を実測し、制限が出た項目だけに種目・回数・セット数を書いた評価レポート+プログラムPDFを、その日のうちにお送りします。単発で完結し、入会は不要です(6週後の再評価は任意で、会員の方は追加料金なし、会員以外の方は¥19,800・税込)。
まず動いて確かめたい方は、体験トレーニング(90分・¥15,000/毎月先着3名さま¥7,500)もお選びいただけます(先着枠は毎月1日起算、定員後は通常¥15,000)。
ウェア・タオル無料 | 完全個室 | 六本木駅徒歩4分
主な参考(タップで開く)
- Johansen MJ, Bishop C, Murray A, Coughlan D, Gejl KD, Aagaard P, Bojsen-Møller J. Effects of Physical Training Interventions on Golf Shot Performance: A Systematic Review with Meta-analysis. Sports Med. 2026(2026年8月27日オンライン先行).(33研究・798名。4週間以上の介入)PubMed/doi:10.1007/s40279-026-02531-3
- Lacroix A, Hortobágyi T, Beurskens R, Granacher U. Effects of Supervised vs. Unsupervised Training Programs on Balance and Muscle Strength in Older Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis. Sports Med. 2017;47(11):2341-2361.(11研究・65歳以上の健康な方)PubMed/doi:10.1007/s40279-017-0747-6
- Gladdines S, Eygendaal D, van Boekel L, Verhagen E, Beumer A. How to optimise the fidelity of exercises in an unsupervised golf injury prevention programme? A pilot study. BMJ Open Sport Exerc Med. 2024;10(1):e001681.(ゴルファー18名・平均61.9歳)PubMed/doi:10.1136/bmjsem-2023-001681
- 厚生労働省(健康づくりのための身体活動基準・指針の改訂に関する検討会)「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」令和6年1月。PDF
- Jason Glass. Strength vs. Speed: The World's Longest Hitters Explained. Titleist Performance Institute(mytpi.com)。記事


