この記事では、公開されている実測調査とTrackmanの公式データを年齢別・男女別・ハンディキャップ別に整理し、ヘッドスピードからボール初速を計算する表を載せました。そのうえで、20本の研究をまとめたメタ分析が示す「ヘッドスピードを決める身体の要素」を解説します。結論を先に言うと、決めているのは柔軟性ではなく、下半身のジャンプ力と上半身の爆発的な力です。
この記事は、六本木の完全個室パーソナルジム Disport World で、TPI認定(Fitness 2/Power 2)と日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の岡本隼人が、ゴルファーの身体を実際に測ってきた経験から書いています。扱うのはスイングの技術ではなく、身体の側の原因です。ゴルフの身体づくり(記事一覧・体験)→
・日本人アマチュア男性の平均ヘッドスピードは40.2〜42m/s、女性は35m/s前後(1,500名調査と560名実測の2つの調査)
・年齢別では40歳以下44.1m/s → 40代42.2 → 50代42.0 → 60代39.9 → 70代37.2m/s。10年あたり0.2〜2.7m/s落ちる(50代までは緩やか)
・Trackman公式:PGAツアー115mph(51.4m/s)、平均的な男性アマ(HC14.5)94mph(42.0m/s)。クラブスピード1mph(約0.45m/s)でドライバーの飛距離は最大約3ヤード伸びる
・ボール初速はヘッドスピード×ミート率で決まる。ツアープロのミート率1.49に対し、平均的なアマは1.44。同じヘッドスピードでもボール初速は約3.5%違う
・20研究のメタ分析(2024年):ヘッドスピードと最も強く関係するのはジャンプのインパルス(r=0.68)と上半身の爆発的な力(r=0.58)。柔軟性は関係しなかった(r=−0.04)
・30歳を境に、ヘッドスピードの源は「脚」から「上半身の出力」に移る(PGAプロ20名の研究)
ヘッドスピードの平均は何m/s?(男性・女性)
結論から言うと、日本のアマチュア男性の平均は40〜42m/s、女性は35m/s前後です。根拠は2つあります。1つは読者1,500名を対象にしたアンケート調査で、回答者全体(男性中心)の平均が40.21m/s。もう1つは日本プロドラコン協会の飛距離アップレッスンを受けた560名を、受講前に測定器(ユピテル アトラス)で測ったデータ(2020年8月時点)で、男性平均42m/s、女性平均35m/sでした。前者は自己申告で回答者の半数以上が60〜70代、後者は実測ですが、飛距離を伸ばしたくてレッスンに来た人の集団です。どちらにも偏りがあるので、「男性40〜42m/s」と幅で覚えておくのが正確です。
| 調査 | 方法 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|---|
| 読者調査(1,500名) | 自己申告アンケート。60代33%・70代21% | 40.21m/s | 独自値なし(一般に27〜33m/s) |
| レッスン受講者の実測(560名・2020年) | 受講前にユピテル アトラスで測定 | 42m/s | 35m/s |
| Trackman 公式 | レーダー計測(Trackman Combineの平均) | 平均的な男性アマ(HC14.5)94mph=42.0m/s | 女性HC15で79mph=35.3m/s |
日本のレッスン受講者の実測(男性42m/s・女性35m/s)は、Trackmanの公表値の男性平均(ハンディキャップ14.5)42.0m/s、女性ハンディキャップ15の35.3m/sと近い値です。ただし集め方も対象も測定器も違い(元の記事は、アトラスの数値はトラックマンで測るより高く出ると注記しています)、同じ水準だと言い切れるものではありません。
年齢別の平均ヘッドスピードと、年代別の飛距離
年齢別で見ると、平均は10年ごとに0.2〜2.7m/s下がります。1,500名調査の年齢別データでは、40歳以下が44.12m/s、41〜50歳42.16、51〜60歳41.97、61〜70歳39.87、71〜80歳37.15m/sでした。50代までは緩やかで、60代から落ち幅が大きくなります。
| 年齢 | 平均ヘッドスピード(男性) | 前の年代からの変化 |
|---|---|---|
| 40歳以下 | 44.12m/s | — |
| 41〜50歳 | 42.16m/s | −1.96 |
| 51〜60歳 | 41.97m/s | −0.19 |
| 61〜70歳 | 39.87m/s | −2.10 |
| 71〜80歳 | 37.15m/s | −2.72 |
出典は「ゴルフの学校」(株式会社ゴルフライブ)が読者1,500名に行った自己申告のアンケートです。測定器で年代別に実測した公的データは日本にはまだありません。
ヘッドスピードでなく飛距離で見ると、傾向はもっとはっきりします。ショット計測アプリArccosが2,000万回のドライバーショットから出した年代別の平均飛距離(ハンディキャップ14.1の層)は、20代237ヤード、30代234、40代225、50代216、60代205、70代194ヤード。40代から70代までの30年で31ヤード、つまり10年で約10ヤードずつ落ちています。
| 年代 | 平均ドライバー飛距離(Arccos・2022) | 10年あたりの減少 |
|---|---|---|
| 20代 | 237yd | — |
| 30代 | 234yd | −3 |
| 40代 | 225yd | −9 |
| 50代 | 216yd | −9 |
| 60代 | 205yd | −11 |
| 70代 | 194yd | −11 |
日本のデータも見ておきます。週刊ゴルフダイジェストが2025年にコースで実測した調査では、男性アマチュア140人の平均が204.8ヤード、女性13人の平均が151.5ヤードでした(トータル距離、目測ロープ)。Arccosの値より短めなのは、Arccosがアプリ利用者という比較的熱心な層を、こちらは一般のコース来場者を測っているためだと考えられます。50代で飛距離が落ちたときに最初に見る3つの身体チェックと、60代のゴルフは身体管理で決まるも、この年齢の変化を前提に書いています。
自分の落ち幅が「年齢の平均どおり」なのか、それ以上なのかは、身体を測ると分かります。TPIフィジカルアセスメント(16項目・90分)では、年齢で失われやすい胸椎と股関節の可動性を実測し、レポートでお渡ししています。
ツアープロとアマチュアの差——Trackman公式データ
Trackmanが公開しているクラブスピードの基準値です。PGAツアー平均は115mph(51.4m/s)、LPGAツアーは96mph(42.9m/s)。男性アマチュアはスクラッチで110mph、HC5で101、HC10で95、平均的なゴルファー(HC14.5)で94、ボギーゴルファーで92mphです。
| レベル | クラブスピード | m/s換算 | ミート率(ドライバー) |
|---|---|---|---|
| PGAツアー | 115mph | 51.4 | 1.49 |
| LPGAツアー | 96mph | 42.9 | 1.49 |
| 男性 スクラッチ | 110mph | 49.2 | 1.49 |
| 男性 HC5 | 101mph | 45.2 | 1.45 |
| 男性 HC10 | 95mph | 42.5 | 1.45 |
| 男性 平均(HC14.5) | 94mph | 42.0 | 1.44 |
| 男性 ボギーゴルファー | 92mph | 41.1 | 1.43 |
| 女性 スクラッチ | 90mph | 40.2 | 1.46 |
| 女性 HC10 | 83mph | 37.1 | 1.44 |
| 女性 HC15 | 79mph | 35.3 | 1.41 |
この表で見てほしいのは、LPGAの選手と「平均的な男性アマ」のクラブスピードがほぼ同じ(96mph対94mph)なのに、飛距離は大きく違うことです。LPGAのドライバー平均キャリーは223ヤード(Trackman、2024年)。同じスピードの男性アマはそこまで飛びません。差はミート率(1.49対1.44)と打ち出し条件にあります。ヘッドスピードは飛距離の「上限」を決めますが、上限をどれだけ使えるかは別の問題です。
ヘッドスピードからボール初速を出す(表)——飛距離が1つに決まらない理由
飛距離の計算は、ヘッドスピード×ミート率=ボール初速が出発点です。Trackmanの公式値では、クラブスピード1mph(約0.45m/s)の増加でドライバーの飛距離は最大約3ヤード、ボール初速1mphで最大約2ヤード伸びます。同じクラブスピードでボール初速が10mph違うと、飛距離は約20ヤード違うとされています。
下の表は、ヘッドスピード(m/s)ごとに、平均的なアマチュアのミート率1.44で計算したボール初速をまとめたものです。飛距離はボール初速だけでなく打ち出し角とスピン量で大きく変わるため、ヘッドスピードだけから出す飛距離の換算値は載せていません。
| ヘッドスピード | mph | ボール初速(ミート率1.44) | 目安になる層 |
|---|---|---|---|
| 33m/s | 73.8 | 47.5m/s | 女性アマ平均下位 |
| 35m/s | 78.3 | 50.4m/s | 女性アマ平均 |
| 38m/s | 85.0 | 54.7m/s | 男性60〜70代平均 |
| 40m/s | 89.5 | 57.6m/s | 男性アマ平均下位・60代 |
| 42m/s | 94.0 | 60.5m/s | 男性アマ平均(HC14.5) |
| 45m/s | 100.7 | 64.8m/s | 男性HC5前後 |
| 48m/s | 107.4 | 69.1m/s | スクラッチ級 |
| 51m/s | 114.1 | 73.4m/s | PGAツアー平均に近い(公表値は51.4m/s・初速76.4m/s) |
「ヘッドスピード40m/sの飛距離」「45m/sの飛距離」と検索される方が多いので、表の読み方を補足します。同じヘッドスピードでも、飛距離は人によって大きく違います。Trackmanの公表値(2024年)では、LPGAツアーのドライバーの平均キャリーは223ヤードですが、クラブスピードがほぼ同じ平均的な男性アマチュアは、それより20ヤード以上短いとされています。差はボール初速(ミート率)と、打ち出し角・スピン量です。ヘッドスピードを1m/s上げる前に、いま持っているスピードを飛距離に変換できていない部分(ミート率・打ち出し)を埋めるほうが早い場合もあります。ヘッドスピードを上げるトレーニングそのものは、ヘッドスピードを上げるトレーニングで扱っています。
平均との差を知ることと、その差がどこから来ているかを知ることは別です。Disport WorldのTPIフィジカルアセスメント(90分・¥19,800税込・入会不要)では、TPIの身体評価16項目を実測し、可動性・安定性・力の伝達のどこがヘッドスピードの上限を決めているかをレポートにしてお渡しします。
TPIフィジカルアセスメントの詳細を見るヘッドスピードは身体のどこで決まる?——研究が示す答え
2024年にSports Medicine誌に掲載されたメタ分析(20研究を統合)が、この問いにいちばん整理された答えを出しています。クラブヘッドスピードと最も強く関係していたのは、ジャンプで地面に加えるインパルス(r=0.68)。次いで上半身の爆発的な力(r=0.58)、ジャンプのピークパワー(r=0.58)、ジャンプの高さ(r=0.49)、上半身の筋力(0.45)、下半身の筋力(0.44)、体格(0.41)。そして柔軟性は、関係がありませんでした(r=−0.04)。
| 身体の要素 | ヘッドスピードとの相関 r(メタ分析。括弧は論文の区分) | 何を測っているか |
|---|---|---|
| ジャンプのインパルス | 0.68(大) | 地面をどれだけの力で、どれだけの時間押せるか |
| 上半身の爆発的な力 | 0.58(中) | メディシンボールを座って胸から投げる距離など |
| ジャンプのピークパワー | 0.58(中) | 垂直跳びで発揮する瞬間的なパワー |
| ジャンプの高さ | 0.49(中) | 垂直跳びの到達高 |
| 上半身の筋力 | 0.45(小) | ベンチプレス等の最大筋力 |
| 下半身の筋力 | 0.44(小) | スクワット等の最大筋力 |
| 体格(身長・体重など) | 0.41(小) | — |
| 柔軟性 | −0.04(有意な関連なし) | 前屈・可動域など |
個別の研究も同じ方向を指しています。PGAプロ20名を対象にした2016年の研究では、スクワットジャンプ(r=0.817)と座位メディシンボール胸投げ(r=0.706)の2つで、ヘッドスピードのばらつきの74%が説明できました。平均ハンディキャップ5.8の男性48名を対象にした2013年の研究でも、回旋メディシンボール投げ(r=0.67)、座位胸投げ(r=0.63)、垂直跳びのピークパワー(r=0.54)が有意に関係し、胸投げとスクワットジャンプの2つで49%を説明しています。
まとめると、ヘッドスピードを決めているのは「地面を強く押す力」と「その力を上半身から腕・クラブへ爆発的に伝える力」です。これはTPIがPower 2のプログラムで、垂直跳び・座位胸投げ・回旋投げという3つのテストを使う理由でもあります。
代表の岡本はTPI Certified Fitness 2 / Power 2の認定を持ち、この研究が示す「地面を押す力」と「上半身の爆発力」を、16項目の身体評価と合わせて見ています。まず可動性の制限を外し、そのうえでパワーを作る。順序を含めてゴルフのパーソナルトレーニングのページで説明しています。
なぜ年齢で落ちるのか——30歳を境に源が変わる
先ほどのPGAプロ20名の研究には、もう1つ重要な発見があります。30歳未満のプロではスクワットジャンプ(脚の力)がヘッドスピードと最も強く関係し(r=0.801)、30歳以上のプロでは座位胸投げ(上半身の爆発力)が最も強く関係していました(r=0.881)。著者らは「若いゴルファーは脚の力を、年齢が上のゴルファーは上半身の力をより使っている」と結論しています。
これは現場の感覚とも一致します。若いうちは脚のバネだけでクラブを走らせられますが、30代以降はそれが落ちてくる。その分を、上半身の出力で補っている人はヘッドスピードを維持し、補えていない人は年齢分の落ち幅がそのまま出ます。年齢による低下は避けられませんが、落ち幅は人によって違います。10年で0.2〜2.7m/sという数字は、1,500名調査で筋力トレーニングをしていると答えた人(約26%)も含めた平均です。
もう1つ、年齢で失われやすいのが、力を出す前提になる姿勢と可動域です。胸椎が回らなくなれば上半身の出力を回旋方向に乗せられず、股関節が動かなくなれば地面を押す力の向きが崩れます。体が硬い・体が回らない人が柔らかくすべき3か所で書いたとおり、ここで必要なのは全身のストレッチではなく、胸椎・股関節・肩関節という3つの関節の可動性です。
「柔らかくなれば速くなる」は本当か
研究データのうえでは、柔軟性そのものはヘッドスピードと関係しません(メタ分析でr=−0.04)。前屈ができる人も、できない人も、ヘッドスピードには差がなかったということです。「柔らかくなれば飛ぶ」という言い方は、データの裏付けがありません。
ただ、これを「可動域は要らない」と読むのは間違いです。可動域はスピードの源ではなく、源である力を使うための前提条件です。胸椎が回らない人は、どれだけ上半身の出力があっても、その力を回旋に使えません。股関節が屈曲できない人は、地面を強く押す姿勢そのものが取れません。TPIの身体評価が16項目の可動性・安定性のテストから始まるのは、力を測る前に「力を出せる身体になっているか」を確認するためです。その16項目が何を見ているかはTPI 16項目の全解説にまとめています。
順序としては、①可動域と安定性の制限を外す → ②地面を押す力と上半身の出力を作る → ③スイングでその力を使う、です。①を飛ばして②をやると怪我につながり、②を飛ばして①だけやっても、研究が示すとおりヘッドスピードは上がりません。プランクだけではゴルフの体幹は鍛えられないで扱った回旋パワーの種目が②に当たります。
自分の伸びしろを身体から見る——3つの見方
平均と自分の差が分かったら、次はその差がどこから来ているかです。ヘッドスピードの伸びしろは、次の3つに分けて見ると整理できます。
可動性の制限——「上限が身体の構造で決まっている」
胸椎の回旋、股関節の回旋と屈曲、肩の外旋。ここに制限があると、トレーニングでパワーを増やしてもスイングに乗りません。まず外すべき制限です。
パワーの不足——「押す力と伝える力が足りない」
垂直跳び、座位のメディシンボール胸投げ、回旋投げ。研究がヘッドスピードとの関係を示している3つの動きです。これが低いなら、ヘッドスピードの源そのものを作る段階です。
変換の損失——「持っているスピードを飛距離にできていない」
ミート率が1.40を切っている、打ち出しが低すぎる・高すぎる。ヘッドスピードは平均以上なのに飛距離が平均以下という人は、ここです。身体ではなくレッスンプロの領域が中心になります。
練習場の計測器でヘッドスピードとボール初速が出るなら、ボール初速÷ヘッドスピードでミート率が分かります。1.44を下回っていれば③の損失が大きい。1.44以上なのに飛距離が平均以下なら、ヘッドスピードそのもの(①②)が課題です。この切り分けをしてから、レッスンに行くか、身体を変えるかを決めると遠回りがありません。
練習場の数字だけでは、ヘッドスピードが伸びない理由は分かりません。TPIフィジカルアセスメントでは16項目の身体評価で①と②の状態を実測し、結果をレポートでお渡しします。レッスンコーチと連携して③を進めることも可能です。
TPIフィジカルアセスメントを予約する現場で見えていること
当ジムで身体評価を受けるゴルファーの多くは40〜60代で、「ヘッドスピードが落ちた」「昔より飛ばない」という相談です。評価してみると、パワーの不足より先に、胸椎の回旋と股関節の内旋の制限が出る方が大半です。こうした方は、地面を押す力があっても、その力をクラブに乗せる回旋の通り道が狭くなっています。制限を外すだけで、トレーニングを増やさずにスイングが楽になり、結果としてヘッドスピードの数字が戻る方もいます。
逆に、可動域は十分なのにヘッドスピードが平均を下回る方は、垂直跳びや投げる動作で力の立ち上がりが遅い傾向があります。この場合は、ストレッチを増やしても変わりません。回旋パワーの種目に切り替える必要があります。同じ「ヘッドスピードが落ちた」でも、必要な手当てが正反対になることが、身体評価を最初にやる理由です。
数字で確認しておきたい方には、体験セッションの身体評価で、①可動性 ②パワー ③変換のどこに伸びしろがあるかを一緒に見ています。レッスンコーチと連携しての進行も可能です。役割の分担はゴルフのパーソナルトレーニングのページにまとめました。
よくある質問
ヘッドスピード40m/sは平均より速いですか?
男性では平均のやや下、女性では平均を大きく上回ります。日本の調査で男性平均は40.2〜42m/s、Trackmanの「平均的な男性アマ(HC14.5)」は42.0m/sです。年齢別では60代の平均(39.9m/s)とほぼ同じ水準です。
ヘッドスピード45m/sならどれくらい飛びますか?
ミート率1.44ならボール初速は約64.8m/sです。Trackmanのデータでは男性ハンディキャップ5前後(101mph=45.2m/s)に相当し、アマチュアとしては上位の水準です。ミート率が1.48まで上がれば、同じヘッドスピードでもボール初速は約1.8m/s(約4mph)上がります。Trackmanの目安(ボール初速1mphで最大約2ヤード)に当てはめると、最大で8ヤード前後です。
50代・60代でヘッドスピードは戻せますか?
年齢別の平均は10年で0.2〜2.7m/s下がります。これは筋力トレーニングをしていると答えた人(1,500名調査の約26%)も含めた平均です。30歳以上のゴルファーでは上半身の爆発的な力がヘッドスピードと最も強く関係する(r=0.881)という研究があり、この能力はトレーニングで改善できます。ただし先に胸椎・股関節の可動域の制限を外す必要があり、順序を間違えると怪我につながります。どこに制限があるかはTPIフィジカルアセスメントで確認できます。
ストレッチをすればヘッドスピードは上がりますか?
柔軟性そのものはヘッドスピードと関係がない(20研究のメタ分析でr=−0.04)というのが研究の結論です。ただし胸椎や股関節の可動域の制限は、力をスイングに乗せる通り道を狭くします。可動域は「速くする要素」ではなく「速くなるための前提条件」と考えるのが正確です。
ヘッドスピードを上げるのに、いちばん関係する身体能力は何ですか?
ジャンプで地面に加えるインパルス(r=0.68)と、上半身の爆発的な力(r=0.58)です。具体的には垂直跳び・スクワットジャンプ、座位でのメディシンボール胸投げ、回旋のメディシンボール投げが、複数の研究でヘッドスピードとの関係を示しています。最大筋力(スクワットやベンチプレスの重量)との関係は小さく(0.44〜0.45)、重いものを持ち上げる力より、速く力を出す能力のほうが重要です。
体験のご案内
平均との差を知ったあとに必要なのは、その差が可動性・パワー・変換のどこから来ているかを知ることです。TPIフィジカルアセスメント(90分¥19,800・税込・入会不要)では、TPIの身体評価16項目でそれを確認し、何から手を付けるべきかをお伝えします。
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主な参考(タップで開く)
- Brennan A, et al. Associations Between Physical Characteristics and Golf Clubhead Speed: A Systematic Review with Meta-Analysis. Sports Medicine. 2024;54(6):1553-1577.(20研究・569名。プールド相関:ジャンプインパルスr=0.68、上半身爆発的筋力0.58、柔軟性−0.04)
- Lewis AL, et al. Determinants of club head speed in PGA professional golfers. J Strength Cond Res. 2016;30(8):2266-2270.(n=20。SJ r=0.817、SMBT r=0.706、2変数で分散の74%を説明。30歳未満/以上で主要因が入れ替わる)
- Read PJ, et al. Relationships between field-based measures of strength and power and golf club head speed. J Strength Cond Res. 2013;27(10):2708-2713.(n=48。MBRT r=0.67、MBST r=0.63、CMJピークパワー r=0.54)
- Trackman. What is Club Speed/Smash Factor/The Ultimate Guide to Understanding TrackMan.(PGA 115mph・LPGA 96mph、HC別クラブスピードとミート率、1mphで最大約3ヤード)
- Arccos Golf の調査(2,000万回のドライバーショット)。golf.com「How much driving distance golfers lose as they age, according to new data」(2023年3月24日)で紹介された年代別平均ドライバー飛距離(転がりを含む)。
- ゴルフの学校(株式会社ゴルフライブ)「【集計結果】ヘッドスピードの平均と上げる方法・飛距離の関係とは」(読者1,500名のアンケート。ページの表示日2026年4月27日)/松谷伸次「アマチュアゴルファー560名のデータから判明した目標飛距離を達成する数値とギア」(ハイエストゴルフ、2020年8月11日。日本プロドラコン協会の飛距離アップレッスン受講者)/週刊ゴルフダイジェスト「【ゴルファーの飛距離調査2025】<前編>」(2025年11月11日号。10月17日・東名CCで男性140人・女性13人を実測)。
・ゴルフの股関節の使い方|乗る・入れる・回すができない本当の理由
・ゴルフの地面反力とは|プロは体重の約2倍を踏む。左足・右足のタイミング
・ゴルフの捻転差(X-Factor)は本当に必要か|プロ約60度・アマ約44度

