サッカーや陸上、バスケットボールをしている小学生・中学生が「かかとが痛い」と言うことは珍しくありません。「成長痛だから様子を見よう」と言われることもありますが、医学でいう成長痛とかかとの痛みは、多くの場合で別のものとして説明されています。整形外科の学会の資料と海外の研究をもとに、保護者の方向けに、かかとの痛みの見分けの手がかりと受診の目安、受診のあとに家庭でできることをまとめました。
この記事は、六本木の完全個室パーソナルジム Disport World で、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の岡本隼人が、成長期の子どもの身体を実際に測ってきた経験から書いています。ジュニアの身体評価(小学生・中学生)→
・シーバー病(踵骨骨端症)は、アキレス腱がつくかかとの成長軟骨に、走る・跳ぶの繰り返しで負担がかかって起きる、成長期のかかとの痛み
・運動で痛み、かかとの後ろ・下・側面を押すと痛いのが手がかり。ただし、かかとが痛い=シーバー病とは限らない
・医学でいう「成長痛」は、かかとを典型の場所に含まない。運動で痛むかかとは、成長痛と決めずに整形外科へ
・ドイツのユースサッカーの研究では、発症は平均11.8歳、競技に戻るまで平均60.7日
・片側だけ強く痛む、腫れる、足を引きずる、朝も日中も痛い。こうした場合は早めに受診を
子どものかかとの痛み、シーバー病とは?
シーバー病は、かかとの骨(踵骨)の後ろにある成長軟骨の部分に起きる、成長期のかかとの痛みです。日本では「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」とも呼ばれます。骨折のような一度の大きなけがではなく、走る・跳ぶ動作の繰り返しで少しずつ負担がたまって起きる「使いすぎ」の障害に分類されます。
米国整形外科学会(AAOS)の一般向け解説は、シーバー病を子どものかかとの痛みのよくある原因の1つとして説明しています。日本整形外科学会と日本スポーツ整形外科学会の資料でも、足の慢性障害の1つとして、かかとの後ろを押すと痛むことが特徴に挙げられています。
ただし、保護者の方に最初にお伝えしたいのは「かかとが痛い=シーバー病」とは決められないことです。AAOSの解説は、骨折などほかの原因を除くために、医師がX線を撮ることがあると書いています。シーバー病そのものはX線で異常が写らないことが多い一方、写真を撮ることで別の原因を確かめる意味があります。病名を決めるのは診察した医師で、この記事はその前後に保護者の方が知っておくと役に立つことをまとめたものです。
なぜ成長期にかかとが痛くなるのか?
成長期のかかとには、まだ骨になりきっていない柔らかい部分(成長軟骨)があり、そこにアキレス腱がついているためです。AAOSの解説によると、腱が骨につく所の成長軟骨は、成長が終わるまでは周りの腱や靭帯より弱い部分です。
ふくらはぎの筋肉は、アキレス腱を通してかかとの骨を引っ張ります。走る、跳ぶ、ダッシュから止まる、といった動作を繰り返すと、この引っ張る力と、着地でかかとが地面から受ける力が、弱い成長軟骨に何度もかかります。AAOSは、成長スパート(身長が急に伸びる時期)の頃に起きやすいと説明しています。
| 部分 | 役割 | シーバー病との関わり |
|---|---|---|
| ふくらはぎの筋肉 | つま先で地面を押す、跳ぶ | アキレス腱を通してかかとを引っ張る |
| アキレス腱 | ふくらはぎの力をかかとに伝える | かかとの後ろの成長軟骨についている |
| かかとの成長軟骨(骨端) | 成長の間、かかとの骨が大きくなる部分 | 腱や靭帯より弱く、ここに痛みが出る |
| かかとの裏 | 着地で体重を受ける | 走る・跳ぶの着地で繰り返し力を受ける |
学会の資料(日本スポーツ整形外科学会の「膝の慢性障害」)は、成長期の慢性障害の要因として「骨の成長と筋の伸びとのアンバランス」や「からだの柔軟性不足」「オーバートレーニング」を挙げています。シーバー病の資料ではありませんが、同じ「成長期に骨と腱がつく所が痛む」障害の考え方として参考になります。なお、身長が伸びる時期に筋肉が必ず硬くなる、と直接示した研究は、今回の調べでは確かめられませんでした。
何歳ごろ、どんな競技の子に多いのか?
資料で多いとされる年齢は8〜15歳ごろで、走る・跳ぶの多い競技に多いと報告されています。年齢と競技の関係について、出典のはっきりしている数字を表にまとめました。ほかの競技で多い痛みは成長期のスポーツ別けが一覧で競技ごとに整理しています。
| 報告 | 対象 | 分かったこと |
|---|---|---|
| James ほか 2013(治療の系統的レビュー) | シーバー病の研究の集約 | 8〜15歳ごろの子に起きる |
| Belikan ほか 2022 | ドイツのユースサッカーアカデミー612人・10年間 | 年100人あたり0.36件(10年間で22件)。診断時は平均11.8歳。競技に戻るまで平均60.7日 |
| Wedderkopp ほか 2026 | デンマークの小学生1,670人を5.5年追跡 | かかと・膝の骨端症(シーバー病・オスグッドなど)は、サッカー・ハンドボール・バスケットボール・ジャンプ系の体操をする子で、骨端症になる割合が2.07〜2.74倍高いという関連が見られた(観察研究で、競技が原因と決まったわけではない) |
| 日本臨床スポーツ医学会 1998年の資料 | 小学生・中学生・高校生(調査の地域・年は資料に記載なし) | 表で示された割合は小学生5.4%・中学生0.9%・高校生0% |
表の読み方の注意です。1998年の資料は、調査した地域や年が書かれていないため、今の日本の子どもにそのまま当てはまる数字ではありません。それでも「小学生に多く、高校生では見られない」という並びは、成長軟骨が骨になると起きなくなるという説明と合っています。ドイツの数字はサッカーの育成組織の選手のもので、一般の子どもの数字ではありません。
身長がいちばん伸びる時期は、文部科学省の学校保健統計(令和元年度・全国)では、全国平均の伸びが男子は11歳時(小学6年の1年間)に7.5cm、女子は10歳時に6.7cmで最大でした。個人差は大きく、同じ学年でも伸びる時期は1年以上ずれます。「最近急に背が伸びた」「靴のサイズがすぐ変わる」という時期に、走る量や跳ぶ量が増えていないかを見ておくと、変化に気づきやすくなります。
姿勢、関節の可動域と筋力バランス、ジャンプとホップ、動作パターンを測ります。担当は基本的に代表の岡本隼人(JSPO-AT)。結果はその場で保護者の方に口頭でご説明します。無理な勧誘はいたしません。痛みがある場合は、先に整形外科の受診をお願いしています。
LINEで空き状況を確認する成長痛とはどう違うのか?
医学でいう「成長痛」と、シーバー病のような運動で痛むかかとの障害は、別のものとして説明されています。かかとの痛みを「成長痛だから」で済ませないことが大切です。
日本小児整形外科学会の一般向け解説(2025年9月更新)は、成長痛を、3〜12歳ごろの子に夕方から夜に出て、翌朝には問題がなくなる脚の痛みとして説明しています。腫れ・赤み・熱はなく、歩くことができ、日中は元気なのが特徴です。今回の調べで見た成長痛の定義(日本小児整形外科学会や海外の基準)では、かかとは典型の場所に入っていませんでした。
| 見るところ | 医学でいう成長痛 | シーバー病(踵骨骨端症) |
|---|---|---|
| 多い年齢 | 3〜12歳ごろ | 8〜15歳ごろ |
| 痛む場所 | ふくらはぎ・太もも・膝の裏など。両脚のことが多い | かかとの後ろ・側面。片側も両側もある |
| 痛む時間 | 夕方〜夜。翌朝には治まる | 走る・跳ぶなど運動のとき・あと |
| 押したときの痛み | はっきりした押すと痛い場所はない | かかとの後ろや側面を押すと痛い |
| 運動への影響 | ふだんの活動を制限しない | 運動で痛み、休むと軽くなることが多い |
この表は見分けの手がかりで、家庭で判定するためのものではありません。かかとの痛みには、シーバー病のほかにも、骨折やほかの病気が隠れていることがあります。運動で痛むかかと、押すと痛むかかとは、成長痛と決めずに整形外科で診てもらってください。成長痛そのものについては、成長痛とは?夜に脚が痛い子の見分け方で詳しくまとめています。
どんなときに受診すればいいか?
かかとの痛みが続く、運動で繰り返すときは、整形外科を受診してください。とくに次のような様子がある場合は、運動を止めて早めに受診をおすすめします。どの病気かを家庭で書き分けることはできないので、「当てはまるなら様子を見ずに受診」と考えてください。
| こんな様子 | なぜ注意するか(資料の記載) |
|---|---|
| 足を引きずる・かかとをつけて歩けない・体重をかけたがらない | 歩き方の変化は、骨折や感染などほかの原因も考える理由になる |
| かかとや足首が腫れる・赤い・熱をもつ | 腫れや熱は、けがや関節の炎症などを示すことがある |
| 熱がある、だるい、食欲がない、体重が減る | 全身の症状を伴う痛みは、別の病気を調べる理由になる |
| 朝まで痛みが残る・日中もずっと痛い | 運動と関係なく続く痛みは、使いすぎの痛みと合わない |
| だんだん強くなる・休んでも引かない | 続く・強くなる痛みは、ほかの原因を確かめる対象 |
| 転んだ・ひねった・強くぶつけたあとから痛い | けがのあとの痛みは、骨折や成長軟骨の損傷を考える |
| 一点を押すとひどく痛い・しこりがある | 局所の強い痛みやしこりは、画像の検査の対象になる |
| かかと以外(足首・足の甲・内くるぶしの下・膝など)も痛む | 別の場所の障害が重なっていることがある |
夜に痛みで目が覚めることだけで、重い病気と決める必要はありません。ただ、夜の痛みが朝まで残る、日中も痛い、だんだん強くなる、といったほかの様子と重なるときは、早めに受診してください。受診のときは、いつから・どちらのかかとが・どんな動きで痛むか、最近の練習の量を伝えると、医師が判断しやすくなります。
受診したあと、家庭では何ができるか?
家庭でできるのは、医師の方針を守り、運動の量と痛みの変化を記録して伝えることです。対応の中身を決めるのは医師で、家庭で治療の方法を選ぶものではありません。
AAOSの解説では、シーバー病の対応は運動量を減らすことが中心で、ふくらはぎのストレッチや筋力の運動も挙げられています。一方で、痛みが軽く、足を引きずっていなければ運動を続けられる子もいる、とも書かれています。つまり「全部休む」か「そのまま続ける」かの二択ではなく、どこまでやってよいかは状態によって違います。その線引きを医師に確かめ、家庭とチームで共有することが、保護者の方にできる一番大きな仕事です。
確かめる:医師の方針をメモに残す
休む動き・続けてよい動き・ストレッチを始める時期・次の受診日を、診察のその場でメモします。
数える:走る・跳ぶの量を記録する
練習の日数と時間、試合、ダッシュやジャンプの多い日、硬いグラウンドや体育館での練習を、カレンダーに書いておきます。
聞く:練習のあとと翌朝に具合をたずねる
「痛い?」だけでなく「歩きはじめはどう?」「つま先立ちはどう?」と、動きで聞くと変化に気づきやすくなります。
伝える:記録を持って受診し、チームと共有する
痛みが増えた、引かない、別の場所が痛む。こうした変化は次の受診で医師に伝え、指導者にも方針を共有します。
つま先立ちや歩きはじめの痛みを聞くのは、変化に気づくための確認で、診断ではありません。痛みがあるときに、跳ばせたり走らせたりして確かめないでください。冷やす、ストレッチをする、靴やインソールを変えるといった対応も、内容と時期は主治医の指示に従ってください。痛みが強くなる、腫れる、足を引きずる場合は、運動を止めて整形外科を受診してください。
日本の部活動の指針(スポーツ庁・文化庁、2022年)は、週2日以上の休養日と、平日2時間程度・休日3時間程度の活動時間を示しています。かかとの痛みがあるかどうかにかかわらず、練習の量を見直すときの目安になります。地域のクラブや複数の競技をかけもちしている子は、合計の時間で数えてみてください。
現場で見えていること
かかとの相談で来られても、測ってみると、かかとより上の身体に硬さや左右差が見つかることがあります。ふくらはぎが硬くて、しゃがむとかかとが浮く。片脚立ちが片側だけふらつく。着地の音が大きく、かかとから強く降りている。こうした身体の側の特徴は、保護者の方からは見えにくいものです。
また、試合に出たい気持ちの強い子ほど、痛みを口にしないことがあります。当店では測る前に、痛む場所、いつから痛いか、受診の有無と医師からの指示、競技と練習の量を、保護者の方とお子さんの両方から伺います。痛みがあれば、ジャンプや全力の測定は行わず、整形外科の受診をおすすめします。結果はその場で保護者の方に口頭でご説明します。
当店の90分の評価では、姿勢、関節の可動域と筋力バランス、ジャンプとホップ、動作パターンを測ります。これは医師の診断に代わるものではなく、医師から運動の許可が出たあとに、何から整えるかを決めるための材料です。走る動きの見方は小学生の足が速くなる方法、年齢ごとの筋力づくりは野球に必要な筋トレ(年代別メニュー)、練習のあとの過ごし方は野球少年・サッカー少年の自宅リカバリー、投げる競技の肘については小学生の野球肘を防ぐにはにまとめています。
よくある質問
子どものかかとが痛いのは成長痛ですか?
成長痛と決めないでください。医学でいう成長痛は夕方〜夜に脚に出て翌朝には治まる痛みで、かかとは典型の場所に入っていません。運動で痛む、押すと痛むかかとは、シーバー病などほかの原因も考えられるので、整形外科で診てもらってください。
シーバー病は何歳まで続きますか?
資料では8〜15歳ごろに多いとされ、かかとの成長軟骨が骨になれば起きなくなると説明されています。ただし、何歳で終わるかは子どもによって違います。期間の見通しは、診察した医師に確認してください。
シーバー病でもサッカーや部活を続けていいですか?
続けてよいか、どこまでしてよいかは、診察した医師が決めます。AAOSの解説では運動量を減らすことが対応の中心で、痛みが軽く足を引きずっていなければ続けられる子もいるとされています。痛みがある状態で練習や試合を続けることはすすめません。
かかとの痛みは何科を受診すればいいですか?
整形外科を受診してください。できれば子どもやスポーツの障害を診ている整形外科が相談しやすいでしょう。いつから・どちらのかかとが・どんな動きで痛むかと、最近の練習の量をメモして持っていくと伝わりやすくなります。
かかとが痛くても、身体の評価は受けられますか?
痛みがある場合は、まず整形外科の受診を優先してください。当店では、医師から運動の許可が出たあとに、姿勢・可動域・筋力バランス・ジャンプとホップ・動作パターンを測り、結果はその場で保護者の方に口頭でご説明します。痛みがあれば、ジャンプや全力の測定は行いません。
まずは90分、身体を測ることから
かかとの痛みがあるときは、まず整形外科へ。そのうえで、医師から運動の許可が出たら、かかとにかかる力を受け止めるふくらはぎ・足首・股関節の動きや着地を一度測っておくと、何から整えればよいかを決めやすくなります。料金と内容はジュニアプログラム、小学生のうちに何をトレーニングするかは小学生アスリートのトレーニングにまとめています。
Body Assessment
成長期の「今の身体」を
90分かけて測る
担当は基本的に代表の岡本隼人。世田谷区・船橋フェニックスで学年チームの監督を務め、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)として、姿勢、関節の可動域と筋力バランス、ジャンプとホップ、動作パターンを測ります。結果はその場で保護者の方に口頭でご説明します。体験後に入会を決めていただく必要はなく、無理な勧誘はいたしません。
先着などの条件はありません。
完全個室 | 六本木駅5番出口徒歩4分 | 初回は保護者の方の同席をお願いしています | ジュニアプログラムの詳細
主な参考(タップで開く)
- American Academy of Orthopaedic Surgeons. Sever's Disease (Heel Pain). OrthoInfo.(2026年10月13日閲覧)
- 日本整形外科学会「足の慢性障害」(症状・病気をしらべる。日本整形外科スポーツ医学会の資料から引用)。
- 日本スポーツ整形外科学会 監修「スポーツ損傷シリーズ13 足の慢性障害」(2008年8月作成)。/同「スポーツ損傷シリーズ10 膝の慢性障害」。※いずれも要約して紹介
- 日本小児整形外科学会スポーツ委員会「成長期のスポーツ障害 ―早期発見と予防のために―」(2010)。
- 日本小児整形外科学会「成長痛」(2025年9月18日更新)。
- James AM, Williams CM, Haines TP. (シーバー病の治療に関する系統的レビュー)J Foot Ankle Res. 2013;6:16.
- Belikan P, ほか. Incidence of calcaneal apophysitis (Sever's disease) and return-to-play in a German youth soccer academy. J Orthop Surg Res. 2022;17:83.(612人・10年)
- Wedderkopp N, ほか. Incidence of and risk factors for lower extremity apophysitis in children and adolescents. Sports Med. 2026;56(3):793-803.(デンマークの小学生1,670人・5.5年)
- 日本臨床スポーツ医学会 学術委員会 小児科部会「知っていてほしい子どものスポーツ医学的知識」(1998)。※調査の地域・年の記載なし
- 文部科学省「令和元年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)調査結果の概要」。
- スポーツ庁・文化庁「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」(2022年12月)。
- Lehman PJ, Carl RL. Growing Pains: When to Be Concerned. Sports Health. 2017;9(2):132-138.


