Roppongi Personal Gym体験予約

ゴルフ/TPIフィジカルアセスメント/Test 02

TPI Screen Library — Test 02

骨盤回旋テスト(Pelvic Rotation)——下半身から切り返せない、腰が横に流れる人が確かめること

バックスイングで腰が横に流れる、切り返しで肩から回ってしまう。その背景には、上体を止めたまま骨盤だけを回せない身体があることがあります。

2026.10.15 読了 約8分

こんなお困りごとはありませんか。レッスンで「下半身から切り返して」と言われても、どう動かせばいいのか分からない。バックスイングで腰が横に流れる(スウェー)と言われる。切り返しで上体から打ちにいき、クラブが外から下りてしまう。このページでは、TPIの身体評価16項目の02番「骨盤回旋」が何を見るテストか、制限があるとどう見えるか、スイングにどう出やすいか、当てはまるときに何から始めるかをお伝えします。

書いているのは、六本木のパーソナルジム Disport World です。代表の岡本隼人は、TPI認定(Fitness 2/Power 2)と日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)の資格を持ち、TPI Screen(TPIの身体評価)を提供しています。扱うのはスイングの技術ではなく、身体の側の原因です。16項目の一覧(TPIフィジカルアセスメント)→

骨盤回旋テストは、何を見るテストか?

上体を止めたまま、骨盤だけを左右に回せるかを見るテストです。アドレスの構えで腕を胸の前で組み、足の裏を床につけたまま、ベルトから下だけを左右に回してもらいます。見るのは、上体が一緒に回っていないか、骨盤が回る代わりに横へ流れていないか、膝の曲げ伸ばしや体重の移動で回ったように見せていないか、そして左右で回りやすさに差がないか、です。

下半身から切り返す動きは、上体と骨盤を別々に動かせることが前提になります。骨盤を単独で回せないと、上と下は一緒にしか動けず、上体と骨盤のねじれの差(捻転差)も作りにくくなります。骨盤を前後に傾ける動きを見る01 骨盤前後傾に続けて、回す向きの動きを見るのがこのテストです。16項目の全体と、TPIそのものについてはTPIとはで解説しています。

骨盤回旋テストの姿勢のイメージ。ゴルフのアドレスの構えで腕を胸の前で組み、上体と足の裏は止めたまま、ベルトから下だけを左右に回す。ベルトから下だけ左右に回す胸は足の裏は床に正面のまま横から見た図
図:骨盤回旋テストの姿勢(イメージ)

制限があると、どう見えるか?

骨盤が回っていないのに、体のほかの場所で「回ったように」見せる形で出ることが多いテストです。測っていると、次のような出方があります。

制限の主な見え方

・上体(肩・胸)が、骨盤と一緒に回ってしまう
・骨盤が回る代わりに、横へ流れる(スウェーやスライドのような動き)
・膝の大きな曲げ伸ばしや、体重の移動で回ったように見せる
・骨盤の向きが、ほとんど変わらない
・片方の向きだけ、回りにくい・動きがぎこちない

上体が一緒に回る方の中には、肩を軽く支えると骨盤だけを回せる方がいます。この場合は、動く範囲よりも、上と下を分けて動かす使い方(制御)の課題として読みます。支えても骨盤がほとんど回らない方や、横に流れずには回り切れない方は、股関節や背骨の回る範囲の課題を疑い、11 下半身回旋(股関節の内旋・外旋)や07 座位体幹回旋の結果と照らします。

どこまで回れば十分かは、出方の型と左右の差を合わせて見るため、測定の場でご本人の動きを見ながらお伝えしています。

スイングには、どう出やすいか?

骨盤を単独で回しにくいと、下半身から切り返す順序が崩れ、横に流れる・上体から打ちにいく、といった動きにつながる可能性があります。出方と、回りにくい向きによって、出やすい傾向が分かれます。

01回し方の出方

上体も一緒に回る

出やすい局面
切り返し
スイングで出やすい傾向(可能性)
下半身から切り返せず、上体から動く。クラブが外から下りる(オーバーザトップ)、腕に頼った振り方

02回し方の出方

横へ流れる・膝で補う

出やすい局面
バックスイング〜切り返し
スイングで出やすい傾向(可能性)
バックスイングで腰が横に流れる(スウェー)。切り返しのあと下半身が目標方向へ流れる(スライド)

03回し方の出方

ほとんど回らない

出やすい局面
スイング全体
スイングで出やすい傾向(可能性)
上下の捻転差が作れない。回れない分を上体で補い、伸び上がる動き(アーリーエクステンション)やオーバーザトップにもつながりやすい

04回し方の出方

バックスイング方向だけ回りにくい

出やすい局面
バックスイング
スイングで出やすい傾向(可能性)
回る代わりに骨盤が横へ流れる(スウェー)。捻転が浅くなる

05回し方の出方

ダウン〜フォロー方向だけ回りにくい

出やすい局面
切り返し〜フォロー
スイングで出やすい傾向(可能性)
骨盤が目標方向へ流れる(スライド)か、回転が止まって手先で合わせる振り方になる

表の「バックスイング方向」は、右打ちの方なら骨盤を右へ回す向き、「ダウン〜フォロー方向」は左へ回す向きです(左打ちの方は逆になります)。

ただし、36人のゴルファーでTPIの身体テスト12項目と14のスイング特性の関係を調べた研究(Gulginら、2014年)では、統計的に関係が確かめられたのは前屈・ブリッジ・ディープスクワット・片脚立ちに関わる一部の組み合わせで、要旨に挙がった組み合わせに骨盤回旋は含まれていません。

ですから私たちは、このテストの結果だけでスイングの癖を決めつけません。16項目の組み合わせと、実際にお困りのスイングの動きを照らして読みます。14のスイング特性それぞれの意味は14のスイング特性の解説に、横流れについてはスウェーの解説、外から下りる動きについてはオーバーザトップの解説で書いています。

当てはまるとき、何から始めるか?

いきなりアドレスで骨盤を回す練習はしません。体重のかからない姿勢で回る範囲と感覚を作り、支えを使って骨盤だけを回し、最後にアドレスへ戻す、という順に進めます。

1

動く範囲を出す(仰向け・床に座る)

体重のかからない姿勢で、骨盤が上体から離れて回る感覚をつかみます。横に流れる方、ほとんど回らない方は、股関節の回る範囲を先に出します。

2

骨盤だけを回し、支える(横向き・壁)

お尻の外側の筋肉を働かせ、骨盤を回す土台を作ります。壁で上体を支えて骨盤だけを回し、支えを少しずつ減らします。

3

ゴルフの構えにつなげる(アドレス)

アドレスで肩のラインを正面に保ったまま、骨盤だけを回します。ここで上体が一緒に回る、横に流れるなら、ひとつ前の段階に戻ります。

肩を支えると回せる方は、仰向けと壁から始めます。支えても回らない方、横に流れる方は、股関節の回る範囲から始めます。同じ「骨盤が回らない」でも、入口のエクササイズは出方で分けています。

代表的なエクササイズ5種

私たちが骨盤回旋に制限が出た方に使う種目のうち、代表的な5つです。どれも痛みのない範囲で、ゆっくり行います。回数と負荷、左右どちらを多めに行うかは、測った結果と体力に合わせて決めています。

1. 仰向け膝倒し

段階1・動く範囲を出す|上体が一緒に回る方・ほとんど回らない方
仰向けで両膝を立て、両腕を横に広げます。両肩を床につけたまま、そろえた両膝を左右へゆっくり倒して戻します。膝を倒す向きが、骨盤を回す向きです。肩が床から浮いて、上体ごと転がらないように。

2. 90/90股関節ストレッチ

段階1・動く範囲を出す|横に流れる方・ぎこちない方・ほとんど回らない方
床に座り、前の脚も後ろの脚も膝を直角に曲げて置きます。前の脚は股関節を外へ、後ろの脚は内へひねった形になります。前半は上体を立てたまま保ち、後半は前の脚の方へ胸をまっすぐ倒します。前の脚のお尻の外側と、後ろの脚の付け根の前側が伸びるのが目安です。背中を丸めて頭だけを前に倒さないように。後ろの脚の膝に痛みやねじれる感じがあれば、続けずに止めます。

3. ミニバンド・クラムシェル

段階2・骨盤だけを回し、支える|横に流れる方・ぎこちない方
横向きに寝て、股関節を軽く、膝を直角近くまで曲げ、膝の少し上にミニバンドを巻きます。かかとを合わせたまま上の膝を開いて閉じ、骨盤は動かしません。お尻の外側の上のあたりが熱くなる感覚が目安です。骨盤が後ろへ倒れて、腰で開かないように。きつい方はバンドなしで、開く幅を小さくして始めます。

4. 壁サポート骨盤回旋

段階2・骨盤だけを回し、支える|上体が一緒に回る方
壁に両手をついて上体を支え、骨盤だけを左右に回します。手で壁を押す強さが変わらず、ベルトのバックルだけが左右を向くのが目安です。肘の曲げ伸ばしや体重の移動で、回ったように見せないように。慣れたら指先だけで壁に触れ、次に手を離してアドレスで行う、と支えを減らします。

5. 骨盤分離ドリル

段階3・ゴルフの構えにつなげる|出方を問わず
アドレスで腕を胸の前で組み(またはクラブを肩に担ぎ)、上体を止めたまま骨盤だけを左右にゆっくり回します。鏡で肩のラインが正面のままかを確かめます。膝の曲げ伸ばしや体重の左右の移動で、回ったように見せないように。崩れるときは壁サポートに戻り、支えを減らしながら進めます。

下半身から切り返す順序の考え方はゴルフの下半身リードに、体が早く開く動きは身体が開く本当の原因に書いています。

測る現場で気をつけていること

骨盤回旋で私たちが気をつけているのは、骨盤が「回っている」のか「流れている」のかを見分けることです。正面から見ると回っているようでも、後ろから見ると骨盤の中心が横へずれていることがあります。そのため、正面と後方の両方から見ます。足元も見ています。つま先の向きが変わると、股関節をあまり回さなくても骨盤が回ったように見え、制限が隠れやすいためです。

骨盤だけで回せないときは、肩を軽く支えてもう一度回してもらいます。支えると回せるなら上と下を分ける使い方の課題、支えても回らないなら動く範囲の課題として、入口のエクササイズを分けます。股関節そのものの回る範囲は、11 下半身回旋の結果と合わせて読みます。スイングの言葉(「下半身から」「腰を回して」)を変える前に、骨盤だけを回せる身体にしておく。ここを最初に確かめるために、私たちは測ってから始めています。レッスンと並行して取り組めます。

※このページのテストとエクササイズは、運動機能を確かめるためのもので、医学的な診断ではありません。腰や股関節、膝に痛み・しびれがある場合は、試さずに医療機関にご相談ください。

よくある質問

骨盤回旋テストは、自分でもできますか?

動きそのものは、鏡の前でアドレスを取り、腕を胸の前で組んで、肩を止めたまま骨盤だけを左右に回してみると確かめられます。ただ、骨盤の横への流れや膝の曲げ伸ばしは、正面の鏡では気づきにくく、後ろから見ないと分からないことがあります。腰や股関節に痛み・しびれが出る場合は試さず、医療機関にご相談ください。

骨盤が回らないと、スウェーやスライドになりますか?

なるとは限りません。骨盤を単独で回しにくいと、横に流れる・上体から打ちにいくといった動きにつながる可能性はありますが、研究でも1つのテストと1つのスイング特性が一対一で結びつくとは確かめられていません。私たちは16項目の組み合わせと、実際のスイングのお困りごとを照らして見ます。

「下半身から切り返す」練習だけでは足りませんか?

骨盤を単独で回せる身体なら、スイングの練習で順序を覚えやすくなります。一方で、上体と骨盤が一緒にしか動かない、股関節が回らないといった身体の側の理由があると、順序を意識しても再現しにくいことがあります。使い方の課題か、動く範囲の課題かを先に確かめると、何から取り組むかを決めやすくなります。

TPI測定のご案内

下半身から切り返そうとしても上体が先に動いてしまうなら、骨盤だけを回せるかどうかを一度測ってください。TPI測定(TPIフィジカルアセスメント)では、骨盤回旋を含む16項目を測り、何から手を付けるかをその場でお伝えします。

TPI Physical Assessment

骨盤だけを回せるかを、
16項目の中で確かめる90分

16項目を実測し、制限が出た項目とスイングの傾向の結びつきを、評価レポートとプログラムのPDFでお渡しします。単発で完結し、入会は不要です。

¥19,80090分・税込・入会不要

ウェア・タオル無料 | 完全個室 | 六本木駅徒歩4分

主な参考(タップで開く)
  1. Titleist Performance Institute. The Pelvic Rotation Test(mytpi.com). https://www.mytpi.com/articles/screening/the-pelvic-rotation-test
  2. Titleist Performance Institute. Sway/Slide/Over the Top(mytpi.com). Sway・Slide・Over the Top
  3. Gulgin HR, Schulte BC, Crawley AA. Correlation of Titleist Performance Institute (TPI) level 1 movement screens and golf swing faults. J Strength Cond Res. 2014;28(2):534-539. doi:10.1519/JSC.0b013e31829b2ac4
岡本隼人
Disport World 代表トレーナー
JSPO-AT TPI Certified Fitness 2 / Power 2 NASM-PES FMS SFMA

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)。TPI認定(Fitness 2/Power 2)。NASM-PES。FMS・SFMA認定。世田谷区の少年野球チーム「船橋フェニックス」の監督。TPIの認定は岡本個人の資格で、Disport WorldはTPIが運営・提携する施設ではありません。